おはようございます、金曜日担当の尾添です。
先月、ケアマネに関係する改正法が国会で可決・成立しました。
業界メディアやSNSでも見かけましたが、これは単なる制度変更ではなさそうです。
とあるメディアで見かけた「ケアマネージャーの引き抜き時代(大移動時代)の到来」なる
センセーショナルな言葉について、今回の制度変更をもとに、その内容や可能性など考え
てみます。
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■■ ケアマネ大移動時代?
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◆ケアマネ大移動、すなわちケアマネが流動化すると某メディアには書かれていました。
その理由として、先述の改正法と同時期に発表された国からの強力なメッセージにあると
書かれていました。
①6月19日に成立した「5年更新制」の廃止と罰則の新設
長く現役ケアマネを苦しめてきた資格更新制が廃止され、「生涯資格」となることが正式
決定しました。
これにより、資格失効の恐怖から解放された「潜在ケアマネ」が市場に戻りやすい環境が
整いました。
でも国は、「研修受講」そのものを免除したわけではありません。
新たな法律では、研修が「法令上の義務」として残され、未受講者には「1年以内の業務
従事禁止」という罰則(ペナルティ)が下されることになります。
つまり求職者は「法人が業務として研修をどうバックアップしてくれるのか」に注目する
ようになる可能性があります。
②6月改定「処遇改善加算(2.1%)」の初適用
6月から、これまで対象外だった居宅介護支援に対しても初めて「処遇改善加算」が適用
されました。
ただし、この加算を取得するには「ケアプランデータ連携システム(ケアプー)」の活用
など、国が指定するDX(生産性向上)要件を満たす必要があります。
すなわち、「国の方針通りにDX投資をしてケアマネの給与を上げた法人」と「対応が遅れ
て給与を据え置いた法人」の間で賃金格差が生じる(そう見られる)可能性があります。
◆この2つの制度変更を武器に、例えば資金力のある大手法人やICT化の進んだ事業所は、
以下のようなメッセージでケアマネへアプローチをかけるかも知れません。
「うちは6月から処遇改善加算を取得済みなので、その分をベースアップしています。」
「義務化された定期研修の費用は、全額法人負担。もちろん勤務時間内の受講OKです。」
「ケアプランデータ連携システムを導入しているので、紙の印刷やFAX、役所への郵送の
ための残業はほぼゼロです。」
◆同じ仕事なるのに、隣の事業所の方が給料が高く、残業が少なく、研修も会社負担。
この事実に気づいたケアマネから順に、今まさに大手への転職を検討し始めているのでは
ないか…が本日のタイトルに繋がる背景です。
◆介護業界全体がそうですが、ケアマネの人材不足も深刻です。
そんな中、他社に魅力を感じて転職を検討…という状況が出てくることは避けたいところ。
どうにか策を講じなければなりません。
そう考えれば、国が準備する制度やルールについて情報収集し、積極的に取り入れていく
ことも必要となります。
上記の例から考えれば
・「ケアプー」の即時導入と加算取得
・ 「研修受講=業務」のルール化と明文化
・「カスハラ防衛体制」の構築
などは早急に検討すべきです。
ちなみに3つ目のカスハラについて、今回の法改正では全事業者に対する「カスハラ対策
の義務化」も盛り込まれました。
ケアマネが理不尽な要求を受けた際、「複数名で訪問できる体制」や「法人が組織として
間に入るフロー」を整え、職員に「一人で抱え込ませない」姿勢を示すことが、職員に
とって最大のエンゲージメント向上につながるかもしれません。
◆変化を負担と捉えるか、武器と捉えるか、です。
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国が居宅介護支援事業者に突きつける「DX・資格改革・処遇改善」の三位一体改革は、
変化を拒む小規模事業所にとっては脅威ですが、先手を打つ事業者にとっては「優秀な
ケアマネを採用できるチャンス」にもなり得ます。
まずは自社のケアマネに、事業所、そして法人としてのメッセージを発信することから
始める必要があります。