奇跡の皆勤賞!~あるご利用者との関わりから(全編)~

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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。

昨日は、

私のコンサルティングの仕事に関する
考え方やスタンスについて触れさせて
いただきましたが、

今日は私たちのデイサービス

“あずゆあはうす”

に通って下さっていた、

ある、ご利用者との触れ合い(物語)を
皆様に共有させていただきます。
(今回で第四弾です)

タイトルは、

“奇跡の皆勤賞!”。

何か皆様のお役に立てれば、

という気持ちと、

私が事業所をほぼ留守にしている間、

“あずゆあはうす(As Your House)”

という名前にかけた想いを体現しようと

日々、ご利用者やご家族と真剣に向き合い、

一生懸命ケアに取り組んでくれている全ての
社員への感謝とエールの気持も込めて、

お伝えさせていただきます。

※かなりの長文なので、今日と明日に分け
させていただきますこと、何卒ご容赦下さい。
ただ、分けても長文ですが(汗)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あたしはね、こんなところ、来たくて
来てるんじゃないのよ!」

きっぱりとそう言い切ると、ズンズンと
ものすごい勢いで歩いていくサトさん(仮名)。

スタッフの制止も声掛けも、まるでサトさんには
届きません。

車の多い通りに差し掛かるので、安全のために
スタッフも必死で追いかけ、ぴったりとサトさんに
寄り添うと、

「何なの!? 付いて来ないでください!」

さらに振り切るようにして、赤信号も無視の勢いで
歩いて行かれます。

それは、とても100才近いお年寄りのものとは
思えない、

まさに猪突猛進の足取り。

若いスタッフのほうがゼーゼー、ハァハァ。

1キロ以上も先にある競馬場くらいなら、
毎日当たり前のように歩いて行かれるのでした。
 
また別の日。その日は、あずゆあはうすのみんなで、
近くの公園までピクニックに出かける日です。

しかし、目的地に到着したと思ったら、サトさんが
一人、もと来た道を歩いて帰ろうとします。

「あっ! サトさん、サトさん!ちょっと待って
ください! サトさ~ん!!」

あわてて後を追うスタッフ。

(あぁ、せっかくここまで来たのに・・・)

「サトさん、サトさん、今日はピクニックですよ。
行きましょうよ!」

「あたしゃ、こんなところに連れてこられるような
覚えはないね!」

「そんなこと言わず、みなさんのいるところに
戻りませんか?」

「来ないでちょうだい!」

まるで鬼ごっこのように追いかけて引き止め、
振り切られては追いかけるの繰り返し。

挙句の果てにサトさんは電信柱にしがみついて、

「へんな男の人がいるんです~~~!!助けて~~!!」

と叫ぶのです。

周囲の人たちのいぶかしげな視線に、

たまらず男性スタッフは、あずゆあはうすの
ネームプレートを見せて、

職員であることをアピールします。

それでも動かないサトさんに業を煮やし、

結局、

別のスタッフに電話をし、車でお迎えに
来てもらってあずゆあはうすに戻ることに
なりました。

「あぁ、明日、火曜日だ・・・。サトさんが
来る日だ・・・」

「今日はサトさんが来る日だから、誰かが外に
行かなきゃね・・・。はぁぁ・・・」

サトさんが来るのは週に1日だけなのに、

その日になるとスタッフの気持ちが沈むのが
手にとるように分かります。

お昼までここで過ごし、

ご飯まで食べることができたら上出来。

たいていは、まともに室内で過ごすことなど
ほとんどなく、

飛び出すように歩いていくサトさんに、誰かが
付きっきりになります。

サトさんを一人にしたら危ない。

危ないから、どこかに行こうとする気配を感じると、

つい

「サトさん、どうしました!?」

と呼び止める。

行動を静止する。

とっさのことだから、ついつい大声で話しかける。

こっちを向いてほしいから、何度も呼びかける。

たくさんの人がいて、ざわついた室内。

バタバタするスタッフ。

ワサワサするのが大嫌いなサトさんにとっては、

「こんなとこ、来たくて来てるんじゃないんだ!」

と叫びたくなるのも、仕方なかったのかもしれません。

しかし、スタッフが必死になればなるほど、

サトさんはかたくなに拒否を繰り返すばかりなのでした。

【段落2:スタッフも限界・・・】

「家に一人でいるのもつまらないだろうから、お茶飲みに
でも行っておいでよ」

そう息子さん夫婦に勧められて、あずゆあはうすを
ご利用になられるようになったサトさん。

お庭で花を育てたり、緑に囲まれて過ごしたりするのが
大好きだと伺っていました。

その一方、大正生まれのサトさんは、何事もきっちり
されていて、とても几帳面。

礼儀、マナー、あいさつ、そういったものにとても
厳しいところのある、凛としたおばあちゃまです。

ザワザワと落ち着かない場所や人は好みません。

「あんたね、何?その食べ方は。汚いわよ!」

ちょっとでもマナーのなっていない人や、
失礼な態度を取る人には、容赦なくピシリと
厳しい言葉。

スタッフが間に入ってなだめようものなら、

「何を言っているのか分かりません!」

「冗談じゃないわよ! あんたにそんな世話を
焼かれる覚えはないね!」

と、取りつく島もありません。

誰かれかまわず、ストレートに発せられる
容赦ない言葉。

「あたし、サトさん、嫌いです・・・」

「こんなことなら、来てほしくないです」

毎日のように抜け出されては追いかける、

の繰り返しに、

ため息の出ない日はありませんでした。

【段落3:もっともショックな一言】

その日も、踏切のほうに向かってズンズンと歩いていく
サトさんに、あるスタッフが付き添いました。

カン、カン、カン、カン・・・

ちょうど遮断機の閉まりかかる音がしています。

「サトさん、電車来てるから!」

「うるさいわね!」

大きな声は、かえってサトさんの感情を逆なでする
のでしょうか。

歩みを止める気配のないサトさんを、スタッフは
思わず抱きしめて押さえます。

するとサトさんも必死の形相で、腕を振りほどこうと
もがきます。

「はなせ! 電車なんか、来てないじゃないか!」

サトさんはそう叫ぶように言うと、後ろから抱きしめて
いるスタッフに後頭部で頭突きをくらわし、足を踏みつけます。

「人殺しだよ! この人は!! ひどいこと、すんだよ!」

(えぇ!? 人殺しって、そんな・・・)

さすがにショックです。

でも、そんな感傷に浸っている間もなく、

スタッフから逃れようと必死のサトさんを押さえるのに
精いっぱい。

いったい、こんな小柄な体の、どこにそんな力が
あるのでしょうか。

(電車が近づく踏切で、サトさんを離すわけにはいかない!)

必死でサトさんを押さえるスタッフは、両手が使えません。

とっさに、道を行く人を呼び止めて、

「す、すみませんっ! ○○○-○○○○まで電話をして、
迎えに来てくれるよう伝えてもらえませんかっ!?」

と見ず知らずの人にお願いして、ようやく連れて戻る
ことができた日もありました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同じような想いをされている方もきっといらっしゃると
思いますが(笑)、

今日はここまでとさせていただきます。

昨日まで北国、北海道にいましたが、

本日は朝イチで大阪へ移動し、終日社内打ち合わせ
&デスクワーク。

最終便で東京へ戻ります。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるので
しょうか?

では、今日も1日、互いに頑張ってまいり
ましょう!

今朝もお付き合いをいただき、ありがとう
ございました。
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           ~Visionary Care Company~

社会貢献と利益創出の両立に真剣で、成長・進化を目指す介護事業者に、
業界特性を踏まえた有益な経営情報の発信、及びツールの開発・提供を
行う。その結果、「地域で最も愛され、必要とされ、関わる全ての人々を
幸せに出来る会社=「Visionary Care Company」を多数創出し、介護業界
活性化の中心的存在となる。
それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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