財政制度分科会の資料を読む。

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株式会社ケアビジネスパートナーズ代表・介護経営エナジャイザー 原田匡が
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、

株式会社ケアビジネスパートナーズの
原田匡です。

さて、501回目は、

久しぶりに行政関連の情報を共有させて
いただきます。

既に目を通されている方もいらっしゃる
かと思いますが、

4月27日に開催された、

財政制度分科会の資料です。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427.html

昨年10月6日に開催された同分科会に
おいては、

「介護サービス全体の平均収支差率は+8%程度と、
一般の中小企業の水準を大幅に上回る。

介護職員の処遇改善加算などの充実を図る一方で、
介護報酬基本部分に係る適正化(少なくとも中小企業
並みの収支差となる▲6%程度の適正化) が必要」

「さらに今後高齢者が増加(市場が拡大)する中で、
規模の経済によるコスト低減が見込まれることも
踏まえれば、

収支差率を中小企業の水準より低い水準とすることも
検討すべきではないか」

中でも社会福祉法人、特別養護老人ホームに関しては、

「今後は内部留保が蓄積しない水準まで介護報酬水準を
適正化することが必要」

「社会福祉法人の会計においても減価償却費を計上して
いるため、

建替えに必要な現金は、収支差がゼロであっても蓄積する。

したがって、

“建替えのために内部留保が必要”

との議論は妥当でない」

「施設の増築のために必要な資金については、

補助金に加え、低利の借入れ等による調達も可能で
あり、

“内部留保がなければ増築できない”

との議論は妥当でない」

等々の厳しい論説を展開し、

事業者の不安を増幅させたことは、

今なお、記憶に新しいと思います。

2015年4月の法改正の内容と昨年10月の同分科会の
指摘事項を比較すると、

同分科会の指摘がそっくりそのまま反映
された訳ではありませんが、

バックボーンに流れるコンセプトとして
少なくない影響があったこと、

及び、マクロの意味において、

彼ら(財務省)が描いたグランドデザインに
基づいた実行フェーズが展開されていること、

はしっかりと認識をしておく必要があろうかと
思います。

その意味でも、

次回以降の変遷の方向性を示唆する、

という点において極めて要注目の分科会
ですが、

特に、介護事業者として、

このタイミングで我々が認識すべき
内容としては、資料

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427/01.pdf

のp20~p27に書かれたものでしょう。
(数字はPDF内のページ番号です)

そこには、大きく分けて、次の4点が示されて
います。

「軽度者に対する生活援助は、

日常生活で通常負担する費用であり、

原則自己負担(一部補助)の仕組みに切り替える
必要(あり)。

また、2015(H27)年度から地域支援事業へ移行した
予防給付(訪問介護・通所介護)についても、

同様の観点からの見直しを行う必要(あり)。」

「軽度者の福祉用具使用は日常生活で通常負担する
費用と考えられ、

また、軽度者の利用割合の高い住宅改修は個人の
資産形成そのものであり、

原則として自己負担(一部補助)する制度に切り替える
必要があるのではないか」

「軽度者に対するその他の給付(例:通所介護)に
ついては、

地域の実情に応じたサービスを効率的に提供する観点
から、

柔軟な人員・設備基準として自治体の裁量を拡大し、

自治体の予算の範囲内で実施する枠組み(地域支援事業)
へ移行すべき。

その際には、メニューの統合等により、

簡素で分かりやすい体系とすべき。」

「診療報酬本体・介護報酬についても、

高齢化等によって医療機関・介護事業者の収入総額
(=医療費・介護費)が増えていく中、

保険料等の国民負担の上昇を抑制する観点から
マイナスとする必要(あり)」

そして、上記視点を正当化(?)するかの
ように、

介護に社会保険制度を採用している主な国と
して

“ドイツ”

“韓国”

の名を挙げ、

同国と日本の仕組の比較を行っています。
(昨年10月6日でも活用されたロジックです。
だからどうなんだ、日本は日本じゃないか、と
つい言いたくなりますが(苦笑))

私自身、昨年度までのセミナーにおいても、

2015年4月の改正解説と共に、

「今回は予防給付の一部サービスの地域移行だが、

未来は軽度者(要介護2以下)までの地域移行が
実行されることを視野に入れるべき」

「福祉用具や住宅改修については、更にメスが
入る可能性があることを踏まえて今後の対応を
検討すべき」

ということについて言及してきましたが、
(軽度者の生活援助の原則自己負担化や軽度者向け
通所介護等の完全地域支援事業予算運営については、
財務省の意向は認識しつつも、まだ何とも言い難い
状況だと認識しています)

新年度開始早々、

あらためてこのような資料が用いられた、

ということは、

「まだまだ、ここからが改革のスタートだよ」

「ここからが本番なんだよ」

という財務省からのメッセージではないか、

という気がしてなりません。

ともあれ、

情報をいち早くキャッチし、

そこから読み取れる未来図を予測し、

然るべき打ち手をイメージ・準備しておく。

それが、

“介護保険経営”

の鉄則です。

その意味でも是非、

本資料について目を通し、

自社の今後の打ち手について幾つかのイメージを
持っておくことを強くおススメします。

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は都心で打合せ及びデスクワークです。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。

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