“社員は家族”を行動で示した経営者。

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(シー・ビータッグ)の原田匡です。

先日、ある介護事業者の経営者とお話
した際に、

“社員は家族”

という言葉を聞きました。

私には、この言葉を聞くと思い出す、

ある経営者のエピソードがあります。

その経営者とは、山之内製薬(現:アステラス
製薬)の創業者、山内健二氏。

10年以上前に聞いたこのエピソードですが、

何故か、今でも私の心の中に強く残っています。

今日はこのエピソードを是非、皆様へ共有させて
いただきたいと思います。

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当時、山之内製薬に勤めてまだ間もなかった、

新入社員のA氏は、

27歳になったばかりの最愛の兄を無くし、

深い悲しみに沈んでいました。

しかし、沈んでばかりもいられず、

A氏は、残された母と二人で、

泣く泣く葬儀の準備を行うために葬儀屋へ
出掛けます。

しかし、葬儀屋からは、

“棺桶がないので葬儀を行うことが出来ない”

との想定外の返事。

当時は空襲の最も激しい時であり、

材木がほとんど手に入らない状態だったそうで、

「材木さえ持って来ていただれば棺を造ります」

と断られてしまったそうです。

途方に暮れるも、亡くなった兄の為にも葬儀を
行わない訳にはいかない、と思い直し、

心あたりを一日尋ねて廻ったのですが、

残念ながら、入手はやはり困難な状況。

その時、勤務していた山之内製薬の本社前の
空地に、

建物を解体した古材木があったことを思い出し、

翌日の朝、A氏は自転車にリヤカーをつけ、
会社前の空き地に向かいました。

そして、古材木を積む作業を開始。

誰のものか分からない古材木。

ひょっとすると、誰かが何かのために置いていた
ものかもしれません。

しかし、兄の為にどうしても材木を集めたかった
A氏は、

ビクビクしながらも懸命にリヤカーに材木を積もうと
していました。

すると、本社の方から、

“そこで何をしている?”

という声が聞こえてきました。

驚いて振り向くと、その声の主はなんと、

山内社長。

一瞬、凍り付くような気持になり、

“まずい”

と思ったものの、逃げ場もありません。

直立不動で固まってしまっているA氏の
様子を見た山内社長は、

「お前はうちの社員じゃないか?

休日にリヤカーを引っ張って、一体何をしている?

それに、大分疲れているようだが・・・」

と優しく声をかけてきました。

その柔らかな声に今までの緊張が一挙に崩れ、

A氏は不覚にも涙を流し、泣き崩れてしまいます。

その後、ようやく気を取り直し、

兄が最近亡くなったこと、

納棺するための材木がなかったので、

やむを得ず空き地にあった古木材を勝手にだが
いただきに来たこと、

を話します。

誰のものか分からないものを、山之内製薬の社員が
日曜日に勝手に持ち運んで帰ってしまった、

ということがもし明るみになれば、

ひょっとすると、

“山之内製薬の社員は泥棒だ”

というレッテルを貼られかねません。

“絶対怒られる”

“最悪、首になるかもしれない”

そう思いながら、A氏はドキドキしていました。

しかし、その事情を聴いた山内社長は、

怒るどころか、A氏に近づき、

そっと肩に手をかけながら、

“そうか、大変だったな”

と慰めつつも力強く励まされ、

なんと、A氏と一緒に古材の山の中から、

特に使えそうな新しい平板や角材を選んで
リヤカーに積むのを手伝おうとしてくれます。

驚いたA氏が固辞するものの、

“お前の姿を黙って見ていられる訳がないだろう。

大丈夫、もし持ち主が現れて、材木を持ち帰った
ことに抗議を唱えてきたら、

共犯ということで、俺が責任を持って代金を
払ってやる“

と言って聞きません。

しばらくしてリヤカーには山ほどの古材が積まれ
ました。

“あぁ、これで兄を納棺できる”

そう思ったA氏は社長に心からの感謝を述べ、

母が待つ自宅へ帰ろうとします。

しかし、山内社長はA氏に、

“ちょっとついてこい”

と言い、当時、二階にあった社長室へA氏を
招き入れようとします。

初めて入る社長室にドキドキしつつ、

部屋に入ると、

社長は自らA氏にお茶を入れ、

飲むようにすすめてくれたそうです。

そして、お茶を飲み終えた後、

山内社長は机の上に真っ白な紙を広げ、

上着のポケットから取り出された札入れを
逆さにして、

紙幣や硬貨を全部出すと丁寧に紙に包み、

「これは少ないが、仏前へのお供えと何かの
足しにしなさい。」

と言いながら、A氏に渡そうとしてくださった
そうです。

驚きつつもA氏は固辞しようとしますが、

構わず両手で無理やり手渡され、

「これからは亡兄の分まで元気で長生きし、

母を大切に、一生懸命頑張るように」

と重ねて励まして下さった、というのです。

おかげで無事に亡兄の野辺の送りを済ますことが
できたA氏は、

後年、次のように語ったと言います。

「この時飲んだお茶の熱くおいしかったことと、

社員の悲しみをともに悲しんでいただいたこと、

力強く励ましていただいたことなど、

昨日の出来事のように有難く想い出す。

私の青春時代の悲しい想い出の中でも、

山内社長の恩情は生涯忘れ得ない想い出として
残っている。

この社長のご厚情に、何としても報いたい。

その気持ちがあったからこそ、私は定年まで頑張って
これたのです。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・・・・・

如何でしょう?

とても素晴らしい話だと思いませんか?

昔の日本には、このような経営者が沢山いたので
しょうね(勿論、今もいるのでしょうが)。

私からのこれ以上のコメントは控えさせて
いただきますので、

是非、様々なことを感じていただければと
思います。

以上、何かのお役にたてれば幸いです。

今日は東京都内でセミナー。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるの
でしょうか?

では、今日も1日、互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
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