[ケアビジネスSHINKA論 Vol.878]

“連携”という言葉に思う事。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

“就職氷河期(1990年代半ば~2000年代前半)に
就職できなかった人を正社員として採用した場合、
新たな助成金を支給する”

来年度の実効開始へ向けて、厚生労働省が準備を進めて
いるようですね。

この世代の正社員化を進めることで、

少子高齢社会の“支え手”としての厚みを増すのが
狙いだとのこと。

まだ先の話とはいえ、

経営者の皆様は頭に置いておいた方がよい情報かも
しれません。

ご興味をお持ちの方は、下記記事をご確認下さいませ。

http://mainichi.jp/articles/20161106/ddm/003/100/094000c

では、本日のメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点─────────────────────────
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■■“連携”という言葉に思う事。
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●先日、最近よく耳にする“連携”という言葉について、九州地区の介護経営者様と意見交換を行う機会がありました。その中で、極めて当然のことであるものの、現状、我々の業界で使われている“連携”という言葉が醸し出しているニュアンスに対して日々、私が感じている違和感について言及させていただいたところ、「本当にその通りですね。あらためて、その視点で自身の考えを整理・高めてみます」という、とても前向きな反応をいただきました。釈迦に説法かも?とも思いますが、少しでもお役立ち出来れば、との想いのもと、本日のメルマガでその時の内容のエッセンスをご紹介させていただきます(そんなの分かってるよ、とお感じの方は、再確認、という意味で是非、お付き合い下さい)。“連携を検討する際の大前提”についてです。(今回の“連携”という言葉は主に医療・介護連携、或いは介護事業者同士の連携を想定して使っています)

●意見交換の場では様々、話が行ったり来たりしましたが、その中から抜粋して、特にこのメルマガでお伝えしたいな、と思うのは、大きく2つの視点です。先ず一つ目の視点。それは、「連携は、“目的”ではなく“手段”に過ぎない」というものです。「もっと地域で連携していきましょう」という言葉があちらこちらで聞かれる昨今ですが、話をうかがう度、「それって、何のための、何をしたいがための連携なの?」「本当にその会社と連携する必要があるの?」「それにより、一体誰が、どんな風に喜ぶの?」とつい、突っ込みたくなる議論によく出会います。“連携”の目的は言うまでもなく、「顧客(ご利用者やご家族、地域etc)に現在提供出来ていない価値を新たに創出・提供するため」だと思うのですが、その、最も重要な部分の議論・すり合わせがないままに(ひどい時は、自社にとってメリットが大きい、という理由のみで)“連携”という言葉を使っている方がいらっしゃるのでは?という、底知れぬ違和感を感じることがある、という点です。

●そしてもう一つの視点。それは、「“仲良しこよし”の関係ではなく、互いに自立したもの同士の、真剣勝負の“切磋琢磨”の関係でないと“連携”は長くは続かない」というものです。決して“馴れ合い”に陥らず、共通のビジョンに向かって顧客価値を更に高め続けるべく“もっと、もっと”と互いに厳しく求め合う。そして、その上で、他社に求めることが出来る自分でい続けるために、自らも常に自身を振り返り、反省し、研鑽を続けていく。そのような、或る意味、ストイックな姿勢を持たないと、本当に顧客や社会にとって有意義な“連携”関係は構築出来ないのではないでしょうか。

●毎日私のメルマガをお読みいただいている皆様であれば既にお分かりかと思いますが、私は勿論、“連携”という手段自体を否定している訳ではありません。顧客や社会にとっても、そして、自社にとっても今以上の価値を生み出せる、可能性に満ちた極めて有益・有効な手段だと認識していますし、だからこそ、うまくその“手段”を使いこなしていただきたい、と願っています。

●今、或いは近い将来、他社との“連携”を本格的に検討しようとお考えの経営者・幹部の方は、上記視点を含め、どこまで“連携”に対する思考を深め、研ぎ澄ますことが出来ているでしょうか?一度、冷静な視点で振り返る機会を持ってみても悪くないかもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、博多にて打合せ&デスクワークが続きます。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。