[ケアビジネスSHINKA論 Vol.856]

現場マネジメントを考える上での示唆。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

先週末に行われた“規制改革推進会議”において、

“介護サービスの多様化”というコンセプトのもと、

“混合介護”を重点議論テーマのひとつとして据えること
が正式に決まりましたね。

分かってはいるものの、

正式に決まるとやはり、その“重み”を感じます。

関心をお持ちの皆様は是非、お目通し&ご確認
されることを強くおススメします。

規制改革推進会議

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20161006/agenda.html

では、本日のメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■現場マネジメントを考える上での示唆。
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●先日、現場とマネジメント層との関係構築について首都圏地区の介護経営者と意見交換する機会があり、最近、つとに有名になっている、とある企業の取り組みをご紹介させていただいたところ、「何だか気持ちがざわざわしてきました」という、とても興味深い反応をいただくことが出来ました。今日は、その時の内容を皆様にもご紹介させていただきます。ハーバード大学のMBA(経営学修士)でもケーススタディとして取り上げられ、賞賛されている企業“テッセイ”の「7分間の奇跡」と呼ばれる事例についてです。

●「あんなところに行くのか、、、、」2005年、全く畑違いの清掃会社の取締役に就任する事になった時、矢部輝夫氏は思わずそんなふうに思ってしまったそうです。テッセイ(当時、鉄道整備株式会社)のメイン業務は、終着駅である東京駅に到着した新幹線の車内清掃。もともと安全対策の専門家としてJR東日本の要職を歴任してきたキャリアを持つ矢部氏からすれば、思わず前述のような感覚を持ってしまうのも無理はないことなのかもしれません。しかし、サラリーマンとしての集大成にもなる最後の職場、「どうせやるなら、楽しい会社にしよう」と思い直し、“テッセイ”の仕事に臨み始めたそうです。

●就任当初、現場を徹底的に見て回った矢部氏が肌で感じた事は、スタッフの間に「自分たちは所詮清掃スタッフ」というセルフイメージが蔓延していた事。清掃業務自体には非常に真面目に取り組んでいるものの、「いわれたことをやりさえすればよい」という会社の管理体制が彼らのやる気を削いでいました。「どうすれば彼らの考え方を180度変える事が出来るだろう」そう考えた矢部氏は、先ず、新幹線清掃という仕事の価値を“再定義”することから始めたそうです。「失礼だが皆さんは、社会の川上から流れ着いて今、テッセイという川下にいる。でも、川下と卑下しないでほしい。皆さんがお掃除をしないと新幹線は動けないのです。だから、皆さんはお掃除のおばちゃん、おじちゃんじゃない。世界最高の技術を誇るJR東日本の新幹線のメンテナンスを、清掃という面から支える技術者なんだ」

●更に、矢部氏は現場のメンバーと距離を縮めるため、なんと、自らの席を本社ではなく、新幹線のプラットフォームの下に置くことを決断。日々、現場のメンバーと一緒に過ごしながら、「待機場に石鹸がない」「エアコンがない」等のスタッフからの声を一つ一つ実行に移し、目に見えるような形で職場を“革新”させてていったそうです。「自分達が提案したことを矢部さんは実現してくれる」矢部さんとの距離が縮まることを実感したスタッフは、いつしか矢部さんの事を信頼し、更には自らの仕事を“より良いもの”にするために、「どんな清掃用具が良いか」「ホームにいる乗客に清掃を目で楽しんでもらうにはどうしたらいいか」等々、様々なアイデアをスタッフ自らが生み出していったそうです(浴衣を着たりアロハを着たり、清掃終了後、帽子を取って整列して一礼、等は、全て現場からのアイデアなのだそうです。頻繁に新幹線を利用する私としては、“7分間の奇跡”と呼ばれる清掃の手際の良さは勿論、“整列・一礼”にとても興味を持っていたので、本当に“驚き”でした)

●この事例、同じ“リーダー”という責務に就いている我々に対し、シンプルだけど力強い“何か”を示唆してくれているように思います。興味をお持ちいただいた皆様は更に突っ込んで情報を収集し、“テッセイ”をテーマに、一度、社内で議論してみても面白いかもしれませんね。

(参考文献(おススメです!))
「ハーバードでいちばん人気の国・日本(佐藤智恵著・PHP文庫)」
「奇跡の職場 新幹線清掃チームの“働く誇り”(矢部輝夫著、あさ出版)」

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日も、午前・午後と、青年経営協の皆様へ向けた
研修講師を務めます。

参加者から前向きなオーラがビンビン伝わってくる
本研修、

2日目の今日もそんなオーラのまま盛り上がっていける
よう、

私自身、楽しみながらも気合を入れて臨みます。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。