[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2458]

例えば“空気感”の醸成に貢献しているであろう、一つの事例をご紹介します。

おはようございます、

ケアビジネスパートナーズの原田です。

今日は、2023年1月17日。

私にとっては、忘れることの出来ない日です。

今から28年前に起こった、

阪神淡路大震災。

多くの方を瓦礫の中から引っ張り出したり、

先輩後輩含め、近しい友人が一気に10人も
亡くなったことは、

今尚、色褪せない記憶として残っています。

勿論、365日中それらのことを思い出したり、

考えたりしている訳ではないですが、

せめて今日ぐらいはあの日のことを思い出し、

亡くなった方々のご冥福をあらためてお祈りすると共に、

今、こうして生きていられることが決して

“当たり前”

ではないことをしっかりと自覚し、

生きていること、それだけに感謝しつつ、

一歩一歩、前へ進んでまいりたいと思います。

・・・・

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

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■■例えば“空気感”の醸成に貢献しているであろう、一つの事例をご紹介します。
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●先日のオムロン太陽視察ツアーにおいて、「創業から50年が経過した今尚、創業当時と
同じ精神を維持し続けることが出来ているのは一体何故なのだろう?」と湧き上がってき
た疑問に対し、様々な要素があろうものの、

●「しっかりと理念に立脚した、それでいて既に日常風景になっており、極めて自然でさ
さやかな“実践”が積み重ねられてきた中で生まれた“空気感”こそが最も重要な要素なので
はないだろうか」とお伝えさせていただいた昨日のメルマガ(あらためて読むと日本語的
に分かりづらい表現でしたね、大変申し訳ございません(汗))。

●その後、昨日の午後、東海地区の福祉経営者様より、「確かに言葉では表現しづらいの
かもしれませんが、是非、努力をお願いします(笑)。例えば具体的に、どんなことなの
でしょう?事例が何かがあると分かりやすいと思うのですが、、、」と、極めて“ごもっと
も!”と感じるコメントをいただく機会がありました^^

●例えば一つの事例として、私が工場を拝見する中であらためて“凄いな”と感じたことを
ご紹介しますと、麻痺等で片手が不自由な方が「箱折り」という業務を行う中での工夫に
ついて。

●箱折りというのは通常、両手を用いて行うことが一般的であり、片手だけで折ろうとす
ると、両手を用いた場合に比べると優に“7倍”“8倍”という時間がかかってしまいます。

●“生産性”という、事業において極めて重要な観点から考えた場合、通常ならば「この
“箱折り”という仕事は、片手が不自由な方には難しい。やはり、両手が使える方に担って
もらうのが適切だろう」と考えるのが極めて自然なことなのでしょう。しかし、オムロン
太陽はそうは考えない。

●「人に問題があるのではなく、環境やツールに問題があるのではないだろうか」「“片手
しか使えない”と失われたものを数えるのではなく、“片手は不自由かもしれないが、それ
でももう一方の片手は使える”と残されたものを最大限に活かすことは出来ないだろうか」

●そんな想いのもとで試行錯誤を重ねた結果、同社はなんと、片手でも箱を迅速に折るこ
とが出来るような治具を自社内で開発。その結果、両手を用いても8秒かかっていた箱折
りが、治具を使うことで片手でもなんと“3秒”で出来るようになったそうです(8÷3=
約2.7倍の生産性向上ですね^^)。

●また、その治具が出来たことにより、今度は両手が使える方にとっては同時に2つの箱
を折ることも可能になる。結果、8÷3×2=5.3倍となり、現場業務の生産性は飛躍的に改
善された・・・・同社ではそのような取り組みが極めて自然に、日常風景として“当たり前”に
行われています(正に“ユニバーサルものづくり”ですね)。

●・・・・さて、上記事例、皆様はどのようにお感じになられましたでしょうか?「できない
ことがある人がいてくれるからこそ生まれる“生産性向上”がある(工場見学中に伺った、
オムロン太陽・辻潤一郎社長の言葉)」・・・・

●少しでも心に引っ掛かりを感じていただけた方は一度、時間を取り、その視点であらた
めて自社を見つめ直してみていただいても有意義かもしれませんね(障がい者だけに留ま
らない、高齢者も、“健常者”と呼ばれる誰にもに当てはめることが出来る話として^^)。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、午前中は3件のオンラインミーティング。

午後は名古屋市内に手リアルのミーティングを行った後、

今度は明日の仕事場である北海道・札幌へ向かいます。

皆様は本日、どのような1日をお過ごしになられるのでしょうか?

では、互いに充実した1日となるよう、今日も共に頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。