[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2695]

ただつけるだけ

みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

タイトルにある「ただつけるだけ」とは、Apple WatchのテレビCMで画面に映し出される
言葉です。
睡眠に関する機能・性能の紹介動画が流れ、それを体験するのに私たちが行うことは「ただ
つけるだけ」だと。
Apple Watchをはじめ、皆さんの中にもスマートウォッチと呼ばれる腕時計を身につけてい
る方は多いのではないでしょうか。
今日はそんなスマートウォッチの可能性について採り上げてみます。
それでは本日のメルマガを進めたいと思います。

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■■ただつけるだけ
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◆昨年末のことですがGoogle本社で行われたFitbitイベントに参加する機会があり、そこで
ウェラブルウォッチの可能性を目や耳にしました。
Fitbitは2007年に設立された世界有数のウェラブル企業の一つで、スマートウォッチ(アメ
リカではアクティビティトラッカー)メーカーの代表的企業として日本でも多くの利用者を
有しています。
実は私も元はFitbitユーザーです。
そのFitbitは2021年11月にGoogleに買収され、現在はGoogle主導のもとヘルスケア領域
での連携が進んでいます。
もともとGoogleにはPixel Watchというスマートウォッチのラインナップがありますので、
お互いの技術や顧客層を組み合わせて更なる進化を目指すものと思います。

◆企業の説明はこのくらいにして、年末に行われたイベントで見聞きした話に移ります。
Fitbitをはじめとしたスマートウォッチは、日中・夜間を問わず24時間身体のあらゆる情報
を管理し、アウトプットし、その原因や助言など具体的に教えてくれます。
高齢化が進む日本においては、医療・介護領域との連携も積極的に進められています。
転倒検出機能や緊急SOS機能、心不全のリスク・恐怖への対応機能など、増加する独居高齢
者など社会課題の解決において無くてはならない存在になると期待されています。
昨年に出向いた韓国でも、お会いした高齢者の手首にスマートウォッチがあったことは、年末
のメルマガに書いた通り。

◆Googleイベントでは、実際に連携する企業・自治体・病院等の事例発表もありました。
そこで語られたのは、管理する側の利便性だけでなく「改善の見える化という楽しみや喜び」
を口にする利用者(特に高齢者)の姿。
改善効果の可視化により、利用者はその結果データを直接目にし、一喜一憂しながらもモチベ
ーションを高めていると言います。
それこそ、自立支援や機能維持・改善の可能性にも繋がっているのだと。
Google社は、これまで医療・看護との連携を積極的に進めてきましたが、今後は療法士との
連携を考えているとの発言もありました。
私たちリハビリに関わる人間にとっても、「単にやっている」だけではなく、正しく効果的な
ことを実施できているか、その評価が見えるようになるのです。

◆ウェラブルの役割や可能性は一言でいえば「痛みを伴うことなく身体の中を可視化できる」
ことにあります。
そのために必要なのは、手首などに“ただつけるだけ”。
そして、この可視化は常時・継続的に行えます。
病院での診察のように、月に1回その場だけ・・・ではありません。
これこそ“つながる医療”であり、それを担うのがAIの役割です。
Googleは、今後のキーワードは『パーソナライズ(AI Personalize)』だと言っていました。

◆年明けから続いた災害現場において、もし行方不明の方の手首にスマートウォッチが巻か
れていれば。
健康状態だけでなく、居場所まで瞬時に把握することができたなら。
その意味でも、ウェラブルの需要は高まっていくでしょうし、その可能性について私たちも
理解を深める必要がありそうです。

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年初に、自分へのお年玉として新しくスマートウォッチを購入しました。
目的はただ一つ、趣味であるランニング(マラソン)においてデータを把握・集積するため。
「手首に巻くだけでここまで・・・」という性能・機能には驚くばかりです。
細かい健康データだけでなく、私の心身のバッテリー状況まで常時教えてくれます。
(睡眠や休息で回復し、運動やストレスで消耗します)
大量のお酒を飲むと、その夜の睡眠では休息ではなくストレスが溜まる。
・・・うーん見たくない。

今週もお疲れ様でした。
ステキな週末をお過ごしください!