[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1061]

残業代を削減できた話。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

先週末、第144回介護給付費分科会が
開催されましたね。

“特定施設入居者生活介護”

“介護老人保健施設”

“介護療養型医療施設及び介護医療院”

が議題に挙がった模様です。

関係される方々、関心をお持ちの方々は、以下を
ご確認下さい。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174015.html

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■残業代を削減できた話。
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●昨日もお伝えした、とある異業種経営者との集まりの時のお話。その中で、「その発想、
凄く参考になるね」とご評価をいただいた話題がありました(今回は私発信の話です)。こ
の施策そのものもそうだけど、何より発想・視点が面白い、とのコメントをいただいたので
すが、是非、皆様にも何らかの参考・気付きになれば嬉しいな、との想いのもと、本日のメ
ルマガでご紹介させていただきます。“残業削減対策”に関する話です。

●遡って、今から20年ほど前の事。未だ介護業界の“介”の字も知らず、父親と共に引越
事業の経営に乗り出していた20代後半の私は、アルバイトメンバーの残業代に頭を悩ませ
ていました。止むを得ない状況によって残業が発生する事は致し方ないにせよ、「時給がい
いから残業したい」「1時間残業出来た方が夕食代が浮く」「社員の○○さんと一緒に仕事に
行くと、残業代を付けてくれる。逆に、△△さんとの仕事は残業にならないので一緒に行き
たくない」という声を聞いてしまった私(期せずしてアルバイト控室から聞こえてきた声)
としては、この状況を何とか変革すべく、方策を考え始めました。

●方策の選択肢としては、大きく分けて2つ。その前に、先ず、従業員全体を集め、現場サ
ービスにおける残業が恒常化している状態を数字で示し、“残業はお客様にとっても好まし
いことではない(=引越屋における残業とは、お客様の荷物を搬出~搬入する時間が約束よ
りも遅くなっている、ということと同義である)”事を伝えました。

●そして、その上で、今度は賞与対象となる社員と準社員(社員に近い働きをしてくれてい
るメンバー)だけを集め、“残業代の増加は当然ながら、会社としても良くない(=残業発生
を想定して顧客単価を設定をしている訳ではない=利益率が下がる=社員・準社員の賞与に
も影響が出てくる)”事を伝えました。

●以上の作業を前さばきとして行った上で、私は「具体的にどう削減に結びつく仕組みをつく
るか」について考えました。前述の通り、方策の選択肢・ベクトルとしては2つ。一つは「減点
志向(=一定以上の残業を発生させたら罰金、或いは評価を下げる)」の施策。そしてもう一つ
は、「加点志向(=一定以上の成果を残した場合には臨時賞与、或いは評価を上げる)」の施策
です。

●一般的には“減点志向”に走る方も多いと思うのですが、その方向性では組織をギスギス
させてしまうかもしれないな、と感じた私は、後者の選択肢を取ることを考えました。具体
的には過去1年間において発生していた残業代経費を算出し、先ずはその7割を予算とし
て目標設定。残業ナシで仕事を終えた場合には、”2トントラックドライバーは1ポイント”
“4トントラックドライバーは2ポイント”とポイントを積み上げ、その積み上がったポイ
ントを四半期ごとに予算で割り、その分を社員に現金支給&期末評価の対象にする事にし
ました(勿論、経理処理は税理士先生指導のもと、真っ当に行いました)。

●以降、その翌年度は予算をその前年度の7割に、そして、その翌年度はそのまた7割に、
と徐々に予算を減らしていきました。一方、これにより、“残業が減った分だけ手取りが減
っただけじゃないか”と社員・準社員が感じてしまっては本末転倒です。「残業せずにいい
仕事が出来た→顧客からの評価が上がり、紹介顧客が増える→会社経費が下がった(=残業
代の削減)状態で仕事が増える→売上・利益が上がり、給与・賞与の額も増える」という状
態を実現しよう、と社員・準社員に発破をかけ、結果、3年後には、3年前の残業代込みの
年収を上回る年収(給与+賞与)を実現出来た、という訳です(その他、諸々細やかな部分
に気を配りましたが、ここではあくまで大筋のコンセプトを理解していただきたい、という
想いから、この程度の粗さの話に留めさせていただきます)。

●この話、昨日のメルマガの内容にも通じるところがあるのではないか、と個人的には感じ
ます(外発的動機付け・内発的動機付けとは少し話が違うかもしれませんが^^)。私事で、
しかも20年以上前の話で恐縮でしたが、皆様はこのお話、どのように感じられましたでし
ょうか?そのまま流用する事は難しいかも知れませんが、エッセンスの一部分だけでも取
り入れることが可能かどうか、もし宜しければ検討されてみても面白いかもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日も終日、東京都心にてデスクワーク&打合せ。

夕方以降は明日の仕事場所、広島へ飛びます。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。