[ケアビジネスSHINKA論 Vol.703]

経営目標を設定する際の視点の参考として。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

今日で、2月も終わり。

「光陰矢の如し」とは、本当によく言ったものです。

来月で、2016年の4分の1が終わります。

「時は金なり」の精神で、目指すべきものに向かって、

日々、着実に積み上げていきたいものですね^^

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■経営目標を設定する際の視点の参考として。
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●先日、上昇志向をお持ちの、大変アグレッシブな介護経営者とお話している際に、次のようなご質問をいただきました。「今後、事業拡大を進めるにあたり、事業規模の目標設定として何か客観的な考え方はないでしょうか?社員に説明・動機づけを行うにあたり、意欲だけでなく、最近、原田さんが強調されている、科学性も取り入れたいんです」

●そこで、過去、全国展開を志していた外食企業様をご支援させていただいた際に用いた指標例をご案内したところ、大きな頷きと共に、「この考え方、取り入れてみます!」との言葉を早速いただきました(いつも思うのですが、出来る経営者というのは、本当に決断が速いです^^)。今日は、この方と同様、上昇志向の方が多いと思われる本メルマガの読者様にもお役立ていただけるよう、私がお伝えした指標案を共有させていただきたいと思います。

●皆様は、「クープマンの目標値」というシェア理論をご存知でしょうか?コロンビア大学の数学者であった同教授は、シェアの持つ意味に着目し、以下の通り、6つの指標を提唱しました。

  1. 73.9%:独占的市場シェア
    (首位が絶対安全かつ優位独占の状態。短期的に首位が逆転される可能性はほぼゼロ。)
  2. 41.7%:相対的安定シェア
    (業界における強者。安定した地位が確保され、逆転される可能性は低い。)
  3. 26.1%:市場的影響シェア
    (業界トップシェアであることが多いが、逆転される可能性も十分にあり。)
  4. 19.3%:並列的競争シェア
    (拮抗状態の時に多い。安定的トップの地位をどのブランドも確保できていない状況。)
  5. 10.9%:市場的認知シェア
    (何とか社名や屋号で想起される(=純粋想起)レベル)
  6. 6.8%:市場的存在シェア
    (補助説明がつく中で、何とか社名や屋号が想起される(=助成想起)レベル)

ちなみに介護産業の市場規模は、2015年度で約9.8兆円(みずほコーポレート銀行調べ)と予測されています。一方、業界最大手であるニチイ学館は、介護部門の売上は約1、444億円程度(第43期有価証券報告書調べ)。仮に今期(44期)も前期と同等の数字だと見ても、市場シェアは約1.5%。成長業界であるにも関わらず、トップ企業のシェアがこの程度であることを考えると、今後も損保ジャパンのような異業種大手企業が益々市場参入を果たしてくる可能性は十分に髙い、と考えられるのかもしれません。

●上記は、一般的には「市場において幾らの売上シェアを占めるか?」という考えを基礎に据えた概念ですが、例えばそれらを「施設(事業所)数の割合」或いは、「地域の対象高齢者数(要介護者数・要支援者数etc)の割合」等と読み替えても良いかも知れません(ちなみに某外食企業を支援していた時は、競合との店舗数で本指標を活用していました)。また、対象エリアについても、全国と見るのか、一定の県・市と見るのか、或いは、地域包括ケア時代を見据え日常生活圏域で見るのか、等々、様々なパターンが考えられるでしょう。

●前述の経営者の言葉通り、目標は経営者の「志」を表すと共に、社員に対しても「夢」を与える、大きな動機付け要因にもなろうかと思います。その意味でも、「目標設定能力」は、経営者にとって身につけるべき必須の能力だと言えるのかもしれません。皆様の企業の経営目標は如何でしょうか?重要性をあらためて認識した上で、上記視点も踏まえ、一度、自社の経営目標を点検・再考してみても悪くないかもしれませんね^^

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、都心にて月末業務を行います。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。