[ケアビジネスSHINKA論 Vol.791]

他業界の買収劇を見てあらためて感じた事。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

週末は、息子の小学校入学の為に必要、

とのことで、写真館で家族写真を撮って
きました。

スナップショットは山ほどあれど、

正式な写真館で家族写真を撮ったのは3年ぶり。
(=幼稚園の入園時)

3年前の写真と比べ、

“骨太”

になった息子の成長にあらためて驚きと嬉しさを
感じると同時に、

「はて、自分はこの3年間でどれだけ成長したんだろう?」

という想いが頭に浮かんできました。
(自分に矢印を向けるのがクセなもので)

ふとそんなことを想い、苦笑いしつつ、

この3年間でも大きな成長をしてきた(はず)、

ここからも息子に負けない(?)ように、

私自身、もっともっと加速度的に成長したいな、

と、想いを新たにした、そんなリフレッシュ感
満載の一時でした^^

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
■■
■■他業界の買収劇を見てあらためて感じた事。
■■
───────────────────────────────────

●先月末、突如発表された、吉野家ホールディングスによるラーメン店“せたが屋”の買収。都心の、しかも、ラーメンフリークでない方はあまりご存知ないかも知れませんが、介護業界に特化する以前、外食業界に深く携わり、ラーメン店の全国展開支援も手掛けた事がある私としては、この“せたが屋”は非常に気になる企業の一つでした。また、日中は塩ラーメン専門店の“ひるがお”として、夜は高知・土佐清水の鰹節を使った醤油ラーメンの“せたが屋”として店舗をオープンする等、見事な“二毛作”事業を展開している点等についても以前より着目しており、最近のセミナーの中でも“我々介護事業者にもヒントになるような発想ですよね”等と紹介したこともあります。

●そんな中、何故、吉野家からの買収を受け入れたのか。吉野家側の狙いはよく理解出来るものの、せたが屋側の思惑が今一つイメージ出来ていなかったのですが、そんなことをぼんやり考えていたところ、“せたが屋”創業者の前島司氏のインタビュー内容が盛り込まれた記事が私の目に飛び込んできました。

※吉野家、有名ラーメン「せたが屋」買収の思惑
~ミスターラーメンと牛丼のコラボの行方は?~

http://toyokeizai.net/articles/-/125526

今日は、この記事を読んで私があらためて感じた事・気になった事をお伝えしたいと思います。誰もが頭で理解しているであろうものの、いざ、事態が目の前で起こると、つい盲目的になり、致命的な過ちを犯してしまいかねない“M&Aの罠”についてです。

●ちなみに今回のM&A、一節には「業績が厳しかったのでは?」という憶測も出ていましたが、創業者の前島社長はこれらの意見に対し、次のように否定しています。「創業以来15年間、売上高は前年対比を割り込んだことはありません。緩やかではありますが右肩上がりで成長してまいりました」

●では、何故買収提案を呑んだのだろう?と思ったところ、次のようなコメントが続いていました(以下、記事より抜粋(一部、換骨奪胎あり))。

「社会背景や市場環境の目まぐるしい変化の中で、人材、財務力、ガバナンス強化など、成長するためのリソースが必要であった。また、(既存店として1200店舗を展開する吉野家との共同調達等により」食材調達のスケールメリットや仕入れ先の新規開拓も期待できる」

「大企業の傘下に入ることで、せたが屋社内の労務環境を改善し、従業員満足度を上げたい」

「吉野家HDのもつ海外アライアンスや資金により、ASEANや米国へ積極的にグローバル展開していく」

即ち、「企業としてのより大きな成長・発展を実現するため、敢えて大企業の傘下に入り、その巨大な力をフル活用するため」の打ち手だった、ということなのでしょう。

●M&A、と言うと、何となく、“弱者が強者に吸収合併される”という印象がどうしてもついて回ります。が、“せたが屋”のように、今後の成長戦略を実現するため、企業として一回り大きくなるために、弱者自らが“M&A”という手法を(過去の常識で言えば逆説的に)活用する、という発想もある。この発想、非常に興味深いと思いませんか?(実際、有り得ないぐらいの利益を叩きだしていたにも関わらず、将来の環境変化を見据え、同様の発想で某医療法人グループに戦略的に“身売り”した介護事業者もいらっしゃっています)

●他方、今回の記事を見ながら、(誠に勝手ながら)心配事も頭の中に浮かんできます。そ
れは、「例えビジネス上において大きなメリット・相乗効果を生み出せる可能性があったと
しても、企業としてのビジョンや実現したい未来が真に一致しないM&Aは、十中八九、途
中で破たんする可能性が高い」という、私自身の経験則からくる危機感です。特に、大企業
対中小企業、プロ経営者対クリエイター的経営者、というような場合は、そのようなリスクが殊更高まる可能性が高い。そのような危険性がある場合には、一足飛びに大比率の株を譲渡するのではなく、先ずは協力会社としての提携関係から始めたり、資本参加についても小比率から始める等、「本当に互いにパートナーとしてやっていけるのか?」を見極める時間を一定程度持つことが重要なのかもしれません。

●勿論、直接、“せたが屋”の創業者のことを存じ上げている訳でもありませんし、両社間において様々な議論・検証を行った上での決断だと思いますので、私が感じていることは、ひょっとするとごく表面的な事、或いは、“そんなの分かり切っている”“低次元な”視点なのなのかもしれません。しかし、実際、目先のメリットに目がくらみ、何とかなるはずもないものに対して“何とかなる”“何とかしてみせる”と、自らの心の奥底にある気持ち悪さ・モヤモヤを残した(ごまかした?)まま大きな決断をしてしまい、結果、数年後に関係が破綻する(or表面的には破綻していなくても実質的な破綻を起こし、組織がガタガタになってしまう)、なんていう事例は、枚挙に暇がないのも事実です(M&Aを専門にしていない私ですら、幾つか目にしたことがあります。結局、最後に決断するのは“人”なのだ、ということなのかもしれません)。

●今後、介護業界においても“M&A”という手法は今以上に頻繁に実施されることになるでしょうし、現時点においても“売りたい”“買いたい”という考えをお持ちの方も既に一定数いらっしゃることと思います(事実、現時点においても、このメルマガを通じ、第三者的なアドバイスを求めて、私や弊社にM&Aのご相談をしていただく(買いたい・売りたい)事業者様もいらっしゃっています)。M&Aは、使い方によってはプラスにも、或いは、取り返しのつかないマイナスにも振れる可能性を持った“諸刃の剣”です。是非、活用をご検討されている方は、今回のような事例に敏感になり、自分なりに“メリット”“デメリット”をケーススタディ的に考える習慣を持つようにしてもいいかもしれませんね。(また、必要であれば、我々で宜しければ、いつでもご相談下さい。お話をうかがい、皆様側の視点に立った上で、皆様の感性に合うM&A仲介企業様を吟味してご紹介させていただきますので)

───────────────────────────────────

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、福岡県北九州市にて打合せ。

弊社の持っているネットワークをフル活用し、
(僭越ですが、かなりの“手練れ”が揃いました^^)

“理念を組織の内・外(地域etc)に伝える”

“目標とする採用・定着レベルの実現に貢献する”

ことを主眼に置いたホームページの大規模なリニューアル
を開始します。
(出来上がり次第、皆様にもご報告させていただきますね^^)

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。