[ケアビジネスSHINKA論 Vol.3139]

トイレの行列問題

おはようございます、金曜日担当の尾添です。

本日のテーマは、ズバリ「トイレ問題」。
「メルマガでトイレ?」と思われたかも知れません。
でも、この問題は国土交通省で熱く議論されている、立派な「国策」なのです!

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■■ トイレの行列問題
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◆思い出してみてください。
イベント会場や観光地で、特に女性用トイレの前に伸びる、あの絶望的な行列。
男性側はスイスイ流れているのに、女性側だけが止まっている。
この状況を「男女平等という名の不平等」が引き起こしている問題だと国が認め始めている
のです。

◆具体例をもって説明します。
これまでの公共施設は「男女の面積を同じにする」のが一般的でした。
でも、よく考えてみれば女性は必ず個室。
滞在時間も男性に比べると長い。
「床面積が同じなら、便器の数は女性の方が少なくなる」これでは渋滞して当たり前です。
こういった状況が、男女平等という名の不平等。
そこで国交省は、「女性側の個室数を男性の小便器+個室の数と同数以上、あるいは1.5倍
を目指す」という新指針を打ち出しました。

◆もう一つ、私たちの業界にも関係の深い話があります。
それは「多機能トイレ(車椅子マークのトイレ)」の行列です。
あ困っている方に必要なツールを、その多機能トイレの中に全部詰め込みすぎた結果、ある
調査では、車椅子ユーザーの7割が「待たされて困った」経験を持っているのこと。
手すりを必要とする高齢者、オストメイトの方、オムツ替えしたいパパママ、果ては着替え
をしたい人まで、全員が1つの個室に集中します。
これに対し、国は「機能を分散させよう」と考え始めています。
・一般の個室を広くして手すりをつける
・オストメイト専用を別に作る 他
これまで多機能トイレだけに求めていた「何でも屋」を卒業して、トイレ全体として本当に
必要とする人がサッと使える環境を目指しているのです。

◆ここから介護業界のことを考えてみます。
私たちは、入居者や利用者さんが日常生活をアクティブに過ごせることを願います。
でも、外出先のトイレが行列だったら?
使い方が難しくてパニックになったら?
異性介助しようとする家族が、どっちのトイレに入ればいいか迷って白い目で見られたら?

◆そもそも高齢者になると、自宅以外でのトイレ利用を好まない人が多くいます。
失敗したらどうしよう…そんな切実な思いも。
そうなると、高齢者はどうするか。
「水を飲むのを控える」か、「外出そのものを諦める」かの二択が思い浮かびます。
私たちがどれだけ室内でリハビリを頑張っても、社会との繋がりが絶たれてしまいます。

◆トイレは、単なる排泄場所ではありません。
・自分で排泄したい
・安心して出かけたい
そんな心の声を大切にして応える「社会参加のインフラ」なのです。

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高齢者だけではありませんね。
障がい者、小さな子供、妊婦さん、子供を抱えたお母さん、そして外国人旅行者など。
みんなにとって日本のトイレはインフラです!

参考
国土交通省「トイレ設置数の基準と適用のあり方に関する協議会」(2026年資料あり)