[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1060]

2種類の動機づけについて考える~ある経営者の話から~

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

先週3日の内閣改造。

元・1億総活躍担当相の加藤勝信氏が
厚生労働相に就任されましたね。

加藤氏は元・大蔵省(現財務省)の出身。

今後の発言や動きに是非、注目したいところ
です。

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
■■
■■2種類の動機づけについて考える~ある経営者の話から~
■■
────────────────────────────────────────

●先日、とある集まりで、異業種経営者(A社長)のお話をうかがった時の事。人財育成に
対する考え方や実践内容についてお話をお聞かせいただいていたのですが、その中で、とて
もシンプルながら奥深い話をうかがいました。是非、皆様にも私と同様“気付き”を感じて
いただきたく、今日は、その際にうかがったお話を皆様にも共有させていただきます。「社
員が高いモチベーションを維持できる環境をつくるために、経営者が心掛けるべきこと」に
ついてです。

●業種や事業が違えども、“組織づくり”“風土づくり”というテーマは全ての経営者にとって
共通の悩み。ひとしきり会話に花が咲いた後、場の雰囲気を見計らって、30代の経営者が
つぎのような質問を投げかけました「社員が高いモチベーションを維持できる環境をつくる
ために、皆さん、工夫や心掛けていることってありますか?」。様々な経営者が発言した後、
IT系のビジネスを展開されているA社長に順番がまわってきました。その時のA社長の発言は
次の通りです。

●「そうですね、何かあるかなぁ、、、あ、ありました!社員に対し、“頑張れ”とは極力言わ
ないようにしています。それよりも、“頑張ってるね”という言葉を大切にしてますね」・・・
「それって、どういうことですか?」話を聞いていたとある経営者の問いかけに対し、A社長
は話を続けました。

●「私も含めて経営者って、割と体育会的な考え方の人が多いような気がするんです。だか
ら自分が頑張ってきたように、つい、社員にも「頑張れ!」って、どちらかと言うと“発破
をかける”ような物言いをしてしまう。でも、これはあくまで自分自身の経験則なんですけ
ど、その時の頑張りって、あまり長く続かないような気もするんですよね」

●「一方、これはある先輩経営者に教わったんですけど、それよりも社員が適切な考動を起
こした時に“オッ、いいね。最近、凄い頑張ってるね”という類の声掛けを行うことを意識
した方が、どんどん(いい意味で)社員が調子に乗ってくれるんじゃないかなぁ、と。この
事を教わり、実践して以降、確かに個人や職場全他の雰囲気が“いい感じ”に変わってきた
気がするんですよね」。。。。。。

●この話を聞いた時、私の頭の中に湧きあがってきたのは“外発的動機付け”“内発的動機
付け”という2つの言葉。ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、外発的動機付けと
は“外からの働きかけ(物・金銭・評価etc)”による動機付けを指し、内発的動機付けとは
“自分自身の内側からの働きかけ(好奇心・関心・自己決定etc)”による動機付けを指しま
す。この事を念頭に先ほどの話をあらためて振り返ると、“頑張れ!”という言葉は“外発的
動機付け”的な働きかけであり、一方、“頑張ってるね!”という言葉は“内発的動機付け”を
促進させる力を持った働きかけではないか、と感じた次第です。

●言うまでもない話かもしれませんが、“外発的動機付け”が良くない、という話では当然
ながらありません(“外発的動機”が時には強烈な推進力・突破力を生み出す事もあります
しね)。要は、「タイミングによって、或いは人によって、これらのコンセプトを使い分け&
組み合わせていく必要がある」という事なのではないでしょうか(とはいえ、最終的には
“内発的動機付け”に至らないと、持続は難しいのかもしれませんが)。

●“外発的動機付け”と“内発的動機付け”-皆様の組織ではどのようにデザイン・設計さ
れているでしょうか?上記の話を参考に、一度、そのような視点で自社の施策を見つめ直し
てみても面白いかもしれませんね。

────────────────────────────────────────

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は終日、東京都心にてデスクワーク&打合せが
続きます。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。