おはようございます。?金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
気がつけば新年まで残りわずか、これが今年最後のメルマガの日となりました。
変わらず多くの方にご愛読いただき、またご感想やご相談などお寄せいただき、本当にあり
がとうございます。
今年最後のメルマガは、これまで採り上げてきたトピックを振り返りつつ、来年(近未来)
について考えてみます。
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■■今年を振り返り、来年を考える
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◆介護業界だけに限りませんが、一年を通して目や耳にしたトピックと言えば、止まらない
物価高騰とそれに追いつかない賃上げの実態でしょうか。
つい最近のニュースですが、政府は補正予算や次期改定の前倒し議論(処遇改善の追加措置
など)を通じて支援の姿勢を見せています。
毎年のように議論され、そして難航してきた基本報酬の増額。
「やった賃上げだ!」ではありますが、内容を見るとこれらは「救済」ではなく「延命措置」
に過ぎず、またしっかりと要件(条件)も示されています。
「国がなんとかしてくれる」という受動的スタンスのままでは、受け取ることができる恩恵
は限定的となります。
◆「霞が関」の動きについて。
よくお話ししますが、情報の偏りを防ぎ可能性を探るために、厚生労働省だけでなく財務省
の動きもチェックします。
財務省の財政制度等審議会では、令和9年度(2027年度)の報酬改定を見据え、以下のよう
なシビアな提言が繰り返されています。
『利用者負担「原則2割」の対象拡大』
『ケアマネジメント(ケアプラン)の有料化』
『軽度者(要介護1・2)の総合事業への移行』
時期改定から見送られそうなものも含みますが、これらは「財源がない」という理由の一点
張りではありません。
現役世代の社会保険料負担が限界に達している中、「介護サービスが本当に成果(自立支援)
を出しているのか?」という対価に対するエビデンスを業界に対して厳しく問うています。
介護現場からは「これ以上の負担増は顧客の利用控えを招く」「人材確保にはさらなる処遇
改善が不可欠」など悲痛な声が上がっていますが、もはやそういった感情論だけでは国を動
かせないフェーズに入っています。
◆次に、喫緊の課題である労働力不足の問題と、来年のキーワードとなりそうな「生産性」
について。
少子高齢化が進む我が国において、介護業界が直面しているのは単なる「人手不足」ではあ
りません。
労働力人口そのものの消滅危機です。
そのような環境下において、令和9年度の改定に向けて私たち業界に求められているのが
「生産性向上」と「科学的介護」の完全実装です。
国の考えとして、これまでの汗と涙と長時間労働で支える介護のままでは社会全体の持続
可能性を損なう要因になり得る、とは言い過ぎでしょうか。
『テクノロジー(ICT/ロボット)による業務効率化』
『LIFE(科学的介護情報システム)を活用したアウトカム(成果)の創出』
『外国人材や高齢者雇用の適切なマネジメント』
これらを面倒な加算要件と捉えるか、生き残るための必須インフラと捉えるか。
この意識と取り組みこそが、今後の明暗を分ける差となりそうです。
◆来年、2026年(令和8年)は、次期改定に向けた議論が本格化する「決戦の年」です。
今年最後のメルマガをいいことに偉そうに申しますが、霞ヶ関での議論内容を見るにつけ、
地域になくてはならない事業所以外は退場を迫られる時代が来るのではと感じています。
DXを拒み続ける事業所、職員の賃金を上げる努力を怠る事業所、なんとなく運営している
事業所には救いの手は差し伸べられません。
逆に言えば、この流れを理解して取り組みに活かすことで、日頃の事業運営が正当に評価
される「好機」とも言えます。
年末年始、少しだけ立ち止まって考えてみようと思います。
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改めまして、今年も本当にありがとうございました!
SHINKAにつながる文章が書けているのかどうか。。
私自身も現場運営を通じて、また学びの時間や機会を通じてSHINKAを目指します。
来年が皆さんにとって、そして業界にとって素晴らしい一年となりますように。
どうぞ、良いお年をお迎えください!