おはようございます、
(株)ケアビジネスパートナーズ 代表の
原田匡です。
新・三本の矢の一つ、
“介護離職ゼロ”
について、
新たな動きが始まりそうですね。
ご存知の方も多くいらっしゃるかと存じ
ますが、
念のため、皆様に共有させていただき
たいと思います。
“特養、都市部で増設へ賃貸物件も
厚労省方針”
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厚生労働省は2016年春に特別養護老人ホームを
借りた建物で運営することを認める方針だ。これまでは運営主の社会福祉法人が建物をもつ
必要があったが、高齢者が増える東京都など都市部に限って規制を
緩める。地主が特養を建てて丸ごと社福法人に賃貸する
仕組みを認め、増設を促す。安倍晋三首相はアベノミクスの
“新3本の矢”
の一つの柱として家族の介護で仕事を離れる
“介護離職”
をなくす目標を打ち出しており、
その具体策の目玉となる。
政府は今月末、年齢や性別を超え誰もが活躍できる
“一億総活躍社会”
の実現に向けた緊急対策をまとめる。
賃貸物件での特養運営は厚労省が対策の原案に
盛り込む。特養ホームは介護保険を使えば少ない自己負担で
手厚い介護を受けながら生涯住める施設。人気が高く、入所を待つ
“待機老人”
は都市部を中心に全国で約52万人いる。
問題の一つは、厳しい規制だ。
特養を運営する社福法人は土地は借りられるが、
建物は自ら建てて所有する必要がある。
ただ人件費や資材価格の上昇で建設費の負担が
膨らんでおり、社福法人は傘下の特養を増やしにくい。
厚労省はこのままでは待機老人も減らないと判断し、
規制を緩める。
今後、具体的な規制緩和の条件を詰め、
16年春に社福法人の認可基準を見直す通知を出す。
対象は東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県のほか、
愛知県や大阪府など地価が高く空き地が少ない
都市部だ。新しい社福法人が最初から建物を借りて参入する
のは禁止する。都市部の特定地域以外での規制緩和もしない。
自前の建物で運営する施設のほうが、
経営の継続性が保てるため好ましいという
原則は維持する。東京都は賃貸物件の特養を認めるよう国に求めて
きた。地主が建物をつくって一体で社福法人に貸せば
土地だけを貸すよりも賃料収入が増える。社福法人にとっても初期投資が減る。
結果として
「特養の整備が大きく進む可能性がある」
(東京都施設支援課)という。
有料老人ホームなど他の介護施設は、
賃貸物件での運営が認められている。
東京都が補助金を出す介護施設の約半数は
地主が建物をつくり、土地ごと貸し出す仕組みだ。
厚労省は介護職員の人手不足の対策も進める。
賃金表をつくったり、定期的に研修を行うなど、
介護人材の定着に取り組む施設への補助金を
手厚くする。また離職する介護職員が望んだ場合は氏名などを
登録する人材バンクをつくり復職を促す。介護ロボットの開発や導入に助成金を出して、
職員の負担も和らげる。
全国の特養ホームの利用者は14年度の実績で
月54万人。厚労省は今年4月、25年度までに74万人分の
特養ホームをつくる計画をまとめていた。規制緩和と人手不足対策で計画を数年前倒し
して、安倍晋三首相が掲げる
“20年代初頭に介護離職ゼロ”
を目指す。
福祉医療機構によると首都圏の特養の建設費は
14年度の平均で14億円と、前年度から13%上がった。
社福法人の初期投資の負担が膨らんでおり、
整備の障害になっていた。
※引用元サイト
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http://www.nikkei.com/article/DGXLZO93796680Z01C15A1MM8000/
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とても合理的な判断ですよね。
一方、この記事の中で踏まえておいた方が
いいかもな、
と個人的に感じたのは、
“厚労省は今年4月、25年度までに74万人分の
特養ホームをつくる計画をまとめていた。
規制緩和と人手不足対策で計画を数年前倒し
して、
安倍晋三首相が掲げる
“20年代初頭に介護離職ゼロ”
を目指す。”
という部分のくだりです。
世の中の空気感としては、
“計画の上方修正”
という部分がクローズアップされている
印象を受けますが、
厚労省としては、現時点ではあくまでも
“計画の前倒し”
と位置づけている、というところです。
(=長期的には総量は変えない、変えたくない
という意思の表れ?)
後出しじゃんけん的な話で恐縮ですが、
先日、とある社福の理事長と、
「原田さん、どう思います?
特養を増設する、という動きは、
“社会保障費全体を考え、介護分野では特養を
やみくもに増やすのではなく、中間施設や
居住+在宅を強化する”
という従来の方向性とは逆行してしまいかね
ませんよね」
「いや、短期間で見れば確かに“計画以上の
上乗せ増設”となるかもしれませんが、
単なる前倒し、例えば、
“2025年度の最終目標整備数は変えずに計画を
前倒しする”
という理解の仕方もありますよね。
将来的には変わるかもしれませんが、
現時点において、全体的に帳尻が合う考え方
としては、
私、こっち(=前倒し&総整備量は変えず)じゃ
ないかと思うんですよ」
という会話をしたばかりでしたので、
余計にこの部分に敏感になっているのかも
しれません。
先ずは1都3県で増やす、というけれど、
本当にそれが、
“介護離職ゼロ”
実現にダイレクトに効果を発揮する有効な方法
なのか?
(≒首都圏に親を持つ方々の介護離職が多い、
というデータを踏まえての動きなのか?)
等々、別の切り口での疑問も個人的には残った
ままですが、
ともあれ、何も動かない、何も施策を講じないよりは、
間違いなく何かが前進すると思いますので、
その意味でも、今後の動きもしっかりと追いかけて
いきたいと思います。
何か感じるところがあれば、また皆様にもご報告
させていただきますね。
以上、何かのお役にたてれば幸いです。
今日は、都心での打ち合わせを経て、
明日のセミナー場所の札幌へ移動します。
皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?
では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。