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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
経営に役立つ情報等をお届けします!
(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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本メールは名刺交換、セミナー、問合せ等を通じて原田匡と接点があった
介護事業者及びその関連の方々に送信させていただいております。
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。
今日は、私自身が大きな気付きを得た、ある実話を皆様に共有させて
いただきたいと思います。
話の主役となるA氏は、ヘッドハンティングを受け、ある大企業の
購買責任者に就任していました。
A氏の先ずの任務は、500社を優に超える運送会社との契約関係を
見直し、
物流の合理化、及び社内の管理コスト削減を実現すること。
そこで、現状把握を始めたところ、契約先の中には、
大型トラックを何台も保有している大手企業もあるものの、
大半は運転手一人、トラック一台で操業している零細企業が
ほとんどである、という事実に突き当たりました。
「大手企業に運送を集約すれば取引先の数も集約され、自社の
管理コストも大幅に下がるし、何より自分の仕事もやりやすくなる。」
そう考えたA氏は、大手企業との関係を拡げることに力を注ぎつつ、
1名や2名で運営している零細企業との契約を打ち切ろうと決心します。
A氏は早速契約の打ち切りを伝える為、先ずは約50社の零細企業の
経営者を集め、会議を開きました。
そして定刻になり、集まった経営者の顔をぐるっと見回しながら、
A氏が話を始めようとした時。
とある年配経営者がA氏の方を向いて、いきなりこう切りだしました。
「御社の為に働けることをどれほど感謝しているか、先ず始めにお伝え
させて下さい。。。」
契約を切られる話が始まることを肌で感じていたのかどうかは分かりま
せんが、
「おいおい、話がしにくくなるじゃないか」、
と思いながらもA氏は止む無く、
「どうぞ」
と答えました。
年配経営者は続けました。
「御社のおかげで、私の父は家族を養うことが出来ました。
うちは今でもトラック2台の小さな会社ですが、御社から輸送契約を
いただけたからこそ、父は私を育てることが出来たのです。
私はその話を子供のころから聞かされており、自然と御社に感謝する
ようになりました。
そして今、私は、父の後を継ぎ、御社との仕事を続けさせていただく
ことで、今度は私の家族を養っています。
恐らく本日は厳しい向きのお話があるのではないかと感じていますが、
今までの感謝の気持ちを込めて、どんなことに対しても前向きに協力させて
いただきたいと思っています。本当にありがとうございました。」
そんな、思いも寄らない経営者の言葉に、A氏は用意していた言葉を口に
することが出来ず、
かろうじて微笑みながら、心を落ち着かせるためにもう一度、会議室を
見回しました。
そしてその時、初めてA氏は気付きました。
そこに集まっている人たち全員が恐らく、同じような経験をしているで
あろうことに。
同時に、自分の決断が極めて利己的なものであり、50年間続いていた家業と家族
の幸せを潰そうとしているものであることに。
しかし、A氏には会社から課せられた使命があります。
彼は一瞬目を瞑り、自分の心に正直に向き合い、その後、ゆっくりと、話を始め
ました。
「聞いて下さい。私は今、ある問題を抱えています。あなたがた運送会社のリス
トが40ページにも及んでいるのです。
私にはこれだけの会社を管理し続ける事は出来ませんし、運営も非効率で、我が
購買部門は10年連続で赤字に陥っています。
最も論理的かつ合理的な対処方法は、皆さん全員との契約を打ち切り、大手企業
に集約させることです。
正直なところ、私は本日、その話を皆さんに伝えようと思っていました。
しかし、今の私は、そんなことをしたくない、と思っています。
お願いです。私たち全員に利益となる解決策を一緒に考えていただきたい。」
一瞬場の空気が張り詰め、しばらく沈黙が続いた後、1人の経営者が発言しまし
た。
「私たち2、3人ずつで事業を提携しましょうか?そうすれば私たちも事業規模を
拡大でき、単独で行うよりも売上を増やすことが出来るかもしれない。
また、そうすれば、御社にとっても管理コストが2分の1~3分の1になる。
僕たちが会社を守るためにそうすれば、僕たちに仕事を与え続けることを
考えてくれますか?」
「勿論です。そうしていただけるのなら、本当に助かる。」
A氏は応えました。
すると、その話を聞いていたある経営者が、更に口を開きました。
「2~3人ではなく、10人規模ぐらいで提携してみては?その方がタイヤを購入
する時に大口購入割引を受けられるし、ガソリンも今までより安く購入できる
かもしれない。
誰かが仕事で手いっぱいになった時に、力を貸して事業を支えることも出来る
でしょう。」
先ほどとは打って変わって、会議室はにわかに盛り上がり始めました。
それから話はとんとん拍子に進み、遂にはトラック全台を合わせ、タイヤの
大口割引を受けられる会社をつくろう、という話までまとまり始めています。
そんな時、刻一刻と自分の仕事がやり易くなっていく光景を見ていたA氏の
頭に、あるアイデアが浮かびました。
「こういうアイデアはどうしょう?我が社には皆さんを含め、500を超す運送契約
会社があります。
500社が力を合わせれば、タイヤやパーツを信じられないぐらい安い価格で購入で
きるようになる。
うちが音頭を取ってネットワークをつくり、まとめて仕入れ交渉を行えば、皆さ
んに大きなメリットを提供出来る。
その際、取りまとめの窓口として機能する私たちにも幾ばくかの収入をいただく
ことは出来ますか?」
「勿論。そうしていただければ我々としても最高にハッピーだ!」
A氏と50人の経営者が集まった会議室は、新たな価値の創造に大興奮し、
早速、その方向で見直しを進めていったのです。。。。。。。
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他人との議論において、人はしばしば、プラスにせよマイナスにせよ、
自分の個人的感情を率直に伝えることを(苦手も含め)嫌います。
そのため、相手も自分自身の個人的感情を伝えることなく、互いに本心
を理解し合うことが出来ず、
結果、何となくフワッとした、いわゆる“上っ面”の話し合いに終始し、
何の果実も得ないまま、時間だけが浪費されていきます。
しかし、どちらかがオープンマインドになればなるほど、相手に対する理解と
尊敬・尊重の念が湧くようになり、
必然的に創造力・相乗効果に富んだ、前述のものとは打って変わった
“本質的で実のある議論”
が生まれます。
日頃からそのようなコミュニケーションスタイルを採れている人もいれば、
採れていない人もいるかもしれません。
日々、人と接する仕事を行っている私たちとして、時にはそんなことを
振り返ってみてもいいかもしれませんね。
以上、何かのお役にたてれば幸いです。
今日も都心で打合せの連続です。
是非、
“本質的で実のある議論”
となるよう、オープンマインドで臨みたいと思います(笑)。
では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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~Visionary Care Company~
社会貢献と利益創出の両立に真剣で、成長・進化を目指す介護事業者に、
業界特性を踏まえた有益な経営情報の発信、及びツールの開発・提供を
行う。その結果、「地域で最も愛され、必要とされ、関わる全ての人々を
幸せに出来る会社=「Visionary Care Company」を多数創出し、介護業界
活性化の中心的存在となる。
それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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※このメールに書かれた内容の無断転載、無断複製については、原則OKと
します。また、その際は、「介護経営エナジャイザーの原田匡によると」
と一言付け加えていただければ嬉しいです。後は、皆様の良心にお任せ
します。
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