おはようございます、金曜日担当の尾添です。
「働く人の心の負担を調べる検査を2028年4月から全事業所で義務化する方針」と報じられ
たニュース、ご覧になりましたでしょうか。
https://news.jp/i/1429015409152639837?c=39550187727945729
現在は、従業員50人以上の事業所では年1回の実施が義務ですが、50人未満は努力義務に
とどまっています。
今回の動きは、その対象を小規模な事業所にも広げるというもの。
むむむ。。
採り上げてみたいと思います。
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■■ ストレス検査の義務化
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◆厚生労働省の資料を確認すると、2025年5月に公布された改正法により従業員50人未満
の事業場にも実施が義務化されると説明されています。
つい最近、2026年5月18日の審議会資料では、その施行日を令和10年(2028年)4月1日
とする案も示されています。
◆なぜ、ここまで広げるのでしょうか。
?背景には、仕事による心の不調が無視できない社会問題になっていることがあります。
厚生労働省の令和6年調査では、心の健康対策に取り組んでいる事業所は全体で63.2%。
50人以上では94.3%ですが、30?49人では69.1%、10?29人では55.3%に下がります。
また心の負担を調べる検査の実施割合も、50人以上の事業所では89.8%ですが、30?49人
では57.8%、10?29人では58.1%。
事情や理由はさておき、現場で起きている心の問題に対して中小零細企業では十分な対処が
できていないことは分かります。
◆小さい職場ほど、人間関係が近く、相談先がなく(限られる)て不調を言い出しにくい。
介護現場なら、人手不足の中で無理を重ねる職員も少なくありません。
だからこそ、働く人の心の限界を早めに見つける仕組みは必要です。
この目的そのものを否定しませんし、制度の主旨も理解しています。
ただし問題は、この制度を中小零細企業が本当に自社だけで回せるのか、という点です。
◆検査をするだけなら、まだできるかもしれません。
でも実際には、結果の扱い、本人への通知、医師による面談、職場ごとの分析、改善策の検討
などが関わってきます。
厚労省の資料では、集団ごとの分析は個人が特定されない方法で行う方向が示されていますが、
小さい職場ではこれが難しい。
数人単位の部署なら結果を見ただけで「誰のことか」が想像できてしまうからです。
国会の附帯決議では、中小零細企業を支援するために産業保健の支援体制を整えることや産業
医・産業保健スタッフの育成が求められています。
裏を返せば、「中小零細企業だけでは回しにくい制度である」と国も分かっているのでは。
・制度ができる
・自社だけでは難しい
・外部に頼む
・費用がかかる
・支援策ができる
・そこに新しい仕事が生まれる
正しい目的を掲げた制度が結果として現場に新たな事務負担と費用負担を生み、その周辺には
新しい市場ができる。
利権…いやいや考えすぎかもしれませんが、構図が頭に浮かびます。
◆介護業界にとっても深刻です。
現場責任者は、すでに人員配置、利用者対応、家族対応、採用、教育、書類、加算、苦情対応
など様々な仕事を抱えています。
そこへさらに、心の負担の検査、結果の扱い、面談へのつなぎ、職場改善まで求められる。
働く人を守る制度のはずが、管理職の心を削る制度にならないでしょうか。
大企業のように人事部や総務部など部門の人材も豊富にあるわけではありません。
そして、すべての現場責任者がスーパーマンではありません。
◆決して、働く人を守るなと言いたいのではありません、守るべきです。
でも働く人だけを守れば職場がよくなる、というわけではないはず。
例えば、働く人にも自分の体調を早めに伝える責任があります。
注意や指導を受け止める責任があります。
職場の一員として、他の人にしわ寄せを出さない努力をする責任もあります。
一方で、会社には安全に働ける環境を整える責任があります。
この両方があって初めて、職場は成り立ちます。
◆制度やルールは立場の弱い人を守るために必要です。
でも、制度を運用する現場まで弱らせてしまえば本末転倒。
今回の動きも、自分(自社)事として注目し、考えていきましょう。
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好き勝手に書きましたが、この制度を通じて
・職員の不調を早く見つける
・管理者を孤立させない
・会社として抱えるべきことと本人が向き合うべきことを分ける
など現場改善に繋げていきたいですね。
「義務だから」とか「外部専門家に任せれば」の考えだけでは、また一つ現場に重たい荷物
が増えるだけになりそうです。