[ケアビジネスSHINKA論 Vol.811]

リーダー育成を行う経営者が陥りがちな落とし穴とは。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

東京都知事選、小池百合子氏の

“圧勝”

で終了しましたね。

このメルマガは政治論議を行う場ではないので
私個人の意見は差し控えますが、

“何が都民の心を動かしたのか”

という視点で今回の動きを見つめていくと、

企業経営においても活用出来そうな様々な切り口が
見つけられるような気がします。

そんな目で一度、今回の選挙をあらためて見つめてみても
面白いかもしれませんね。

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■リーダー育成を行う経営者が陥りがちな落とし穴とは。
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●先日、東海地区の介護経営者・幹部数人とリーダー育成について意見交換する機会があったのですが、その議論の中で少し思うところがあり、その点について問題提起をさせていただいたところ、その一言で完全にその場を凍り付かせてしまう、という、思わず焦りを感じてしまった出来事がありました^^でも、とても大事な事ではないか?とも思い、今日は、その際にお伝えさせていただいた内容を皆様にもお伝えさせていただきたいと思います。“経営者がリーダー育成を行う際に陥りがちな落とし穴”についてです。

●「リーダーの役割って、皆さんの組織として明確に定義されていますか?話をお聞きしていて少し疑問に思ったもので、、、、」話し声が途切れ、5名の方の視線が一斉に私に集まりました。「すみません、唐突に。でも、皆さんの話を聞いている中で、リーダーに対して求めている事項があまりにも広範囲になり過ぎ、ひょっとすると期待過剰状態になっているのでは?と感じたもので、、、」これ、集っていただいた法人に限らず、様々な組織で起こっていることではないか、と思います。「リーダーだからそれぐらい出来て当然」「組織を任せるリーダーなら、これぐらいは出来て欲しい」期待も含め、そんな経営者や幹部の想いが一つ一つ積み重なり、結果として当初描いていたリーダー像の何倍にも立派なリーダーを求めることが常態化してしまい、経営者もリーダー本人もストレスを感じてしまう、、、、組織全体から見ても、決して好ましい状態ではないでしょう。何故、こうなってしまうのか?原因は、組織に存在する“リーダー”と呼ばれる方各々の役割が明確に定義されていないからだ、と私は思います。

●「企業のマネジメント人材は、最前線の“フロントライン・マネジメント”から“組織経営マネジメント”“事業経営マネジメント”“企業経営マネジメント”まで4つの段階に分類できる」世界有数の大企業の一つ、GEのコンサルタントを務めたラム・チャラン氏の言葉です。彼はこの考え方に基づき、各階層に求められるリーダーシップについて、「マネジメント・パイプライン」という以下のような考え方を提唱しました。

  1. フロントライン・マネジメント
    職務:企業の最前線で社員を直接対象としたマネジメント。一般的に、課長職・チームリーダー職
    職務責任:社内外での業績実現行動
    リーダーシップ行動:戦略実行型
    リーダーシップ技術:課題設定・意思決定・指示統率
  2. 組織経営マネジメント
    職務:事業部門や管理部門の1つの機能組織を統括する。一般的に、部長職
    職務責任:フロントライン・マネジメントとその部下を含む組織を育成強化し、競争力を組織化すること
    リーダーシップ行動:人材育成型
    リーダーシップ技術:人・組織の能力把握・配置活用・育成継承
  3. 事業経営マネジメント
    職務:特定の製品やサービスのビジネスモデルを統括する。一般的に、事業部長、事業本部長、事業担当役員など
    職務責任:ビジネスモデルの維持と革新
    リーダーシップ行動:目標達成型
    リーダーシップ技術:新たなコア・コンピタンスを実現する「変革ビジョン設計」と、イノベーションのジレンマを克服する「変革実行管理」
  4. 企業経営マネジメント
    職務:CEOおよびその経営チーム
    職務責任:企業価値の均衡配分と企業文化の再構築
    リーダーシップ行動:目標達成型
    リーダーシップ技術:企業理念に基づいて外部変化に対応する企業文化を維持・革新する「体制構築」と、企業価値配分関係者(顧客、社員、株主等)に均衡した企業価値配分を実現する「関係制御」

(以上、グロービスマネジメントスクールのHPより抜粋)

●言わずもがなですが、決して皆さんの組織にこの定義をあてはめましょう、と言っている訳ではありません。我々がこの事例から読み取るべきこと、それは、“リーダー”と一口に言っても、求められる役割は同じ型の相似形では決してない、ということ、そして、その上でポジション毎に求められる“役割”“機能”をしっかり検討・定義することで、組織目標が達成されるようにデザインするよう設計する必要がある、ということではないでしょうか。

●組織によって、リーダーの数も、役割も大きく変わってくるのは当然です。皆様の組織では、各々のリーダーの役割が明確に定義され、それらが“パイプライン”のように、しっかりと価値連鎖できるような流れに設計されていますでしょうか?組織力を今以上に強化したいとお考えの経営者様は、一度、そんな視点で自社の組織や人財育成の在り方を見つめてみても悪くないかもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、愛媛の南予地区、宇和島市にて、

私のセミナーによく足を運んでいただく
介護経営者様と打合せ。

夜は、地域の方を交えた懇親会です。
(楽しみです^^)

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。