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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。
今日と明日は、久しぶりに、弊社が
経営しているデイサービス
“あずゆあはうす”
の
“ご利用者様との物語”
について共有させていただきます。
最近、セミナーにおいて、
“皆さんのサービスの提供価値は何
ですか?”
ということをお話しすることが多い中、
私自身もまた、
自社のサービスの提供価値についてあれこれ
考えています(笑)。
私たち
“あずゆあはうす”
の提供価値は一体何なのだろうか?
それを物語るかのような実例を是非、
お読みいただければ幸いです。
(恒例ながら長文なので、今日と明日に
分けてお伝えさせていただきます)
↓
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最高気温の更新さえなかったものの、
毎日、これでもかというくらい暑い
日が続いた昨年の夏。
それまで、シャキシャキとして、
庭を歩くことができるほど元気だった
チエさん(仮名)は、
7月下旬から起き上がることができなく
なってしまいました。
原因は脱水症状。
大事にはいたりませんでしたが、
2週間の入院生活が終わるころには、
すっかり足腰が弱り、
立ったり歩いたりすることができなく
なってしまいました。
チエさんは、息子さんと二人暮らし。
日中、お仕事でチエさんの介護ができない
息子さんから相談を受けて、
9月から、チエさんの
“あずゆあはうす”
のご利用が始まりました。
【小見出し1】
ひっかく、暴れる・・・スタッフの腕は傷だらけ
「なにをするんですか!」
お迎えに上がり、
送迎車に乗っていただくために車イスに座る
チエさんの足にそっと手を添えるだけでも、
「痛い!」
ピシッピシッとスタッフの手をはたいて、
チエさんは乗車を拒否されます。
移動を手伝おうと身体に触れようものなら、
「ダメです!」
「けっこうです!」
と叫び、
つかむ、引っかく、叩く、殴る、暴れる・・・。
スタッフの声掛けも、お手伝いも、
頑として受け付けません。
バタバタと暴れるチエさんを、
数人のスタッフで抱えるようにして、
やっとのことで車にお乗せし、
あずゆあはうすに着いたら、
またもや叩かれ引っかかれしながら、
チエさんをイスに案内します。
「チエさん、おはようございます。
よろしくお願いしますね」
「ふん、・・・聞こえませんよ」
(え、ゼッタイ聞こえてると思うんだけど・・・)
話しかけても無反応だったり、
聞こえないふりだったり。
食事の時間になっても、
ご飯と飲み物をぐちゃぐちゃと混ぜて
遊んで、終わり。
当初の長期目標を、
「歩く」
「トイレに行く」
「お風呂に入る」
の3つに決めたものの、
どこからどう、支援を始めたら
いいものやら、
スタッフは途方にくれます。
「今日は食べれた・・・」
「今日は安全に過ごして、帰ることが
できた・・・」
最低限の
「今日できた」
こと。
それが進歩につながっているのかどうなのか、
なんの確信も持てないまま、ただただ日々が
過ぎていくだけでした。
チエさんに何時間かをここで過ごしてもらう
だけで、
スタッフは精一杯!という日が、何週間も
続いたのです。
【小見出し2】
ここでできることと、できないこと
チエさんは、入院前から尿の排出がうまく
できない状態が続いていて、
膀胱用のカテーテルを使っていらっしゃい
ました。
膀胱の出口が硬く閉じてしまっているので、
カテーテルなしでは排尿ができないし、
これからもずっと外すことができない、
と聞いていました。
実は私たちが一番怖かったのは、
チエさんが暴れることで、そのカテーテルが
抜けてしまうことでした。
「すみません! チエさんのカテーテルが
抜けちゃってるみたいなんです!」
カテーテルの様子が少しでもおかしいと、
たとえ夜中でも、
夜勤のスタッフからその都度、
管理者スタッフに電話が入ります。
(チエさんはお泊りサービスもご利用
いただいていました)
「どこから抜けてるの? 元から?
それとも接続部分から?」
「えっとー、うーん、ちょっと分かりません・・・」
カテーテルの扱いは医療行為に当たるため、
私たちは勝手にカテーテルを抜いたりする
ことができません。
現場から連絡がくるたび、
その都度、夜中でもケアマネージャーさんに
電話を入れて相談します。
そしてチエさんを病院に連れて行っていただいて、
カテーテルの確認をしてもらう、
というようなことがたびたびありました。
一方で、おむつに排便することはできたので、
おむつ交換はしなくてはいけません。
「よし、じゃ、やるよ!」
ほかのご利用者様たちが落ち着いて過ごして
いる時間帯を見計らって、
スタッフ数人がかりで、チエさんのおむつ交換に
取り掛かります。
「痛いじゃないの! 放して!」
暴れるチエさんの腕を、
一人が抱きかかえるようにし、
一人がバタつく足を抑え、
もう一人が手早くおむつ交換。
チエさんのおむつを交換するだけで、
2人も3人もスタッフが介助にあたらなければ
なりません。
「はぁ・・・チエさん一人に、ここまでスタッフを
付けていられないよね」
送迎車からイスへの移動に始まり、
食事、おむつ交換・・・
何かするたび、とにかくすべてに時間が
かかり、
チエさんにスタッフ数人が付きっきりに
なってしまうことは、大きな悩みでした。
「カテーテルもそうだけど、
ここでできることは限られている。
もっとご家族や地域包括センターなどと
連携を取ることを考えないと・・・」
チエさんのケースに限らず、
ご利用者様を支援していくには、
ご家族の構成や家庭ごとの事情、
ご利用者様の体調、
いろんなことを踏まえて、最善の方法を、
地域、家族、みんなで考えていく必要が
あります。
私たちは、毎日のように、息子さんや
ケアマネージャーさんと話し合いを重ね、
チエさんの支援に、24時間対応で医療行為も
できる訪問看護や、
訪問入浴のサービスなどを取り入れる
ことなどを決めていきました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日はここまでとさせていただきます。
現場のケアに携わっている方々なら、
“あるある話”
として、
眼に浮かぶ光景ではないでしょうか(笑)?
なかなか関係改善の兆しが見えない、
精神的にも肉体的にも辛い日々の連続の中
ですが、
今から思えば、それでも少しずつ、
ご利用者とスタッフの心の距離は、
目に見えないところで、
確実に縮まっていたようです。
それがいよいよ行動に表れるようになってきた
10月。
チエさんの対応がどのように変わり、
どのような成果が出てきたのか、
そちらについては明日、
お伝えさせていただきたいと思います。
以上、何かのお役に立てれば幸いです。
今日は1年半ぶりに、高知市内でセミナー
です。
終了後、大阪へ移動します。
皆さんは今日、どんな1日を過ごされる
のでしょうか?
では、今日も1日、互いに頑張ってまいり
ましょう!
今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
※
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