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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。
今日は、昨日に引き続き、
チエさんとの物語をお伝えさせて
いただきます。
それでは、どうぞ、お読み下さい。
↓
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「カテーテルもそうだけど、
ここでできることは限られている。
もっとご家族や地域包括センターなどと
連携を取ることを考えないと・・・」
チエさんのケースに限らず、
ご利用者を支援していくには、
ご家族の構成や家庭ごとの事情、
ご利用者本人の体調、
いろんなことを踏まえて、最善の方法を、
地域、家族、みんなで考えていく必要が
あります。
私たちは、毎日のように、息子さんや
ケアマネージャーさんと話し合いを重ね、
チエさんの支援に、24時間対応で医療行為も
できる訪問看護や、
訪問入浴のサービスなどを取り入れる
ことなどを決めていきました。
【小見出し2】
小さな感動
それでも10月になったころでしょうか。
チエさんに、少しずつ変化が見られるように
なりました。
ある日、チエさんが、イスに座りながら居住まいを
正そうとされているので、
スタッフが手を添えて動作を手伝って差し上げると、
なんとチエさんから
「ありがとう」
のひと言が!
「・・・今、チエさん、言った? ありがとうって、
言った!?」
「言った、言った! 感動――っ!!」
「うわー、すごい進歩だよ! でもいいなぁ、
引っかかれてきたのは僕なのに・・・」
ありがとうと言われたのは、まだ新人で、
チエさんに引っかかれたことも叩かれたことも
ないスタッフでした。
散々痛い目に遭ってきたスタッフは、半ば苦笑気味。
でも、チエさんがこちらに来られるようになられて
初めて、
スタッフが味わうことのできた、
幸せと喜びの瞬間でした。
食事も半分ほどは召し上がるようになられ、
少しずつお顔もふっくらとしてきます。
「お兄ちゃん、ゆっくりしていきなさいね」
と、若い男性スタッフに話しかけたり、
チエさんなりに洗濯ものたたみのお手伝いを
されるようにもなられてきました。
背中が痛いとチエさんが言うので、
「ここ? ここ?」
と言いながら背中をさすって差し上げると
「ごめんなさいね、ありがとう」
大好きなピヨちゃん(ひよこのぬいぐるみ)を
抱っこして、
穏やかに過ごされる時間がだんだんと多く
なってくるようでした。
それまで、スタッフとならどうにかコミュニケー
ションをとることもできていたチエさんでしたが、
風船バレーや体操など、
徐々に他のご利用者の方との交流もできるように
なってこられます。
ご利用者様の中には、事情を説明すると、
チエさんを受け入れようとしてくれる方も現れます。
チエさんの話を、全部は理解できなくても耳を傾け
聞いてくださり、
チエさんも懸命にお話をされるのです。
そんなある日。
なんとそれまで、身なりに全く無頓着だった
チエさんが、
一人、鏡に向かい、ブラシで髪をとかしていらっしゃる
ではありませんか!
「チエさんが、髪をとかしてる!」
本来、チエさんはお風呂もオシャレもお好きだと聞いて
いました。
でも息子さんは男性なので、
お母様の髪型のことまで気が回らないのでしょう、
いつもゴワゴワに広がった髪を、帽子で押さえる
ようにしていただけのチエさんでした。
そのチエさんが、髪を整えていらっしゃる!
“パチリ!”
スタッフは嬉しくて、思わず髪を整えるチエさんを
写真に収めました。
【小見出し3】
カテーテルが外れている・・・!
1月に入ったある日。
スタッフは、チエさんの下着が濡れていることに
気が付きます。
「尿漏れ? カテーテルから漏れたのかな・・・」
まず居宅支援事業所さんに相談し、
居宅支援事業所さんから訪問看護さんへと相談すると、
「カテーテルを抜いてみてください」
と言われます。
でも、それは医療行為だから、私たちには
できません。
居宅から訪問看護さんへ、また報告を入れ、
デイサービスが終了した後、
担当の看護師さんに様子を確認していただきました。
息子さんには、都度、経過をお知らせします。
結局その時は、
「カテーテルが緩んでいたようです」
ということでした。
「尿漏れがあった、ということは、もしかしたら
カテーテルがなくても、排尿できてるのかも。
おむつにして様子を見てみましょうか」
居宅の担当ケアマネージャーさんと、
息子さん了解のもと、
その日は、カテーテルをせず、おむつで過ごして
いただくことにしました。
丸一日経った次の日。
チエさんのおむつにたくさんの尿が出ている
のが分かりました。
「チエさん、カテーテルなくても、おしっこできてる!」
「じゃあ、おむつにして、しばらく様子を見て
いきましょう!」
こうして、カテーテルを外してから数日後のことです。
ふとスタッフはひらめきます。
「もしかしたら、カテーテルがなくなったことで、
歩けるようになるんじゃないかなぁ」
「もしできるなら、チャレンジしてみようか!」
幸い今日は、スタッフの数も多く、
チエさんのサポートに数人が携わることが
できそうです。
「滅多にない機会だから、やってみよう!」
今までも、イスやベッドで立ち上がるようなしぐさを
みせていたチエさん。
「きっとうまくいく!」
スタッフには確信がありました。
「チエさん、歩いてイスまで移動してみますか?」
そう聞くと、「はい」という答え。
そこで、チエさんの前、後ろにスタッフがしっかりと
付き添い、
身体を支えながら、まずはベッドから立ち上がって
いただきます。
「チエさん、立てた!」
次に、厚い靴下をはいているチエさんが滑らないように、
チエさんの歩幅とペースに合わせて、
ゆっくりと隣の部屋にあるイスまで移動します。
「いち、に、いち、に、いち、に・・・」
チエさんが、歩けた!
「うぁー!」
「やったぁー!!」
「チョー嬉しいー!」
もしかしたら、お風呂も行けるかも!?
「チエさん、お風呂、入りますか?」
「はい」
なんと歩けたその日に、お風呂まで!
ご利用から5か月が経とうとしていた冬のある日。
とうとう、チエさんと私たちスタッフの、
最初の目標、
「歩く」
と
「お風呂に入る」
が、達成できたのです!
尿漏れ、カテーテルの緩み、大勢のスタッフが
そろっていたこと・・・
どれが欠けてもできないことでした。
いつも一緒にいるからこそ、
絶妙なチャンスを見逃さず、
タイミングよく次のステップへとおつなぎする
ことができました。
こんなとき、あずゆあはうすのスタッフのことを、
ちょっぴり自慢したくなるのです。
【小見出し4】
新しい目標に向かって
山のような仕事に、
ときにイライラしたり辟易としたり
しながら、
でも私たちが頑張れるのは、
ご利用者様たちが、日々の生活のなかで
少しずつ何かをできるようになる瞬間を、
一緒に体験し、一緒に喜ぶことができる
からです。
きっとこれは、現場でしか分からない
喜びでしょう。
「耳が遠いから」
「認知症だから」
「目が遠いから」
「器具をつけているから」
だから介助する、のではありません。
その方と、人としてお付き合いさせていただく
なかで、
「この方にはこうして差し上げたい!」
と生まれる気持ち。
そんな気持ちを大切にしながら、ご支援させて
いただけたらと思っています。
洗ったお茶碗を拭いてくださったり、
テーブルクロスを丸めたり、
どんどん、できることが増えてきたチエさん。
「そろそろ、次のチャレンジの時期が来ている
のかもしれないね」
次のチャレンジといったら、
やはり
「トイレに行く」
ことです。
トイレで気持ちよく排泄できるように。
それが私たちとチエさんの次の目標になりました。
さぁ、次の一歩はいつになるのかしら。
一緒にがんばりましょうね、チエさん!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・・・
如何でしょうか?
“私たちは介護保険事業ではなく、
介護事業をやっているんですよね?”
介護保険法改正のセミナーの中で、
いつもお話させていただく言葉です。
制度事業を行っている以上、
制度のことも理解し、
制度に沿った事業運営をしなければならない。
それは当然のことです。
でも、
“制度ありき”
ではなく、ご利用者・ご家族へ提供する
“価値ありき”
でサービスを考える。
その意味では、我々 あずゆあはうす の
価値は、
上記の物語の中に在ると思っています。
皆様には皆様なりの、この仕事を続けていく
上で大事にしたいとお考えの
“提供価値”
があろうかと思います。
是非、法改正に翻弄されるのではなく、
数々出てくる情報を上手に
“活用”
しながら、ご利用者やご家族、地域に
“価値”
を提供し続けていきたいものですね。
以上、何かのお役に立てれば幸いです。
今日は1年半ぶりに、高知市内でセミナー
です。
終了後、大阪へ移動します。
皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?
では、今日も1日、互いに頑張ってまいり
ましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
※
最近、ブログも更新し始めました。
日々の活動等で感じた事などについて、
よりカジュアルに書いていますので、
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原田匡の2冊目の著書、
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~Visionary Care Company~
社会貢献と利益創出の両立に真剣で、成長・進化を目指す介護事業者に、
業界特性を踏まえた有益な経営情報の発信、及びツールの開発・提供を
行う。その結果、「地域で最も愛され、必要とされ、関わる全ての人々を
幸せに出来る会社=「Visionary Care Company」を多数創出し、介護業界
活性化の中心的存在となる。
それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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※このメールに書かれた内容の無断転載、無断複製については、原則OKと
します。また、その際は、「介護経営エナジャイザーの原田匡によると」
と一言付け加えていただければ嬉しいです。後は、皆様の良心にお任せ
します。
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