「マネジメント層に上がりたいと思う介護人財がなかなか出てこない・・・」 そう思っている方に、ちょっとした取り組み方の工夫をお伝えします!

「私は管理者になりたくてこの会社に来たわけではありません」
これは、実際に介護施設の施設長が、スタッフから言われたことです。
もしかしたら、同じ境遇の方もいるかもしれません。人材育成において、新入社員へスキル向上を教えることも大切ですが、実はリーダー層への教育が行き届いていないのが現状です。

そこで、年間150日以上の研修・セミナーを実施し、多くの介護事業所から相談を受けてきた経験から、マネージャー層への人材育成で疲れている経営者にとって知っておきたい「マネージャー層への人材育成の取り組み工夫」についてご紹介させていただきます。
是非、自社への活用を検討してみてください。

●先日、近畿地区の介護経営者と人財育成について意見交換をさせていただいた折、「現場職員の中で、(リーダー等の)マネジメント層に上がりたいと思う人財がなかなか出てこなくて困っている」という、正に“介護現場あるある”の話をうかがいました。ホント、悩ましい問題だよなぁ、と共感しつつ、以前にとある介護事業者(A社)が取り組まれていた事例をふと思い出し、お伝えさせていただいたところ、「うちでも取り組んでいますが、あらためて考えてみると、そういう視点で見た事はなかったかもしれない。何だかちょっと新鮮です」という、とても嬉しい言葉をいただきました。その時にお伝えさせていただいた内容をご紹介させていただきます。“バディ制度”についてです。

●ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、“バディ制度”とは、「ひとりの先輩社員がひとりの新入社員の教育担当としてあてがわれ、社内ルールをはじめ、職務指導などを行う」制度を指します。「メンター(指導者)制度」「エルダー(先輩)制度」等とも呼ばれますが、A社では“よりフラットな関係のイメージ”を大事にしたいと考え、敢えて“バディ(仲間)制度”と名付けていました。

●“バディ制度”は一般的には、「入社して間もない新入社員を支えることで、会社に定着してもらう」事に主眼を置いて推進している企業が多いような印象を受けます。が、A社はこの目的に加え、先輩社員に「“人と関わり、人を育成する”楽しさを感じてもらう」事にも相当の重きを置いていました。

●「そんなの、うちの会社でも同じだよ」「当たり前だよ」そんな風に思われる方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし、その“目的”が異なれば、運用方法にも当然、違いが出てきます。A社では、以前にも話題として挙げさせていただいた“今週の気付き(http://carebp.com/magazine/991/)”と同様の手法を使い、週に一度、新入社員から先輩バディ宛に“今週の気付き”を送ってもらい、先輩バディからのフィードバックを(先輩バディの)直属の上司は勿論、経営陣も確認しながら、時には社長自らも先輩バディの頑張りに対して評価・賞賛を直接送る等の行動を起こし、“大変な部分もあるかもしれないけれど、人の成長に携わるのは楽しいし、自らの成長にもつながる”という意識につながるよう、工夫をされているとのことです。

●「まだ始めたばかりですので、偉そうなことは言えませんが、でも、この事を継続していくことで、“人の成長に携わる”マネジメントという仕事に少しでも関心を持つ人を増やしていきたいと思っています」控えめな口調でお話されていたA社社長の言葉がとても印象的ですが、“継続は力なり”、適切なアクションを続けていけば、何らかの成果が必ず返ってくるのではないでしょうか。

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いかがでしたでしょうか?
恐らく同様の悩みを抱えていらっしゃる経営者の方も多いのではないか?と思います。もしそうだとした場合、A社の取り組みを参考に、「自社ではどんな工夫が出来そうか?」一度、お考えになってみては如何でしょう?ひょっとするとそこに、新たなブレイクスルーが見えてくるかもしれません。

※上記内容は、毎日平日7時にお送りしているメルマガ「ケアビジネスSHINKA論」からの抜粋です(バックナンバーはこちらから)。
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