[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2074]

「〇〇と言う言葉に想いや意図があるように感じました」~関西地区経営者様より~

おはようございます、

ケアビジネスパートナーズの原田です。

「感染をできる限り防ぐ対策を取りつつ、

サービスを継続的に提供していって欲しい」

・・・・

東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言が
再発令されたことを受け、

厚生労働省は23日、介護現場に向け、

あらためての通知を公表しましたね。

関心をお持ちの皆様は、下記をご確認下さいませ。

https://www.mhlw.go.jp/content/000772845.pdf

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

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■■「〇〇と言う言葉に想いや意図があるように感じました」~関西地区経営者様より~
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●二宮尊徳氏の言葉(厳密には同氏の言葉を弟子の方が意訳したとのことですが^^)、
そして、渋沢栄一氏の言葉を引用しつつ、「道徳(仁義道徳)と経済(生産殖利)を、“バ
ランス”ではなく、如何に“両立”させていくか」という言葉をご紹介しつつ締めさせていた
だいた先週のメルマガ。

●その後、関西地区の介護経営者(A社長)より、「“バランス”ではなく“両立”という言葉
に原田さんの想いや意図があるように感じました」と、とてもシャープ、かつ、深いフィー
ドバックをいただいた次第です(正に「ズバリ、その通り!」なのですが^^)。

●私がこの“バランス”という言葉に対する違和感・こだわりを抱くに至ったきっかけは、今
から10年弱前、福祉専門で活動されていた、とある先輩コンサルタントからうかがった、次
の言葉でした「原田君、福祉の仕事は社会性と経済性のバランスが重要なんだ」・・・・・

●サラッと聞けば、全く持っての正論に聞こえます。しかし、私はこのアドバイスをいただ
いた後も、独り、“消化不良”状態に陥っていました(アドバイスいただいたコンサルタントの
方がどのような意図で発言されたかは分かりませんが)。どこに“消化不良感”を感じていたか
と言うと、今回の趣旨通り、「バランス」という言葉です。

●日常的に頻繁に会話の中で使われているこの言葉、イメージとしては柔軟性があり、誰も
が頷く類のものではないかと思います。しかし、特に“経営”においては、ともすれば誤った
理解のもと、自らの安易な「妥協」を肯定してしまうことにもつながりかねない危険性もは
らんでいる、と私は、個人的な経験含め、そのように感じています。

●換言するなら、「理想はこうだけど、今のうちの会社はこんな状態だから、、、、」と言いな
がら、現実の中で“バランス”をとる経営は、ともすれば“妥協”する経営、即ち、厳しい表現
かもしれませんが、「言い訳経営」「その場しのぎ経営」になってしまう危険性をはらんで
いる、とも言えるのかもしれません。

●更に、“バランス経営”を異なる言葉で表現するなら、経営全体を100とした場合、その場
の状況を見て、50:50、30:70など、その100の中の、社会性と経済性の比率を変えていく
経営、とも言えるのかもしれません(私の勝手解釈ですが)。

●そして、申し上げるまでもない事かもしれませんが、そのようなスタンスの延長線上に、
我々が目指すべき理想の経営が存在しないことは、皆さんにも賛同いただけるかと思います。

●では、私たちが目指すべき経営とはどのような姿なのでしょう?それは、仮に上記と同様に
経営全体を“100”と捉えた場合、その場の状況を見て、その100の中の、社会性と経済性の比
率を変えていく経営(例えば50:50、30:70など)ではなく、

●全ての活動の土台・前提として、”バランス(配分)”という概念ではなく、“社会性100・
経済性100を全力で実現しようとする経営”を根幹に据えることではないでしょうか。換言す
るならこの経営は、短期と長期の視点を織り交ぜながら、常に両方を大事にして経営判断を
重ねていく、「理想と現実を一致させることに全力を傾ける経営」とも言えるのかもしれま
せん。

●勿論、現実の経営においては、時には理想通りの判断を下すことが出来ない時もあること
も痛いほど理解しています。例えば、「社員の給与を地域ナンバー1にしたい」という理想を
描いていたとしても、現実として利益や内部留保がない会社からすると、その段階では、それ
は単なる絵空事でしかありません。

●でも、そこからの進み方で今後の成長・発展に大きな差が出ます。バランスタイプの経営者
は、「今は現実的には無理だから、、、」と言って自らの力量不足に溜息をつきながら、理想
と現実のギャップに対して単に「妥協」だけを連続させていってしまいます。

●他方、両立タイプの経営者は、「悔しいけれど、今はこれしか出来ない。」と現実をしっか
りと受け止めつつも、「でも、自分はこのままでは絶対に終わらない。一生懸命頑張って、3
年後には必ず地域ナンバー1の給与が払える環境をつくりあげるぞ。」と本気になりながら、
それらを実現する為の戦略・計画を立て、必死になってそれらを実際に実現しようと努力します。

●両者の違い、それは即ち、自ら描いた理想に対する「本気度」の違い、そして、その「本気度」
の違いが現実となって現れる「行動量」の違いだと言えるのかもしれない。過去、数えきれない
ほどの経営者の皆様と出会い、本気の議論・意見交換を重ねてきた私としては、そのような想い
のもと、“バランス”という言葉に違和感を感じ、“両立”という言葉にこだわった次第です。。。。

●・・・・さて、翻ってのご質問です。私たちの日々の経営は、果たしてどちらに当てはまっている
でしょう?少しでも心に引っ掛かりを感じていただけた方は一度、時間を取り、自社・自分自身
を再点検してみていただいても有意義かもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、朝から夕方まで、8件のオンラインミーティング(汗)。

終了後、明日の仕事場である愛知県某所へ向かいます。

皆様は本日、どのような1日をお過ごしになられるのでしょうか?

では、互いに充実した1日となるよう、共に頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。