[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2490]

介護予防は誰のため?

みなさん、おはようございます!
金曜日の担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

先週の自分のメルマガが配信されて読み返したところ、日ごろ胸の内に閉じ込めていた思い
があふれてきました!
前回のメルマガは「自立」についてでしたが、今回は「介護予防」についてです。
ちょうど最近、某自治体とのやりとりを通じ、改めて危機感を強くしたところ。。

昨日のメルマガで代表の原田も総合事業に関する国の動きについて紹介していましたが、いよ
いよ本格的に介護予防が盛り上がる!・・・かも知れません。

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というわけで、本日のメルマガです!

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■■介護予防は誰のため?
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◆2000年に介護保険法が施行されて以来、我々の事業活動はあの分厚い本、いやいや介護
保険法によって監視され、一方で恩恵を受けています。
監視という嫌な書き方をしましたが、介護保険料という公金により運用されている以上それは
当然のことであり、事業に関わる我々はルールを順守しなければなりません。
介護保険制度によって介護サービスが公平・公正に提供されていることを考えれば、日本に住
んでサービスを享受できる我々は恵まれていると感じます。
でも今、その介護保険制度がピンチなのです!

◆厚生労働省をはじめ国も、その危機感は隠しません。
① 介護需要の増加に伴う人材や予算の不足
② サービス提供の地域格差の拡大
課題は多数ありますが、その中でも上記2つは度々論じられます。
難しいことではありますが、どうにか解決していかなければいけません。
さてどうするのか・・・そこで注目を集めたのが「介護予防」であり、制度として構築された
「総合事業」です。

◆国は「介護予防」についてどのように言っているのでしょうか?
厚生労働省の通達や、専門部会の議事録を確認すると、以下のような記載があります。
『介護予防は、高齢者が要介護状態等となることの予防または要介護状態等の軽減もしくは
悪化の防止を目的として行うものである。』
『機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく、地域づくりなど高齢者本人
を取り巻く環境へのアプローチも含めたバランスのとれたアプローチを行う。』
そうです、介護予防とは地域づくりに繋がるのです。

◆「確かに国は上記のように言っているが、それは一般介護予防事業として住民主体の通い
の場等を想定したものであり、介護保険の介護予防事業では少しニュアンスが違う。」
とある役所でそう言われることがありました。
それ、国が本当にそう言っているのですか?
ニュアンスって何ですか?
総合事業はもちろん、介護保険を通じて国が市町村に求めたことは何ですか?
地域が抱える喫緊の課題に対してどのように考えているのですか?

◆日本の未来を示す数字やグラフを、日ごろからメディアで目にします。
このままでは制度や財政が破綻するとキャスターやコメンテーターが口にし、国で進められ
る議論の内容が紹介され、先進的な取り組みを行う企業や団体・人が紹介されます。
介護の課題は決して当事者だけのものではなく、支えるご家族にとっても重要なものなので
すが、どうしても“旬”のニュースに埋もれがちですね。
介護予防の必要性や取り組みについて、行政任せにするのではなく、介護事業者だけの責任
にするのでもなく、国全体の課題として議論していきたいものです。

◆決して、どこか特定の保険者や制度自体を悪く言うのではありません!
国は方針を示していると思いますし、未来への危機感は誰もが持っていることだと思います。
それでも大きなムーブメントに繋がっていないのが現状。
どうするべきか。
そのカギを握るのは、これからの街づくりで役割を果たすのは、現場のリアルを知る我々、
福祉事業者の声なのだと強く信じています。
業界として、目先のことだけではなく未来を見据えた提言、議論をもっと行いたいですね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。
介護保険事業と介護予防事業は、その所管部署を分けたほうが良い・・・
それくらい思い切った考えで推進しないと改革は難しいと思います。
実は、そのような思い切った取り組みを行おうとする自治体は実際にあるのです!
その取り組み状況について、いつかご紹介できればと思います。

みなさん今週も本当にお疲れさまでした!
どうぞステキな週末をお過ごしください!!