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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
経営に役立つ情報等をお届けします!
(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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本メールは名刺交換、セミナー、問合せ等を通じて原田匡と接点があった
介護事業者及びその関連の方々に送信させていただいております。
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こんにちは、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。
皆さんは、歴史上の二大傑物、
“岩崎弥太郎”と“渋沢栄一”が
舌戦を繰り広げた、
“隅田川船中大論争”
“向島の対決”
という逸話をご存知でしょうか?
事の発端は明治11年(1878年)8月、
隅田川の屋形船の船遊びの会。
主催者は岩崎弥太郎。
渋沢栄一は“主賓”という立場でした。
岩崎弥太郎はご存知の通り、
三菱財閥の中興の祖であり、
稀代の企業家としても大変有名な人物。
一方、渋沢栄一も、
日本最初の銀行・第一国立銀行を設立し、
(今のみずほフィナンシャルグループ)
以降、
七十七銀行・東京ガス株式会社・東京海上日動
火災保険株式会社・王子製紙株式会社・太平洋
セメント株式会社・東急電鉄・帝国ホテル・
秩父鉄道株式会社・京阪電気鉄道株式会社・
東京証券取引所・キリンビール・サッポロビール・
東洋紡績株式会社、、、、
等々、今尚存続している数多くの企業の創立・
経営にたずさわり、
また、東京府養育院などの慈善事業や日本女子
大や二松学舎などの教育事業にも力を入れた、
歴史上の一大人物です。
この二人、
天下論などを論じていたときは良いムード
だったそうですが、
経営論に話がおよぶと激しい口論に発展。
「会社の形はしているが、三菱は自分の一家の
家業である。利益は社長の一族が得るものだ」
岩崎弥太郎はそう言い放ったそうです。
彼は、三菱商事を経営するにあたり、
“会社”
と言う組織体制を取っていたものの、
精神的な部分としては、組織体制を否定して
いた、とも言われています。
換言すると、
社長の“独裁権限”と“リスクの判断”で
経営すべき、
との信念で会社経営をしていたそうです。
他方、渋沢栄一はというと、
フランスでいち早く資本主義を学び、
その概念を日本に持ち込んだ、非常に
開明的な人物。
彼は、多くの人の資本(合本主義)と
知恵を結集する
“近代経営”
を唱え、
自らもその考えに基づいて経営を行って
いました。
また、経営の利益と道徳が並び立つとの
持論を持ち(=道徳経済合一説)、
経済を発展させ、利益を独占するのではなく、
国全体を豊かにする為に、
富は全体で共有するものとして社会に還元
するべきだ、
という思想の持ち主でもありました。
当然ながら、渋沢栄一は、
岩崎弥太郎の個人営利主義的な考えに
同意する事が出来なかったそうです。
その後、二人は、向島の料亭に席を移し、
隅田川を前にして、豪華な宴席を囲いました。
席に着くやいなや、岩崎弥太郎は、
こんな話を切りだしたそうです。
「君と僕が堅く手を握り合って事業を経営
すれば、日本の実業界を思うとおりに動かす
ことが出来る。
これから二人で大いにやろうではないか。」
即ち、
岩崎弥太郎は、渋沢栄一と手を組んで、
“二人で大きな富を生み出し、独占しよう”
ということを考えていました。
そのことを提案するための宴席だったのです。
しかし、渋沢栄一はというと、
自分一人が金もうけをする、という考え方の
持ち主ではなかった、
というのは、前述の通りです。
「だめだ。君のいう合本法は船頭多くして船山に
のぼるの類だ。」
「いや、独占事業は欲に目のくらんだ利己主義だ。」
当然のごとく、二人の議論は激しく対立し、
その後、渋沢栄一は腹を立て、お手洗いに行く
振りをしてそのまま帰ってしまった、と言います(笑)。
さて、この話を聞いて、
どちらが正しいか?と問われれば、
皆さんはどちらだと思われますか?
一般的には、
「独占」志向の岩崎弥太郎よりも、
「共存」志向の渋沢栄一の考え方が正しい、
という向きがあるようですが、
現実として、
経営って、そんなに簡単に割り切れる話でも
ないような気もします。
私個人の考え方としては、
法を遵守する限りであるならば、
“どちらかが一方的に正しくて、
どちらかが一方的に間違っている、
とは言えない”
というのが正直なところです。
どちらの考え方を採ったとしても、
マネジメントを間違えると
一長一短が生まれるでしょうし、
局面によっては、
両方の顔をうまく使い分けなければ
ならない時もあるかもしれません。
しかし、正しい・間違い、という類の
議論ではなく、
大きな方向性として、
どっちが好きか?
自分に合っているか?
と問われると、
私は断然、渋沢栄一氏の考え方の方が
大好きですし、
自分自身、その思想で会社をこれから
更に創っていきたいと考えています。
これは、
“家業”をつくりたいのか、
“事業”をつくりたいのか、
という言い方に置き換えることが出来る
かもしれません。
勿論、“家業”としても、
前述の岩崎弥太郎の発言のような極端な
ものではなく、
社員を大事にする家業もあるでしょうが、
それでも私は、
“事業”をつくりたい、
と考えて日々、進んでいます。
その上で、様々な会社とお付き合いを
する中で、
好ましくないなぁ、と思うのは、
“事業”をしたい、と標榜している
にも関わらず、
実は、本音では、
個人の利益しか考えていない、
“家業”
的な経営を行っている会社が意外に
多い、ということです。
そのチグハグな経営は、社員は勿論の
こと、
顧客や取引先からも信頼を失う可能性を
はらんでいます。
果たして、
自らの経営は矛盾を起こしていないか?
たまには振り返ってみることも必要かも
しれませんね。
以上、何かのお役にたてれば幸いです。
先週末まで九州にいたのに、今日は、
札幌にいます(笑)。
今日は札幌でセミナー。
その後、飛行機で仙台⇒新幹線で明日の
セミナー地、福島県の郡山へ向かいます。
では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
追伸:
今の三菱グループが岩崎家の思想そのままに
経営しているか?
と言われれば、決してそんなことはないと思い
ますので(笑)、念のため、付言しておきますね。
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それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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