高齢者住宅の問題点(その1)

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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
経営に役立つ情報等をお届けします!
(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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本メールは名刺交換、セミナー、問合せ等を通じて原田匡と接点があった
介護事業者及びその関連の方々に送信させていただいております。
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こんにちは、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。

先週土曜日(18日)は京都府福知山市
において、医療・介護事業者向けに、

「超高齢社会における医療・介護ビジネスの動向」

というテーマでセミナーを開催してきました。

主に業界の今後の動向、そして、皆様の関心が
高い高齢者住宅を中心についてお話をさせて
いただきました。

世の中は、正に「サ高住」ブームです。

しかし、開設してまだ間もないとは言え、

現時点において、計画通りにご利用者が
集まっておらず、

文字通り“苦戦”しているサ高住が非常に
多い、

というのが私のヒアリングによる実感です。

この原因は、一言で言えば、

“拙速”に取組みを決め、開設しようとする
事業者(特に民間事業会社)が多い、

ということではないでしょうか。

“拙速”とは“つたなくはやい”

即ち、情報不足、理解不足の状態で事業を
スタートさせてしまっている、という意味
でお考えいただければと思います。

今日はその“拙速”と思われる幾つかの
ポイントの中でも、

“最大”とも感じる一つ目の問題点について
お話させていただきたいと思います。

全国を周り、色々なお話をうかがいながら
つくづく思うのですが、

成否を分ける最大のポイントはやはり

「マーケティング」、

しかも

「定量マーケティング」

ではなく、

「定性マーケティング」

です。

多くの会社は、医療の診療圏分析や
要介護人口のバラつきなどを見て、

このマーケットで住宅がうまくいくか
いかないかを判断しています。

確かにこのような“定量調査”も
重要です。

しかし、これだけでは完全に片手落ちです。

医療を開設するのであれば、

「病気になれば病院へ」
「怪我をすれば病院へ」

という流れから、定量分析や競合分析で
ある程度の事前調査は事足りるでしょう。

しかし、介護は医療とは異なり、
あくまで「生活の場」です。

どんなに定量データが揃っていても、

「この街の高齢者はどんな生活を望んでいるのか」
「どれだけの費用負担なら大丈夫なのか」

等々に始まる「定性分析」の方が遥かに重要です。

もし、需給バランスだけを見て事業が成功
するのであれば、

今の介護事業者はどの会社も100%、パンパンの
稼働率になっているはずです。

だって、「供給が需要を上まっている」地区など日本中、
どこを探してもほとんどないのですから。

でも、決して全ての介護事業者が100%の稼働率に
なっている訳ではありません。

なぜでしょうか?

それは、ご利用者が「生活」「サービス」という
側面で、選り好みをしているからに他なりません。

地域に求められ、人気のある介護事業所には
行列をなしてご利用者や入居(所)者が集まる一方で、

閑古鳥が鳴き、経営に窮している事業所もあります。

この「差」を産むのは“価値創造”であり、
その源泉となるのが、

「具体的に高齢者の声を反映する」
定性マーケティングです。

そして、このポイントは、「生活の場」
そのものとなる高齢者住宅にこそ最も強く
求められるポイントだと思います。

しかし、私の知る限り、どんな大手であっても、
「定性調査」をしっかり行っている事業者は
殆どありません。

100歩譲って、既に介護事業を営んでいる法人であれば、
過去の事業経験から、ご高齢者の生活に対する真の
ニーズはある程度掴めているかもしれません
(それでも不十分なことも多いですが)。

しかし、それ以外の新規参入組は、そのような
生情報を一切持たない訳ですから、

ますます「定性マーケティング」が重要になります。

何億とかかる場合も多い投資に対し、

エイヤッの仮説のみで事業に挑もうとする。

これはもはや“ベンチャービジネス”では
ありません。

“アドベンチャービジネス”です(笑)。

これらの原因の一つは、周辺で

「これからは高齢者住宅ですよ」

「サ高住は補助金が出ますから今がチャンス
ですよ」

と甘くささやき、

本音では事業を受注する事しか考えていない、

高齢者住宅事業に知見を持たない建設会社や
コンサルティング会社が数多く存在している
ことにも大きな問題があると私は思います。

今後、超高齢社会を乗り切るための社会
システムを構築する、という側面や、

日本経済の活性化、という観点においても、

民間による高齢者住宅の建設、様々なサービス
バリエーション、というのは、非常に重要な
テーマであることは間違いありません。

これから高齢者住宅事業に新規参入される方には、
是非、本日お伝えしたポイントをおさえ、地域に
喜ばれ、愛され、関わる全ての人々を幸せにできる
事業を創りあげていただきたいと思います。

明日はまた異なるポイントから高齢者住宅の
問題点を見つめてみたいと思います。

以上、何かのお役にたてれば幸いです。

本日、月曜日は大阪事務所にて終日打合せ&
会員向けのビデオ撮影です。

明日からは火曜~土曜まで連続セミナー。

気合で乗り切ります(笑)。

週の始まり、皆様も頑張って下さいね!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
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CB-TAG(シー・ビー・タッグ)
(介護経営総合研究所)

◆運営会社:株式会社タッグ
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           ~Visionary Care Company~

社会貢献と利益創出の両立に真剣で、成長・進化を目指す介護事業者に、
業界特性を踏まえた有益な経営情報の発信、及びツールの開発・提供を
行う。その結果、「地域で最も愛され、必要とされ、関わる全ての人々を
幸せに出来る会社=「Visionary Care Company」を多数創出し、介護業界
活性化の中心的存在となる。
それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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 します。また、その際は、「介護経営エナジャイザーの原田匡によると」
 と一言付け加えていただければ嬉しいです。後は、皆様の良心にお任せ
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