[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1193]

自社事業の本質を見つめるための“問い”(2)~非営利法人の事例から~。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

「2016年の健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳で
過去最高となった」

・・・・

3年に1度行われる国民生活基礎調査から導出された分析結果
だそうです。

今後、このトレンドはますます強まっていくことは間違いない
と思われます。

そのような社会変化を踏まえ、我々介護事業者は何を考え、

何を変えていくくべきなのか、、、、

色々な視点が出てきそうですね^^

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■自社事業の本質を見つめるための“問い”(2)~非営利法人の事例から~。
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●昨日、ご紹介させていただいた「マネジメント(P.F.ドラッカー著)」からの抜粋文章。昨
記の通り、とあるテーマに対する思考を深めるために読み返した訳ですが、実はもう一つ、
同時に読み返した本がありました。それは

●同じくP.F.ドラッカー氏の著書「非営利組織の成果重視マネジメント」。数年ぶりにこち
らの本を手に取り、折り込みが入ったページに目を通したところ、やはり、非常に示唆深さ
を感じる、とある組織の事例が紹介されていました。

●この事例、自らの事業の本質を問う、という意味において更に思考を深め、研ぎ澄ませる
ための材料として有益かもしれない?という想いのもと、今日も昨日同様、同本に書かれて
いた文言を皆様にもご紹介させていただきたいと思います。ホームレスのシェルター事業
を行っている、とあるNPO法人の事例についてです(以下、同本より一部、換骨奪胎の上、
抜粋)。

●「ホームレスのシェルター事業を実施しているあるNPOは、第1の顧客が何を価値ある
ものと考えるかを学ぶことによって、大幅に事業を変更することになった。この事業で、彼
らは自らの憶測や思い込みで栄養価の高い食事と清潔なベッドを用意すればよいと考えて
いた。」

●「ところが、理事と職員の双方が出席した彼らの顧客であるホームレスとの面接が行われ
た結果、確かに食事とベッドは感謝されていたが、ホームレスの状態から抜け出したいとい
う彼らの深い望みをかなえるには、これらの活動はほとんど何も役立っていないことがわ
かった。顧客たちは言った。」

●「「私たちは生活を立て直すための安全な場所を必要としている。一時的にでもわが家と
呼べる場所を必要としている」と。この組織は相手のニーズを勝手に憶測すること、これま
での方法をやめることを決め、「どうしたらこのシェルターを安全で落ち着ける場所とする
ことができるだろうか」と、問いかけた。」

●「そして「すぐにこのシェルターから追い出されてしまうのではないか」というホームレ
スの人々の不安を取り除くことにした。つまり、ホームレスの人々がこのシェルターに長期
にわたって滞在できるようにし、そこで一人ひとりと話し合い、生活を立て直すとはどうい
うことなのか、そして、それを実現するためにどのような援助ができるのかを共に考えたの
である。」

●「この新しい方法は、顧客に対してもより多くのことを要求している。以前は、空腹でシ
ェルターに来ればそれでよかったが、現在では、自らの真の希望を自覚するために、顧客自
身もシェルターのプログラムに参加してゆくことが求められている。新しいプログラムで
は顧客の役割はより大きくなり、同時に組織の成果も大きくなった。」・・・・

●さて、昨日と同様、繰り返しのご質問です。私たちの顧客は一体何を“価値あるもの”と捉
えて下さっているのでしょうか? 上記事例通り、これらをどう定義するかによって我々の
“力の入れどころ”は大きく変わってくるものと思われます。少しでも心に引っ掛かりを感じ
ていただけた方は、一度、自らの心に問いかけると共に、昨日と本日の事例を伝えながら、
幹部の皆さんに同様の質問をしてみても面白いかも知れませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は富山市内でセミナー。

終了後は、

富山の某介護事業者様との意見交換&懇親会です。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。