おはようございます、
(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。
今、このメルマガを書いている23日(水)
23時半の時点において、
24日(木)の関東地方では、多くの地域での
降雪が予想されています。
関東の方は、今週初めに私がご訪問させて
いただいた北海道の方とは違い、
雪慣れされている方など殆どいらっしゃらない
でしょう。
該当地区の皆様、通勤や送迎等、くれぐれもお気を
付け下さいませ。
では、本日のメルマガに入らせていただきます。
今日の視点──────────────────────────────
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■■これで本当に9000円もらっていいの?
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●先日、異業種(外食産業)から介護業界に参入され、デイサービス経営を頑張っていらっしゃる中国地区の経営者(A社長)のお話を聞かせていただいていた際、思わず「それは素晴らしいですね」と大きく頷いてしまったお話がありました。私自身もセミナー等の場で似たような話をさせていただくこともあるのですが、現在進行形で実際に取り組んでいる経営者の話を聞くと、やはり迫力が違うように感じます。今日は、この時にうかがったA社長の話と取り組みを皆様にも共有させていただきます。“これで本当に9000円もらっていいの?”という話についてです。
●前述の通り、A社長は現在、デイを行っていらっしゃるのですが、介護事業を経営し始めた当初、真っ先に感じた違和感は、「この程度のサービスで本当に、1日9,000円ももらっていいの?」という感覚だったそうです(彼が経営している通常規模・7時間以上9時間未満・要介護3の場合のデイ単価(898単位)を用いて象徴的にお話をされています)。彼の経営するデイは7.5時間。単純計算すると、1人あたり、時間給1,200円をいただくサービス提供を行っていることになります。それが、例えば1日20名集まっていただいたとして、仮に要介護3の単価で考えると、1日あたりの売上は9,000円×20名=180,000円。そして、その場に5名のスタッフがいたとすると、人時売上高(=一人の職員が1時間で売り上げる粗利高。外食事業や小売業等で多く使われている指標)は何と、180,000円÷(7.5×5)=4,800円にもなる訳です(前述の通り、通常は粗利を基準に計算しますが、介護事業は粗利がほぼ100%と考え、そのまま売上高を基準に計算しています)。その上で、「果たしてうちの職員は、1時間あたり4,800円いただけるだけの専門性の高いサービスをしているのだろうか?」と考えた時、「ちょっとドキッした」とのことでした。
●ちなみにその感覚は、ケアサービスだけに留まりません。例えば昼食代を考えた場合、A社長の会社は450円と比較的安価に提供しているのですが、他事業所を見回すと600円、650円の価格帯が当たり前。中には800円のところもある中で、その料理の質を見た時に、「世の外食業界のランチと比較した場合、失礼ながら、どう考えても、これだけの単価をいただけるようなメニュー・代物ではない。何でこんなことが成り立つの?」と衝撃を受けてしまったそうです(外食という競争の激しい熾烈な業界で鍛え上げられた方からすれば、その驚きは十分に理解できるところです)
●A社長が言わんとすることは、皆様なら既にお分かりかと思います。要するに、「一概に並べて比較は出来ないものの、例えば他業界、主にサービス業と比較した場合、我々は本当に価格に見合ったサービスを提供しているのだろうか?制度に甘えすぎていないか?」という問題提起なのでしょう。その上でA社長は、「自らのサービス単価に見合う、或いはそれを遥かに超えるサービス」を実践するために、上記数値を用いながら、職員と定期的に話し合いを行っているそうです。更に、A社長の話は続きます。
●「やはり、1割負担、というのがこの業界のサービスレベルを低めてしまっている最大の阻害要因だと思いますが、とはいえ、それは国策なので、私がどうのうこうの言っても始まらない。では、どうするか、と考えれば、これはもう我々が職員と共に“これだけのお金に見合うだけの価値あるサービスを提供しているか”ということを日々、自分自身に問い続け、その継続の中から自らの潜在意識にすりこむしかないのじゃないか、と私は思います。例えば当社では、毎朝の朝礼の中で、当日のご利用者の確認をする際に、要介護度ごとにご利用者の名前を挙げ、“この各々の方から本日、幾らのお金をいただくことになるのか”そして最後に、“本日一日で合計幾らのお金をいただくことになるのか”について、敢えて確認するようにしています。開始した当初は職員から反発や戸惑いの声も聞かれましたが、最近では“○○さんからは今日1日で、~円もいただいている”というのが記憶にすりこまれたようで、仕事に向き合う気持にも少しづつ変化が出てき始めているように感じます(実際に職員の方の発言が変わってきているそうです)。お金の話はタブーのように言われがちなこの業界ですが、私はビジネスとしてもっと当たり前に、そしてポジティブに我々経営者が語るべきだと思います」・・・・・・
●A社長の素晴らしいところは実際に感じた違和感、ギャップを埋めるべく、具体的に現場の習慣・考動を変えようと“仕組み化”を試みているところだと思います。もし仮にA社長と同様の感覚をお持ちの皆様は、このA社長の取組を参考に、自分なりのアイデアを考えてみては如何でしょう?一度、時間を取ってみるだけの価値はあるかもしれませんね。
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以上、何かのお役に立てれば幸いです。
今日は、東京都心で打合せ&デスクワークの後、
明日の予定に備え、大阪へ入ります。
その後、吉野(奈良)→松山(愛媛)→宇和島(愛媛)→東京、
と、週末日曜日まで出張です。
ちなみに今回の出張の中では、とあるプロジェクトの取材の
ため、
ご利用者のご家族向けのインタビューも行わせていただく予定。
デイサービスの経営から離れて以降、
ご家族とお話する機会はほぼなかったので、
何だか、今からとても楽しみです^^
皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?
では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。