おはようございます、金曜日担当の尾添です。
みなさん「つながらない権利」論争をご存じですか?
権利とかハラスメントとか、様々な言葉が出てくる中で、この権利は今後の介護事業現場にも
大いに関係してくる可能性があります。
嫌な予感がするかも知れませんが…先ずは知ることから。
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■■つながらない権利
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◆「つながらない権利」とは、労働者が勤務時間外や休日に業務上のメール・電話・チャット
などの連絡への対応を“拒否”できる権利のことです。
調べてみると2017年にフランスで法制化されたのを皮切りに世界各国で法整備が進み、日本
でも約40年ぶりとなる労働基準法の大幅改正の議論の中で、同権利に関するガイドラインの
策定が検討されてきたようです。
しかし、2025年12月に翌年の通常国会への法案提出が見送りとなったまま、現在に至ります。
◆なので現時点で明確な法律は成立していません。
国では何が話し合われているのかといえば、
・勤務時間外の連絡の扱い?
・休息時間の確保
・デジタル連絡による拘束
など。
方向として「勤務外は切り離す」が基本ですが、一律に連絡禁止になるわけではありません。
◆労務の観点で言えば、現行でも例えば休日に連絡する場合、
・即時対応を求めている?
・返信しないと評価に影響する?
・常に確認を前提にしている
といった場合には労働時間と判断される可能性があります。
「休みの日でもグループ連絡は必ず確認」?
「既読がつかないと怒られる」
こうした運用は、実態として“拘束”と見られるリスクがあります。
ネットを検索して出てくる実例を見ると…冷や汗が出てきます。
◆介護事業の場合、難しさがあります。
利用者対応は止められないからです。?
・即時判断が必要な場面が多々ある?
・人手不足で余裕がない
こういった現実があり、理想論だけでは現場が回らない業界なのです。
労働基準法の厳格化が進む中で、従来の曖昧運用はリスクが高まるばかり。
この板挟みです。
◆世の中の流れを冷静に受け止め、今後必要となる対応について考えると、取り急ぎ以下の
ような対応が必要です。
①勤務外連絡のルール化(任意か義務かを明確に)
②緊急時の線引き(誰が判断し、どこまで対応するか)
③対応時の扱い(手当・当番・時間管理)
④連絡を減らす設計(事前共有・判断基準の統一)
◆嘆いてばかりはいられません。
これから規制強化されるであろう方針を踏まえて、
・業務の無駄の洗い出し?
・負担の偏りの是正?
・組織としての運営力向上
などキッカケにつなげる必要があります。
制度が正式に変わる前から、運用を整えている事業所ほど影響は小さいはず。
◆ 「つながらない権利」は現場を縛る話という側面ばかりではなく、事業者の運営の質を
問われるテーマです。
曖昧さを残したままにするか整理するかで、今後の事業の安定性は大きく変わります。
社労士など専門家に相談しつつ、自社・事業所のルールを見直してみる必要があります。
加えて重要なのは、「現場は対応して当然」という前提や風土を改めていくことなのかも
知れませんね。
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余談
正直なところ、ここまで配慮しながら現場を回すのは簡単ではありません。
人手は足りず、利用者対応は待ってくれない中で、ルールだけが先に整っていく。
「それでも回せる設計にしなさい」と言われればその通りなのですが、 現場を抱える側と
してはため息の一つも出るのが本音です。
でも、今のままではダメなことも理解しているし。。
悩みながら対応を進めていきましょう。