[ケアビジネスSHINKA論 Vol.810]

新規事業を開始or事業のスピード感を高める際に重視すべきこと。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

関東甲信越もいよいよ梅雨明けしましたね。

ここから更に暑くなるかもしれない今年の夏、

皆様、熱中症等に気を付けながら、

くれぐれもお身体には気を付けてお過ごしください。

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■新規事業を開始or事業のスピード感を高める際に重視すべきこと。
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●先日、九州地区の介護経営者A氏から今後の経営の在り方についてご相談をお受けしていた際、私自身の経験含め、ふと思うところがあり、その想いをお伝えさせていただいたところ、「その言葉、妙に心に沁みます」という、とても示唆深い言葉をいただきました。今日は、その時にお伝えさせていただいた内容を皆様にお伝えさせていただきます。ビジネスを推進する際に重要な“仲間づくり”を行う上での、持つべき重要な視点についてです。

●A氏は現在、自社のノウハウやアイデアを活用した新たな事業展開を計画しており、そのために現法人とは違う別会社を一つつくろうとされていました。そして、その動きを進めるにあたり、自分のビジネスプランに対して「これは面白い」と評価をして下さっている、知人の紹介で知り合った別の経営者がいらっしゃり、彼と会社をつくろう、と盛り上がっているものの、どうも100%気分が前のめりにならない、というのです。私はその彼女の言葉に直感を覚え、その想いを口にしました。
「Aさん、今のあなたは、一緒に会社をやる“仲間になれるどうか”“チームになれるかどうか”という、とても重要な判断を、“メリット・デメリット”というものを第一優先順位として決めようとされていませんか?間違いであれば申し訳ないのですが、私にはそう聞こえてなりません」

●話をする私の顔をじっと見つめ、その後、視線を下にずらしたA氏は、しばしの沈黙の後、次のようにおっしゃいました。「何となく言われている事は分かる気がしますが、でも、一方で、ビジネスだからそれは当たり前じゃないか、という感覚もあります。もう少し詳しく原田さんの意見を教えて下さい」

●「あくまで私自身や周囲の経験から来る、個人的見解として聞いて下さいね」前置きをしながら、私は話を続けました。「新しいチャレンジを行うにあたり、自分が持っていない能力が必要となり、それを補ってくれる方と事業を共にしたい、そして、自分だけでは辿り着くはずもない場所まで歩を進めたい、という想いを持つのは、事業家としては或る意味、自然なことと言えるかもしれません。そして、その想いのもと、その、自身とは別の能力をお持ちの方と“チーム”を組もうとする。しかし、この段階で、特に進化志向の経営者が陥りがちな盲点があるように思います。それは、その方と組む“メリット・デメリット”ばかりに目が行き、仲間となる上で最も大切な“ビジョンの共有”や“信頼関係”が後回しになってしまうことが往々にして発生してしまう、ということです。社長が今、感じていらっしゃる心の中の違和感は、正にそのような感覚が理由なのではないでしょうか?“何となく違和感を感じているけれど、この人と組んだら面白くなりそうだし、決して悪い人ではないし、、、”という感覚で、その違和感をごまかそうとしていませんか?その違和感は間違いなく未来には益々膨れ上がり、関係を壊しかねない原因になる可能性が高い。何故なら、その言葉で表現しづらい“何か”こそが社長の“本音”を表していると私は思うらです」ギクッとした表情を見せたAさんは再び沈黙。その後、しばらくして、冒頭の言葉が飛び出した、という訳です。

●「“何をやるか”より“誰とやるか”の方が大事」。よく言われる言葉ではありますが、正直なところ、若い頃の私は、この言葉の持つ本当の意味がよく理解出来ていませんでした。が、様々な経営者の話を聞かせて頂いたり、自分自身もそれなりに経験を重ねてきた今、この言葉の持つ意味や重要性はよく分かる気がしています。当初描いたビジネスプラン(=何をやるか)というものは、そのままではうまく行かないことも当然のように出てきます(と言うか、一般的にはそうなる方が確率論的には高い気がします)。そして、そうなった際に軌道修正し、新たな成長軌道を描けるかどうかは、その一緒にやっているメンバー同志が真に“ビジョン”を共有し、互いに“信頼関係”で結びついた関係になれているかどうか、という、極めてアナログな要因こそが成否を分ける大きな要因になってくるのではないでしょうか。そこを突き詰めずに事業を開始してしまうと、後々、事態がより複雑になってしまい、ビジネス推進上全く“不要”としか言いようがない、無意味なストレスを感じてしまったり、或いは、関係を始める前の元の状態に戻そうと考え、そこに相当なエネルギーを費やさなければならなくなってしまうことも多いのでは?と私は思います。

●今、未来に向けて様々なアイデアを練り、新規事業を起ち上げる為に、新たなメンバーとタッグを組むことをお考えの方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は是非、盛り上がっている自分とは別の上記視点で、あらためて相手と自分の関係を客観視見てみる事を強く、強くおススメします(或いは自らだけでアセスメントするのではなく、パートナーとなる方とこの視点を共有し、しっかりと議論してみることも悪くないかもしれません)。ひょっとすると、そのプロセスを経ることで一段高いレベルからスタートアップを開始する事が出来るようになり、スッキリした気持ちで事業に邁進出来るようになる(=成功する確度が高まる)かもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、都心でデスクワーク&打合せ。

その後、明日の出張地、愛媛県宇和島市へ向けて、

先ずは松山まで移動します。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。