真面目で一生懸命な経営者が陥りやすい落とし穴(2)

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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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本メールは名刺交換、セミナー、問合せ等を通じて原田匡と接点があった
介護事業者及びその関連の方々に送信させていただいております。
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。

昨日は、経営者やリーダーにとっての

“悩みの種”

職員に対する考え方や姿勢について、

お話させていただきました。

今回は、この問題に対する、経営者やリーダー
としての対応方法について、

私見も含めて考えてみたいと思います。

そもそも企業と職員は、

数ある事業者の中から、また、互いのタイミングが
合致する中、

天文学的な確率の元、奇跡的な縁の中で巡り会って
います。

それらを前提とした場合、

先ず、どんな状況であろうとも、職員との関係を

“ぞんざい”
“いい加減”

に扱ってはいけない、と私は思っています。

企業が職員を軽視して認めようとしなければ、

決して職員も企業のことを認めようとせず、

そもそも建設的な話し合いすら実現が出来なく
なります。

あくまでも一人の大人として、それこそ、
介護事業でよく使われる「尊厳」を尊重しながら、

話し合いを重ねていく姿勢が不可欠です。

その上で、

「何故、そのような行動をとったのか?」

「今思えば、何がおかしかったと思うか?」

「もし同じようなことが起こった場合、次は
どう行動すれば良いと思うか?」

ということを問いかけ、

出来るだけ自分の頭で答が出せるように話し合い、
というよりも意見交換を進めましょう。

頭ごなしに行動だけを注意しても、何故、その行動が
好ましくなかったのか、という

“気付き”

がなければ、改善につながるはずもありません。

ちょっとした気付きから、行動がガラリと変わる
場合もあります。

経営者やリーダーは、職員の価値観を理解する
ことに意識を傾け、

彼らが何故そのような行動をとったのか?
(=どのような価値観に基づいて行動をとったのか)

について一旦受け入れ、

そして、その価値観と法人が守るべき価値観との
違い・差を明確にし、

理念に基づいた行動を考えてもらい、

次に同じことが起こった場合の自分の対応方法に
ついて鮮明なイメージを持ってもらうことが出来る
ようにサポートをしていきましょう。

その上で、その価値観を肌で理解してもらう
ために、

具体的な「行動」を現場で繰り返し継続しもらわ
なければなりません。

ここ、とても重要だと私は思います。

たとえその場で分かったような発言や素振りが
あったとしても、

本当に分かったかどうか、という、

その人の「内面」までは見ることが出来ません。

その人が本当にその価値観を理解できたかどうかは、
価値観に基づく

「行動」

を起こしているかどうかでしか判断出来ない、という
のが私の考えです。

また、行動を継続していけば、その価値観が自然に
身についてくる、という側面もあります。

その意味では、「行動を見る」ということは、

私たち経営者やリーダーにとって、とても意識すべき
ポイントです。

他方、人間は、誰しも自分なりの価値観を持つことも
当然許されています。

時間を取って何度となく話し合いを続け、それでも
行動が変わらない、

即ち、本人の価値観が変わらない時。

いよいよ、私たち経営者やリーダーとしては、
最終決断を下さなければなりません。

今、このタイミングで、多くの方の頭の中には、

“解雇(クビ)”

という言葉が浮かんでいると思いますが、

やはり、出来れば、自主退職、として収めたい、

というのが多くの方の本音だと思います。

その場合、先ずは、言葉をオブラートに包まずに、
ハッキリと分かりやすく伝えることを私は過去、意識
してきました。

「君とは、今まで○○について何度も何度も話し合い
を重ねてきた。
君も、君なりに頑張ったのかもしれないけれど、
残念ながら、行動を見る限り、会社が求めるレベルに
まで、一向に改善がなされていない。

君のその行動は、私たちの法人の「理念」「価値観」に
そぐわない。

これ以上、改善が実現出来ないのならば、我々としては、
一緒に働くことが難しいのではないか、と感じているし、
その感覚は恐らく君の中にもあると思う。」

文字にすると厳しめに見えますが、

トーンとしては、

音楽性の違い等からバンドが解散する、

というような、

“発展的解消”

に近いイメージ、と言った方がいいかも
しれません。

過去の話し合いが大人同士の話し合いになって
いれば、

自然にそのような空気になっているはずです。

大事なことは、

「価値観が違うからと言って、君の人格を否定
している訳では決してないこと。」

「しかし、企業活動を行う以上、この違いを看過
するわけにはいかないこと。」

この2点です。

そして、その上で、

「出会った者同士として、誰一人、縁があった
職員の不幸を望んでいる訳では決してないこと」

「その職員と同じ価値観で運営されている事業所も
他にあるかもしれず、価値観の合う施設で働いた方が
本人としても絶対に幸せであること」

も同時に伝えます。

要は、その本人が良い悪いではなく、単純に

“ミスマッチ”

なんだ、

“うちのケアスタイルには合わない”

とはハッキリ言えるけれど、

決して、

“君はどこの施設に行っても通用しない”

と言っている訳ではないんだ、

ということです。

そして、その上で、

「君にも相応の準備が必要だろうし、君が、
この施設で頑張ってきてくれたことも事実として
感謝しているから、

その為の期間などについては相談にのる用意が
ある」

「ただし、退職までの期間は、自分の本意ではなく
とも、我々のサービス方針に従って就労することを
約束してほしい」

ことも伝えます。

即ち、

「組織のリーダーと部下(メンバー)」

という関係と、

「自立した大人と大人」

という関係、

その両側面を織り交ぜながら、該当する社員と丁寧に対峙
していくことがとても重要ではないでしょうか。

ちなみに、過去、20年近く経営者として、もしくは経営者の
傍で仕事をしてきた私ですが、

このようなスタンスで話し合いを行った(行ってもらった)
場合において、

「揉めた」

という報告を受けたことは一度もありません。

具体的に記憶をたどると、私自身、自分自身の
会社の中で、過去、3回ほどそのような局面に
対峙した経験がありますし(苦笑)、

別の会社の経営者からの相談は、記憶がある限りでも
10回以上ありますが、

全てのケースにおいて

「迷惑をかけた」

と言って、一定期間後(1~3か月が多い)に退職された、
という結論で着地した、という報告を受けています。
(勿論、私自身もそうです)

また、そのような形で着地した後には、

皆さんのスタンスや想い、時系列での退職者との
プロセスを、

残った職員達にもしっかりと伝えることも必要でしょう。
(人が辞める、ということは、良かれ悪しかれ、組織に
大きな影響を与えますので)

そうすることにより、彼らは、今回の事態について納得し、

「この会社は、厳しいだけでなはく優しさも兼ね備えた
組織だ」

という「緊張」と「安心」の両方を持つようになるはず
です。

そして、その上で、

同じ価値観を持ち、同じ方向を見て努力してくれる
職員を全力で守っていこう、とする姿勢が、

私たち経営者やリーダーに求められてくるのでは
ないでしょうか。

かなり骨が折れ、ストレスが溜まる経験であることは
間違いないですが、

逃げたり、テクニックや言葉に走ったりするのではなく、

心と心で向き合い、しっかり対峙することで、

組織の空気・潮の目が大きく変わることもあります。

ご利用者や家族・同志である職員、自らの使命(理念)
を守るためにも、

先延ばしにせず、覚悟を決めて前に進むことも
時には必要かもしれませんね。

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は久しぶりの、終日デスクワークデーです。

溜まりまくった(苦笑)仕事をこのお盆の時期に
キャッチアップすべく、

その準備を行っていきたいと思います。

では、今日も互いに、頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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