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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。
昨日は、
“理性価値”と“感情価値”の対比から、
“価格だけではない価値をどう創出するか?”
換言すると、
他社より仮に値段が高かったとしても、
“お宅から買いたい”
“お宅にお願いしたい”
というように言っていただけるような価値を
どう生み出すか?
について、1つの考え方をお話をさせて
いただきました。
本日の視点は、それとは少し逆行するように
お感じになるかもしれませんが、
“昨日の考え方と今日の考え方と、どちらが
自社の今後の戦略としてフィットするか?”
という観点から、読んでいただければと思います。
私が前職時代からやっていた、
“付加価値向上研修”
における2つ目のお題は、
“如何に販売金額を下げながら、付加価値
(粗利)を維持・向上させるか?”
というものです。
“販売金額を下げながら、付加価値(粗利)を
維持・向上させるって、、、意味が分からない”
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これ、決して誤字脱字ではありません。
この視点を検討するにあたっての最大の
ヒントは、
以前、このメルマガでお伝えした、
私の引越屋時代の経験に在ります。
繰り返しの話になってしまいますが、
“介護保険外サービスの充実”
というテーマを頭の中に置きながら、、
今一度、お読みいただきたいと思います。
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関西で引越事業を営んでいた30代の頃、
私は、とある場所において、
当社の引越を凄い気合で値切り倒して
いたある奥様が、
最高級のカーテンを、
100万以上の価格で発注しているのを
目の前で目撃しました。
唖然とする私を尻目に、
偶然目線があったその奥様は、
半ば言い訳めいたように、次のような言葉を
私に投げかけました。
“だって、カーテンは、未来の生活に夢を
与えてくれるんですもの、、、”
私はこの言葉を聞き、
脳天を思い切りハンマーで殴られた
ような衝撃を受けました。
そして、この事実が、私たちの事業の
在り方を根本から見直す契機になった
のです。
ちなみに、当然ですが、
“カーテンに100万払うなら、引越代
ぐらい払ってくださいよ!
皆さんの大切な生活道具を運ぶ仕事なん
ですよ!」
と、この女性に対して憤りを感じた訳では
ありません(笑)。
私たち、サービスを提供する側と、顧客の
感情との間の
“ギャップ”
をまざまざと感じ、
その落差に衝撃を受けたのです。
「そうか!引越にお金を使うなんて、
この方々にとっては夢がないことなんだ!
自分は、お客様にとって
“夢を感じられない”
サービスに、お金をしっかり払ってくれ、
と言っていたのか」
「自分は、
“うちは引越屋だ”と
思っていたから、
引越代金をどういただくか、
しか考えることが出来なかった。
うちにとって引越はど真ん中のサービス
だけど、
お客様にとってみれば、引越は、
“過去”と“未来”の分岐点、
というより、
どちらかと言うと、過去に近い方に
位置付けられているんだ。
だから、そこにお金をかけたいと
思えないんだ。」
顧客視点で自社サービスの立ち位置を
理解した私は、
横でカーテンを売っている担当者の
顔をぼんやり見つめながら、
ふと、ひらめきました。
「なるほど、、、、ならば、うちは、
荷物を運ぶだけではなく、
引越を分岐点とした、
“過去の整理のお手伝い”
“未来の夢づくりのお手伝い”
の領域までサービスメニューを増やして
みてはどうだろう?
それが出来れば、これはすごく面白い
ことになるかもしれない。
もし、引越の前後のサービスを充実
させることができれば、
逆にそこで利益が生まれ、
安くするどころか、
“付帯サービスで十分代金をいただいて
いますので、引越代金は要りません”
と言えるかもしれないぞ。
これはすごい差別化につながるん
じゃないか」
そう思った私は、翌日、
横にいたカーテン屋さんや家電店
さんに業務提携の話を持ちかけ、
「今後、引越のタイミングでカーテンや
家電の買い替えニーズが生まれたら紹介
するので、
成約したら紹介料をくれないか」
と交渉し、
様々な会社と提携を結びました。
そこで、それ以降、
主に、新築の家に引越をするお客様等に、
「正直なところ、未来の夢が買えない引越
代金にお金を使うなら、家電や家の装飾品等に
お金をかけたいですよね。」
「でも、うちとしては引越のプロの作業員を
配置しますので、安易に値引きは出来ないん
です。」
「そこで、一つ、提案があります。
実はうち、一流の家電店の○○や
カーテン屋さんの○○と業務提携して
おりまして、
もしここで気に入った物品を購入いただければ、
ぶっちゃけ、ここからうちに紹介料が入ります。
(ここは、正直に話すことがポイント)
その紹介料の分だけ、うちはお客様の引越代金を
合理的に値引くことが出来るんです。
もしどこかでカーテンや家電を買おうとお考え
だった場合には、
当社で購入いただいた方がお客様にとっても
メリットがありますよね。
また、普通だったら、
引越は引越屋、
家電は家電屋、
カーテンはカーテン屋、
というように、バラバラにお客様が手配しなければ
ならないと思いますが、
うちで購入いただければ、配送日や配送時間等、
全部うちが調整して、引越当日、一緒のタイミングで
お持ち出来ますので、
お客様にとっても楽だと思います。
私たちは引越屋ですが、
引越作業の質を低めることなく、
お客様の引越代金を合理的に下げるお手伝いを
したいのです」
これ、お客様にとっても、当社にとっても、提携
業者にとっても、
誰にとっても悪い話ではないですよね。
「それだったら、どうせ買い換えようと思って
いたから、家電やカーテンは全部、お宅から
買うようにするわ」
そうおっしゃっていただける方が沢山出てきて、
沢山の物品を購入いただき、
結果、引越代金以上に大きな金額が、
1件の引越から入ってくるようになりました。
例えば当時、4tトラックで作業員4名の引越は
10.5万円だったのですが、
カーテンや家電などの大型物品を購入いただく
ことにより、
引越代金+紹介料の合計で、
20万~30万、多い時には50万ぐらいの売上が
立つようになっていったのです。
そして、お客様は、引越代金は
“差引0円”
で済む、という、いわゆる
“0円引越”
現象が続出し、
お客様にもとても喜ばれるサービス
モデルを確立することに成功したのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・・・・・
如何でしょうか?
これ、前々回のメルマガでお話した、
“自社は何業なのか?”
という話について、異なる切り口から説明を
したもの、
とも捉えることが出来るかもしれません。
この衝撃を受ける前、
私は、私自身の事を、
“引越屋”
だとしか思っていませんでした。
しかし、“引越屋”ではなく、
“引越を分岐点として、過去の整理のお手伝いと
未来の夢のお手伝いをする仕事”
だと捉えなおした途端、
自分たちを取り巻く環境は、大きく変わりました。
是非、この事例をなぞらえながら、
あらためて、前々回の
“自社は何業?”
についても思い出しながら、
自社の今後について考えてみても
いいかもしれません。
ひょっとすると、そんなところから、
新たなブレイクスルーが生まれるかも
しれませんね。
以上、何かのお役に立てれば幸いです。
今日は、朝一番の新幹線で東京へ移動し、
打合せ&デスクワークです。
皆さんは今日、どんな1日を過ごされるので
しょうか?
では、今日も1日、互いに頑張ってまいり
ましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
※
私はインパクト及び競争力を高めるため、
“0円引越”という切り口で打ち出して
いきましたが、
決して自社のメインビジネスを0円に
しなければならないor値段を下げなければ
ならない、
という話ではないことも、
念のため、付言しておきます。
皆様の頭の中をより柔らかくするための
一助として、
是非、このような考え方があるんだ、という
感覚で捉え、
事例の裏側にあるコンセプトを吸収・活用
していただければ幸いです。
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それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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します。また、その際は、「介護経営エナジャイザーの原田匡によると」
と一言付け加えていただければ嬉しいです。後は、皆様の良心にお任せ
します。
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