おはようございます、金曜日担当の尾添です。
早いもので、もう10月ですね。
さて先日、厚生労働白書の最新版(令和8年版)が公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/
ボリュームはありますが、AIのおかげで読み込みが本当に楽になりました。
その中で、誰にも関わり、個人的にも見逃せない数字を取り上げます。
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■■ 令和8年版 厚生労働白書
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◆今回の最新版白書において目に留まった数字があります。
607ページ「介護保険制度の現状と目指す姿」の項目において、私たちが納める介護保険
料(全国平均)が、2040年に約9,200円になる見込みとあります。
制度創設時は3,000円程度で、現在(2024?26年度)は6,225円。
26年で2倍強まで上がり、その先の15年でさらに約1.5倍になる公算。
◆「2040年問題」とも言われるその年には、団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢化
率は34.8%との予測。
85歳以上が急増し、介護費用は2024年度の約12.1兆円から約25.8兆円に達すると白書
は見込みます。
一方、支え手である現役世代は減ります。
先述の保険料は、現行制度においては人口構造に裏打ちされた数字です。
つまり9,200円は「高くなるもの」というより「高くなるしかないもの」だと言えます。
◆個人(納付者)的な感想はさておき、介護業界に身を置くものとして、どう捉えるべき
でしょうか。
まず気になるのは「財源の歪み」です。
給付費を支える保険料の内訳は、厚労省の令和6年度予算によると、65歳以上が23%、
40?64歳が27%。
伸びる需要と減る支え手の非対称が、今後の報酬水準にも大きく影響します。
◆制度改定の先行指標としても見逃せません。
白書は、2025年12月の「介護保険制度の見直しに関する意見」の取りまとめと、2026年
6月の関連改正法の成立を記しています。
次期第10期計画(2027年度?)と2027年度報酬改定の方向性は、ここに現れています。
そして大きな関心ごとである報酬制度の方向性。
本年の白書特集は「これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える」です。
その内容を読むと、人材・生産性・DXこそが次期改定で評価されやすい領域という合図
を感じます。
◆「保険料の上昇=介護需要の拡大」とはなりません。
払う人は減り、財源は硬直する。
事業者が追うべきは「需要」ではなく、むしろ制度の「支払能力」です。
単価と稼働の計画は、その前提で組み直す必要があります。
◆来年に迫る報酬改定を前に、関連ニュースをよく目にするようになりました。
その内容に一喜一憂、でも今回取り上げた介護保険料の実情をするだけでも決して楽観
などできません。
それでも介護・福祉は社会の根幹を支えるサービスの一つであり、引き続き制度により
守られる部分は大きいと思います。
ただし全員ではない。
メルマガでもよく取り上げている生産性向上やDXの推進、また利用者負担(応能負担)
の議論の進み方などは日頃からアンテナを高く張り巡らせて情報をキャッチアップしな
ければいけません。
これまでさほど気にすることが少なかった「利用者の支払能力」への意識も必要になる
かも知れません。
◆必要な費用、問題はそれを誰が払う(負担する)のか。
大きな転換点を迎えようとしています。
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SNSやメディアにおいては、どの制度がどう変わるなど、ミクロ視点での取り上げが
目立ちます。
大抵は「厳しくなる」「負担が重くなる」論調であり、業界団体も敏感に反応します。
でも時に、今回のような白書が公表されたタイミングなどマクロ的視点をもって業界や
社会を見直すことも重要です。
出典:厚生労働省『令和8年版 厚生労働白書』/同「介護保険にかかる総費用の推移」