[ケアビジネスSHINKA論 Vol.902]

事業拡大の検討を進める上で大切な事。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

ネスレとマルコメが共同開発したインスタント
みそ汁

“とろみ生活 料亭の味”

が先月末に発売となったようですね。

この話、我々の業界にとっても非常に有意義な話で
あるかもしれないと同時に、

“互いの強みを出し合いながら、一社では提供が難しい
価値を生み出し、協同して一つの事業を創る”

という視点から、

経営の学びにもなるのではないか、と思います。

本情報についてより深く情報をお知りになりたい方は、

下記サイトをご確認下さいませ。

http://www.excite.co.jp/News/product/20161213/Dime_321945.html

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■事業拡大の検討を進める上で大切な事
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●先日、更なる事業拡大を検討されている九州地区の介護経営者(A社長)と意見交換をさせていただいた折、ふとした違和感を感じ、その違和感を質問という形で口に出し、その上で補足的説明をさせていただいたところ、「言われてみれば当然のことですが、でも、あらためて考えても、直ぐにその答が出ない、という、私の今の思考回路自体が問題なんでしょうね。多分」という、とても率直な反応をいただきました。この違和感、この経営者だけではなく、過去、様々な介護経営者と話していていて、実は幾度も感じたことがある違和感です。そんな経験も含め、ひょっとしたらこの話に気付きを感じていただける方もいらっしゃるのでは?という想いのもと、今日は、その時の内容を皆様に共有させていただきます。ちょっと失礼な物言いですが、「あなたは何がしたいのですか?」という話についてです。

●そもそも私が違和感を感じ始めた発端は、A社長からいただいた次の質問でした「原田さん、これからも会社を大きくしていきたいと考えているのですが、これからどのサービスに取り組むのがいいですかね?やっぱり、〇〇ですか?」・・・・・この質問に対して私は次のような言葉を(質問を交えて)返した次第です。「そうですねぇ、、、勿論、国策的な観点から考えれば、“このサービスがいいんじゃないですか?”とか、全国的な動きから考えれば、“こんなサービスが人気がありますよ”という、A社長のご期待に沿う“答”をご提供することも勿論可能かと思います。ところでA社長、A社長は今後、事業を拡大させる上で、一体何をされたいんですか?」「・・・・・・(A社長)」この沈黙の後、少し解説を加えさせていただき、その上でいただいた反応が上記内容だった、という訳です。

●釈迦に説法で恐縮ですが、新たな事業に取り組む、ということは、法人として「何かを実現したくて」或いは「顧客(or地域)と接する中で○○という課題を感じていて、何とかその課題を事業というアプローチから解決したくて」、だから、「〇〇という事業をやろう!」という思考の流れから生まれてくるのが本筋だと私は思っています。ところが、介護経営者の中には、そのような思考パターンで新たな事業展開を検討しようとされない方が少なからずいらっしゃる。介護業界に特化して経営支援を始めた当初、私は何故こうなるのかが今一つ理解出来ず、しばしば思考停止に陥ったことも多かったのですが^^、今ではその理由がよく分かるようになってきました。

●要するに、今までの介護業界では、そのようなことを小難しく考える必要もなかったし、それでも十分事業として成立していた、ということなのでしょう。例えば介護業界に新たに参入したい、と考えた場合、「どのニーズに着目するか」などと大上段に立って考える必要はほぼなかった。「デイサービス」「訪問介護」というように、確立された“事業パッケージ”が既に存在しているため、その中で「どれならやりやすいか?」「どれなら利益が上がりやすいか?」等々の観点から事業を“選択”するだけで十分やってこれた。そして、いつの間にかその思考が当然の“型”になってしまい、それ故に、上記のような質問をされる方が多いのだろう、と私は理解しています。(もしくは、「デイ」「訪問」というモデルの上に、皆様思い思いの特長・売りを被せ、個別性を打ち出されていることとは思いますが、それを継続する中で、いつの間にか、“ゼロベースから事業を組み立てる”という思考パターンが薄れてしまった、と表現できるかもしれません)

●しかしながら、今後のことを考えた場合、今までと同じ思考プロセスで果たして大丈夫なものなのでしょうか?今までほど介護報酬が皆様の経営を手厚く保護してくれることは先ずないであろうことがほぼ確実な中、やはり、これからの事業展開に関しては、“事業パッケージありき”ではなく“ニーズありき”、そして、その上で、国の意図・期待をしっかりと理解した上で、“そのニーズに対し、既存の介護保険事業パッケージをどう活用出来るか(or出来ないのか)”という思考プロセスを持つ事が重要なのではないか、と私は思います(勿論、活用が難しい場合は、100%介護保険外サービス、という選択肢もあるでしょう)。

●皆様は「何を実現したくて」或いは「顧客(or地域)と接する中で、どのような課題を解決したいと感じて」事業拡大を行おうとされているのでしょう?明確な答が出せる経営者は是非、そのまま突き進んでいただきたいと思いますが、もし、上記の質問に“ドキッ”とされた方は、一度、立ち止まって、自分自身の心をもう少し深く見つめてみても悪くないかもしれませんね。
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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は午前中から千葉県東部の事業者様と
打合せ。

午後は東京・上野へ移動し、毎月の

“行政・市場ニュース”

“経営実践講座”

の録音の為、5時間スタジオにこもります。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。