“社会性”と“経済性”をどう両立させるか?~先達企業に学ぶ~

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(シー・ビータッグ)の原田匡です。

先日、

“これからの介護事業者の在り方”

について、

複数の介護事業経営者の方と議論を行う
機会がありました。

様々な意見交換を行う中、

“社会性(=社会貢献)と経済性(=
利益確保)の両立について、どう
考えるか?”

というテーマに話が移っていった
訳ですが、

そこで、議論に参加していた方々
全員が、

“この考え方こそ、我々の事業に必要
なのではないか?”

とおっしゃっていただいた、

ある企業の、

世界的に有名な事例を今日は皆様にも
共有させていただきます。

以前よりメルマガを読んでいただいている
方には繰り返しになってしまいますが、

法改正に直面している今こそ、

とても重要な概念だと思いますので、

再度、

“感じて”

みていただきたいと思います。

私にとっての

“経営の教科書”

の1つもと言える

“ビジョナリ―カンパニー”

からの引用です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

皆さんは、メルクという会社をご存知
でしょうか?

同社は医薬・化学品会社として約350年
弱の歴史を誇り、

世界規模で事業を展開する超優良企業です。

もともと大変有名な企業でしたが、

同社の評価や名声が更に高まったのは、

1987年から7年連続で米経済誌の
フォーチュンにて

「世界で最も尊敬される企業」

に選ばれたことが大きかった、

と言われています。

そして、その選出のきっかけとなった
のが、

新薬

“メクチザン”

を巡る、メルクの大英断だったの
です。

当時、メルクは、新薬

“メクチザン”

のことで頭を悩ませていました。

メクチザンはアカイエカに刺されて
感染し、

視力を失う糸状虫症の予防に卓越した
効果を見せており、

当時、アフリカでは、この病気にかかって
いる人は100万人を超えていると言われて
いました。

その意味でも、大変有意義な新薬開発で
あったことは言うまでもありませんでしたが、

彼らが頭を悩ませていたのは、

その新薬を求める方々の大半が、

薬を買うことができないほど貧しい人達だった、

という事実でした。

それでもメルクは、

新薬が完成すれば、

どこかの政府機関か非営利団体が買い上げて
患者に提供してくれるようになるのではないか、

と期待し、

プロジェクトを進めていました。

しかし、結果的にこの思惑は大きく外れ、

“新薬を開発出来たのに提供出来ない”

という苦境に立たされたメルクは、

1987年、ついに企業として大英断を下し
ました。

なんと、薬を自らの手で、

それも自費で無料配布し、

糸状虫症に侵されて危険な状態にある
百万人の患者に薬が確実に届くようにする
ことを意思決定したのです。

メルクがこの決定を下した理由を聞かれた
とき、

当時のパジェロスCEOは次のように
インタビューに答えたと言われています。

「このプロジェクトを進めなかったら、

“人々の生命を維持し、生活を改善する
仕事をしている”

と自負する我が社の科学者の士気は著しく
下がっただろう」

続けて彼はこうも言ったそうです。

「15年前、日本をはじめて訪れたとき、

日本のビジネス関係者に、

“第二次世界大戦後、日本にストレプト
マイシンを持ち込んだのはメルクで、

その結果、蔓延していた結核がなくなった”

と言われた。

これは事実だ。

ちなみに当社はこれで利益をあげていない。

しかし、今日、メルクが日本でアメリカ系製薬
会社の最大手であるのは、偶然ではない。

長い目で見ると、

こうした行為の結果は必ずしもはっきりとは
表れないが、

なんらかの形で必ず報いられると思っている」

このメルマガをお読みいただいている皆さんの中には、
今、お話したメルクの伝説的な逸話を
初めて聞いた方も多いのではないかと
思います。

そんな中、もし、自分に医薬品が必要となり、

そこにメルクの商品と他社の商品とが並んで
いたら、

どちらを選びたいと思うでしょうか?

私なら間違いなく、

類似薬品に比べて多少の値段差があったとしても

“メルクの医薬品”

を選択します。

ちなみにこの事例について、

同書では、

“現実的な理想主義”

という表現を用いて考察を加えています。

「メルク社が持つ理想がメクチザンについて
の決定の原動力になったのか。

それとも、長い目で見てよいビジネスになり、

恰好の宣伝になるという現実的な理由から、

この決定を下したのか。

わたしたちの答えは両方だ。

メルク社の理想は、

この決定に大きな役割を果たした。

長い目で見て同社の事業にプラスになっても
ならなくても、

メルクはこのプロジェクトを進めただろう。

しかし、こうした善意の行動が

“なんらかの形で報われる”

と計算してメルクが行動したのも事実だ
(中略)。

メルクは設立以来ほぼ一貫して、

高い理想と現実的な自己利益を同時に
追求している。

ジョージ・メルク二世は1950年、

この逆説的な考え方を次のように説明
した。

「わたしは、当社が忠実に守ろうと努力して
きた主義を明確にしたい。

要約すると、次の通りである。

医薬品は患者のためにあることを忘れない。

医薬品は人々のためにあることを、絶対に忘れては
ならない。

医薬品は利益のためにあるのではない。

利益はあとからついてくるものであり、

われわれがこの点を忘れなければ、

利益は必ずついてくる。

このことを肝に銘じていればいるほど、

利益は大きくなる」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・・・・

如何でしょうか?

今回は敢えて、私からこれ以上のコメントは
控えたいと思います(笑)。

皆さん、想い想いに感じていただけることが
あると思いますので。。。。

またもしよろしければ、皆様からの感想を
お聞かせいただければ嬉しく思います。

以上、何かのお役にたてれば幸いです。

今日は、金沢市内で打ち合わせ。

その後、最終便で東京へ戻ります。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。


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