[ケアビジネスSHINKA論 Vol.796]

動機づけに関する研究結果を組織経営に活かす。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

昨日、一昨日の土日は、広島県福山市で開催
された

“地域密着ケア・地域包括ケア全国研修会”

にてセミナー講師を務めてまいりました。

土日にも関わらず、全国から介護事業者の
皆様が集い、

勉強や情報交換を行う姿は真剣そのもの。

交通費や参加費を自費で払って遠方から参加
されている方々もいらっしゃいました。

このパワー、この情熱が、介護の現場を支えて
いるんだなぁ、

とあらためて実感すると共に、私自身、

沢山の刺激と元気をいただけた一時でした。

今週も楽しく、エネルギッシュに過ごせそうです^^

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■動機づけに関する研究結果を組織経営に活かす。
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●先日、九州地区の介護経営者と組織経営について意見交換していた折、ふと思うところがあり、とある研究事例をお伝えしたところ、「なるほど。。。その結果はかなり示唆深いですね」という反応をいただきました。今日は、その時にご紹介させていただいた内容を皆様にも共有させていただきたいと思います。マーク・レッパーとディヴィット・グリーンによって行われた、人財の動機づけに関する観察研究についてです。

●彼らは先ず、自由時間に絵を書いて過ごす幼稚園児たちを見つけ、それを3つのグループに分けました。Aチームは「良い絵には賞が出る」と事前に伝えられたチーム。Bチームは「事前に何も伝えないが、事後に賞状」を渡して褒めてあげたチーム。そして最後のCチームは、「何ももらえない」チームです。すると、2週間後の自由時間に驚くべき結果があらわれました。何ももらえないと思っているBチームとC チームは、2週間前と同様にたくさんの絵を熱心に書いていたのですが、賞が出ることを知ったAチームの子供たちは実験前より絵に対する興味を失っており、絵を描く時間も格段に少なくなってしまった、ということです。

●「この結論は研究結果として適切なのだろうか?」彼らは同様の実験を何度も繰り返しましたが、結果はほぼ同じ。この従来の考え方を覆す実験結果に、当時の学界では大きな論争が起きたそうですが、その後、エドワード・デジら別の研究者達が30年分の調査を入念に再分析し、「具体的な報酬は、内発的動機づけに対して、実質的にネガティブな影響をもたらす傾向がある」という結論に至ったそうです。

●この実験は、あくまで“遊び(=仕事ではない)”に没頭する、“園児(=生活責任を伴わない)”を対象とした実験結果であるため、異なる環境にいる我々大人にそのままあてはまるかどうか、と言われれば、少々疑問を覚える部分も無くはありません。しかし、根本の部分において、“外発的動機付け(=賞が出るから絵を描こう)より“内発的動機付け(=楽しいから絵を描こう)”の方が強い力を持つ、というこの実験結果は、特に日々、クリエイティブな判断を繰り返さなければならない我々介護現場においても、一つの示唆・可能性を提供してくれる、とも考える事が出来るのではないでしょうか。

●指示や命令、飴と鞭による賞罰ではなく、職員自らがその仕事の重要性を理解し、自発的に目標を設定し、同僚と協働しながら成果を築いていく-そんな空気を生み出すために、我々は自身のマネジメントをどう“革新”させる必要があるのでしょうか?組織経営を行う立場の皆様は、“外発的動機付け”と“内発的動機付け”この2つのキーワードを基に、自社の今後の在り方を見つめ直してみても有意義かもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、都心で終日役員会。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。