“その笑顔が見たくて”(その2)~弊社事業所エピソードより~

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(シー・ビータッグ)の原田匡です。

記念すべき第300回(!)のメルマガ
ですが、

今日も昨日に引き続き、

弊社デイサービス

“あずゆあはうす”

のエピソードの後半部分をお話させて
いただきます。

極めて順風満帆だったえみこさんへの
支援に対し、

どんな心配事があったのか?

それでは、今日も宜しくお願い致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
順調な、えみこさんへの支援。

けれどもスタッフには、ある一つの心配ごとが
ありました。

【※段落タイトル※】
徘徊には必ず理由がある

ある日のことです。

いつもの通りにえみこさんがトイレに
立たれました。

何気なく見ていると、

えみこさんがサッと玄関の方に向かわれて、

外に出られようとしているのが目に入りました。

それは、にこやかで穏やかな普段のえみこさん
からは想像できないほど、

機敏な動き。

スタッフは慌てて、外に出るえみこさんに
付き添いました。

突然に思えるえみこさんの行動ですが、

実はこれには理由があるのです。

「あず ゆあ はうす」は、とても小さな事業所
ですが、

小さいといっても、一つの立派な「社会」。

ここには、自分と気の合う人もいれば、
そうでない人との出会いもあります。

穏やかであまり自己主張されることのないえみこ
さんのような方もいらっしゃれば、

ときに乱暴な言葉を使ったりする方や、

気の強い方もいらっしゃいます。

普段はニコニコとしているえみこさんですが、

「嫌なものは嫌だ」

と感じる感情があります。

苦手な方と一緒のテーブルに着いているときに、

一見にこやかに見えるえみこさんが、無言で
がまんしている。

スタッフは、そのことが気にかかっていたのです。

「今日は、えみこさんとは馬が合わない
ご利用者様が多いかもしれないなぁ」

スタッフがそう感じていると、

「帰る・・・」

案の定、えみこさんがそっとスタッフに
訴えてこられます。

その日、玄関を開けて外に出ようとされたえみこ
さんにも、

「ここに居たくない」

と感じる何かがあったのでしょう。

えみこさんに限らず、徘徊されるご高齢者には、
必ず外に出たい理由があるのです。

それ以来、私たちは、

「えみこさんがトイレに行っているからといって、
安心していてはいけないね」

「誰かが、トイレの前で待つようにしましょう」

そう決めて、えみこさんが外に行かれようとする
ときには、

必ずスタッフが付き添えるようにしました。

【※段落タイトル※】
新しい課題

そんなえみこさんへの支援のなかで、

スタッフが新たに決めた課題。

それは、

「えみこさんに『あず ゆあ はうす』で、『自由に』
『ご自分のしたいように』過ごせるようになっていただく」

ということです。

えみこさんは、スタッフとなら会話もでき、

気持ちを伝え合うことができます。

スタッフも、

「えみこさんが嫌な気持ちになられているな」

と感じたら、さりげなく席を変えて差し上げたり、

お手伝いをお願いしつつ場所を移動していただいたり
しています。

でも、できればえみこさん自身で、

ご自分が心地よいと思われる場所に移動していただく
ことができたらいいな、と思っています。

例えば、トイレから戻られたとき。

「えみこさん、どこに座りますか?」

と、声をかけます。

もし、今まで座っていた場所の居心地が
悪ければ、

同じ席についていただかなくもいいのです。

どこでも、自由に、ご自分で座りたい場所を選んで
いただけるようになる、

それはつまり、

「えみこさんらしく」

ここで過ごしていただく、ということにつながります。

「この方には、何をしてさしあげることがベストだろう」

お一人お一人に沿ったご支援をしていきたいと思うとき、

今のえみこさんには、えみこさんがもっと

「ご自分らしさ」

を発揮できる環境を作って差し上げたい。

今、スタッフはそこを目指して、えみこさんの支援に
取り組んでいます。

たとえば、えみこさんのようにお料理が得意な方
には、

もっと積極的に食事作りに関わっていただくことで、

生活に張りが出てくるでしょう。

必要な食材を一緒に買いだしに行ったり、

得意なメニューを作っていただいたりすれば、

「どんな材料が必要かしら」

「この味付け、どう?」

「何か手伝いましょうか?」

ご利用者様との間で、そんな会話が生まれるかも
しれません。

そうすれば、もっともっとコミュニケーションも
広がります。

そして、えみこさんが外に行きたいと思われたとき
には、

私たちにそれを

「言葉」

で教えてくださるようになったらいいなと思います。

だから、

「えみこさん、外に行きたいときは教えてくださいね。
行きたいところに行きましょうね」

と、お伝えしてみようとも考えています。

これもまた、次の課題です。

誰もが自分らしく、共に支えあって。

実は、えみこさんと私たちが出会ってから、

まだ3週間(※)ほどしか経っていないのです。
(※)このエピソードを書いた当時の話です。

3週間でも、少しずつ言葉をとりもどし、

スタッフとコミュニケーションがとれるように
なりました。

こちらにいらっしゃるときは、

徘徊の症状もほとんどありません。

これだけの進歩を見せてくださったえみこさん
ですから、

これから、もっともっといろいろなことが
できるようになられると、

私たちは思っています。

「えみこさんらしさ」といえば、

えみこさんの一番の魅力はその笑顔です。

「なかなか上手にご支援できないなぁ」

「今日も失敗しちゃった・・・」

ときに落ち込んだり気持ちがすさんでしまったり
するようなときに、

私たちを励まし癒やしてくれる――

えみこさんの笑顔はそんな笑顔なのです。

えみこさんがにっこり笑うのを見るたびに、

「この笑顔を引き出したい!」

「こんな笑顔が出せるのなら、そのために頑張ろう」

と元気が沸いてきます。

まるでひまわりのように、

私たちの気持ちを明るく照らしてくれる
えみこさんの笑顔に、

私たちも日々、力をいただいています。

「あず ゆあ はうす」は小さな「社会」。

でもここには、誰が偉くて、誰が豊かで、
誰が優秀、

などという線引きはありません。

スタッフもご利用様も、誰もが一緒に、同じ目線で
過ごしています。

誰もが自分らしく、みんなが共に支えあっていける、

そんな事業所でありたいと思っています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

出張の時など、

私がこのエピソードを読んで、

元気や勇気を得る理由がお分かりいただけ
ましたでしょうか(笑)?

今日は、私からのコメントは不要かと思います
ので、

皆様、自らの、もしくは、自らが関わる
事業所や施設を頭に浮かべながら、

是非、様々なことを

“感じて”

いただければ嬉しく思います。

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日も昨日に引き続き、新潟県三条市にて、

“後継者のための企業経営講座”

2日目です。

研修参加者に様々な気付きを持ち帰っていただく
ことは勿論、

私自身もこの場から様々なことを吸収し、学んで
帰りたいと思います。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。


最近、ブログも更新し始めました。
日々の活動等で感じた事などについて、
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