[ケアビジネスSHINKA論 Vol.642]

ニチイ学館の中間決算報告。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ 代表の
原田匡です。

先日、ニチイ学館に関する、

少々驚きの内容の記事が出ていましたね。

いろんな捉え方があると思われ、

その意味では、思考を深め、学びや気付きを
得る一つの材料として、

是非、皆様にも内容を共有致したく、

本日のメルマガでご紹介させていただき
たいと思います。
(公に発信・開示されている情報ではあるものの、
当然ながら、一企業の業績悪化を知らしめる目的で
取り上げている訳では決してないこと、あらためて
ご確認・理解下さい)

東洋経済オンラインからの抜粋です。

“ニチイ学館、介護最大手が赤字転落する理由”

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介護事業で最大手、ニチイ学館が今期業績予想を
大幅に下方修正した。

11月10日に発表した2016年3月期の連結決算
予想によると、

通期の経常利益は、従来の61億円の黒字から、

24億円の赤字へと転落する。

同社の連結経常赤字は、2001年3月期以来、

何と15年ぶりのことである。

中国事業の本格稼働遅れの影響もあるが、

最大の要因は、人手不足による、

主力である介護事業の不振だ。

高齢化によって介護需要の増加が続く中、

今期は介護人材の不足によって利用者数の
減少が続くという、

異例の事態となっていた。

今年4月、

支店体制の見直しによる人材確保策を
打ったが、

その効果発現が想定より遅れたため、

今回の下方修正につながった。

人手不足は業界全体の課題になっている。

が、上場企業の介護事業大手で赤字転落と
なるのは、

ニチイ学館だけ。

なぜ同社だけがここまで厳しいのだろうか。

一つの理由は、

他社が有料老人ホームなどの施設系やデイサービス
などの通所系を主力としているのに対し、

ニチイ学館が訪問介護を中心としている点にある。

施設系や通所系なら、未経験の新人介護職員でも、

先輩のサポートを受けながら即戦力になりやすい。

だが、利用者宅内で、1人で介護サービスを行う
ことも多々ある訪問介護では、

より熟練した人材が求められる。

そのため、人材確保のハードルがより高くなる。

もう一つ、大きな理由がある。

それは、自社の介護資格講座の受講生を人材の
供給元としていたが、

この受講生が昨今、大幅な減少となっていた
ことだ。

きっかけは2013年4月に実施された、

介護資格の制度変更である。

従来の介護資格の入り口となるホームヘルパー
(2級)が、

初任者研修というものに代わった。

受講の総時間は変わらないが、

学ぶ内容が高度になったほか、

試験に受からないと資格取得も不可能に
なった。

これに伴って、介護資格講座のコストも
アップし、

受講費用が従来の10万円弱から約16万円
に値上がり。

その途端、受講生の減少が始まった。

業績悪化を受けて、

ニチイ学館は2015年8月~10月末、

初任者研修講座の受講費用の半額キャンペーン
を断行。

受講生は増加に転じたという。

加えて、今春に行った、支店における資格講座
事業と介護事業の統合の効果も手伝い、

「第4四半期をメドに、介護事業の収益は底を
打つ見込み」(ニチイ学館)

だ。

大手の赤字転落は珍しいが、

中堅中小介護事業者の倒産は増えている。

東京商工リサーチによると、

2015年1~9月の介護事業者の倒産件数は
57件にも上り、

2014年を上回って過去最高となった。

その最大の要因は、ニチイ学館と同じく、

介護人材不足による業績悪化だ。

さらに、2015年4月に行われた3年に1度
の介護報酬改定は、

9年ぶりにマイナスの改定率となったが、

その影響も否定できない。

もともと労働市場における、介護職の地位向上を
目指して、

資格制度の拡充を行った厚生労働省。

だが、皮肉にもそれが介護資格受講者の
減少につながった。

安倍晋三政権の掲げる、

“介護離職ゼロ”

目標にも、今や逆風となりつつある。

※引用元サイト

http://toyokeizai.net/articles/-/92720?page=2

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“受講費用の半額キャンペーン”

は、確かに効果的な対応策かとは
思いますが、

このような事態に陥った真因は一体
どこにあるのか?

経営者・経営幹部の皆様としては、

一つのケーススタディとして、

幹部の皆様と共に、

一度、社内で仮説検討してみてもいい
かもしれませんね。

業界のトップランナーとして、

ニチイ学館様の今後の業績回復を心より
お祈り申し上げます。

以上、何かのお役にたてれば幸いです。

今日は、午前中は打合せ。

午後は、名古屋市内でセミナーです。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。