セミナーでよくいただく質問を共有します。

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介護経営エナジャイザー 原田匡が日々感じたこと・考えていること、介護
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(※)エナジャイザー:エネルギー(energy)や活力を提供する人
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おはようございます、CB-TAG
(シー・ビータッグ)の原田匡です。

最近、セミナーでお会いする方々に、

「予防訪問介護、予防通所介護が市町村
事業に移行するにあたり、

自費サービスの充実等、国の財源だけに
頼らない仕組みの構築を検討したり、

顧客に支持されるサービス提供の在り方を
模索したいと考えている。

そこで、何か参考になる考え方や事業の
コンセプト等はないだろうか?」

という質問をよくお受けします。

環境変化を見据え、

主体性を持ってしっかりと環境適応を
されようとしている、

とても柔軟な経営者の方々の声に
私自身も勇気づけられることが多いの
ですが、

そんな中、

特に後者(=顧客に支持されるサービス
提供の在り方)の観点で、

私がよく事例として引き合いに
出すのが

以前もこのメルマガでご紹介した、

東京都町田市の家電店

“でんかのヤマグチ”

です。

もう随分前に紹介したため、

その内容をお読みになっていない
方々、

もしくは、どんな話だったか記憶が
定かでない方々もいらっしゃるかも
しれませんので(笑)、

あらためてこの会社の事例を共有させて
いただきたいと思います。

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皆さんは、東京都町田市にある
“最強”の街の電器屋さん

「でんかのヤマグチ」

をご存知でしょうか?

町田市とその周辺は人口急増地域という
こともあり、

大手家電量販店の進出が相次いだ時期が
ありましたが、

今ではその半数程度が撤退しています。

そんな中、各地で大苦戦を強いられている
街の電器屋さんを尻目に、

でんかのヤマグチは着実に業績を積み上げてきて
います。

とはいえ、大手量販店が進出してきた当初は
他店同様、大変な経営難に陥り、

社長の山口氏は思わずその苛立ちをメーカーの
担当者にぶつけたこともあったそうです。

「うちはね、今まで誇りを持って売ってきたんだよ!
あんた達メーカーさんの言う、卸値で仕入れてきたんだ。
この卸値で、量販店みたいな安い金額で売れるわけがない
じゃないか!」

量販店はメーカーから1,000台、2,000台と大量に仕入れ、

同時に、

返品しない、在庫を大量にかかえる、という、

メーカーからすれば非常に助かる対応をしてくれるので、

メーカーとしても、かなりの割引価格で卸すことが可能に
なっています。

公正取引委員会の調べによると、

家電の仕入れ価格が量販店を100とした場合、街の電気店は
103~115。(2008年12月)

小さな会社が安さで勝負することは、現実的にはほぼ
不可能です。

そんな中、元々16億円あった売上も、大手が進出してきて
あっという間に14億円にまでダウン。

「このまま売り上げが落ち続けると、社員の給料すら
支払えなくなってしまう。」

ここから、日本中の電器屋さんが注目する、
『でんかのヤマグチ』前代未聞の挑戦が始まりました。

先ず社員を集め、山口社長はこう宣言します。

「今後は粗利率を以前の25%から35%に増やす!」

粗利とは、売価と仕入原価の差額のことです。

量販店が安売りしているのにどうやって実現するのか?

戸惑う社員たちに、山口社長は続けました。

「量販店と同じことをやっていてもダメだ。
それはみんなもわかっているよな。

つまり、量販店には出来ないサービスをする、
ということだ。

困っているお客さんがいたら、すぐに飛んでいく。
高い値段で買ってもらっても、納得してもらうような
サービスをするんだよ。

これからのノルマは売り上げではなく、利益を第一と
する。」

しかし、同じものを安く売っているお店が近くにある中で、
高いものがすぐ簡単に売れるはずもありません。

懸命に努力を続けるも、成果は簡単には上がりません
でした。

そんなある日、社員の一人が、10件回るつもりが、
2件しか回れなかったことを社内で報告します。

「高齢者の自宅に訪れた私は、病院に連れていたったり、
スーパーでの買い物を手伝ったり、

とにかく、おばあちゃんの役に立とうと、様々な日常の
サポートを重ねました。

そして、その結果、その方にテレビを買っていただくことが
出来たんです。」

この話に光を見出した山口社長は即、次のような方針を
打出しました。

・お客様が喜ぶことは何でもやる。

・3万4000世帯あった顧客世帯を、
「高齢者単身世帯」「高齢者夫婦世帯」を
中心に、1万2000世帯に絞る。
(その代わり3倍のサービスを目指す)

・顧客の情報をデータ化し、社員全員が閲覧
できるようにする。(家族構成、購入履歴、趣味など)

・地域ごとに担当者を決めて、すぐに訪問できる
ように体制を整理する。

・購入時期や金額などで顧客をグループ分けし、
訪問する回数を決定する。

「我々が目指すのは究極の御用聞きだよ!」

その後、

留守の間の犬のエサやりや散歩、スーパーへの
買い物、部屋の模様替えなど、

社員たちは本業以外のありとあらゆる仕事を、
真心を込めて手伝ったそうです。

勿論、同時に、顧客の家の家電情報もちゃっかり
収集していることは言うまでもありません(笑)。

そうして徐々に業績が回復してきたでんかの
ヤマグチは、

何と、目標だった粗利率35%を達成。

経営体質も強化された同社はその後も業績を
順調に伸ばし、

今尚、快進撃を続けています。

最後に、そんな“でんかのヤマグチ”とお客さんとの
結びつきを象徴するエピソードをご紹介したいと思います。

お客さんの一人が亡くなられて行った、
お通夜でのこと。

亡くなられたご主人の妻が、山口社長に
対して泣きながら、こうおっしゃったそうです。

「ヤマグチさんは何でもやってくれるから、
困ったらヤマグチさんに頼めって、亡くなる前、
主人が何度も私に話してくれていました。
頼れるのは遠い親戚よりも、近いヤマグチだから、と。
これからもよろしくお願いいたします」

その話を聞いた山口社長は、もらい泣きをしながらも
次のように応えたそうです。

「何かあったらいつでも電話してください。ヤマグチは
すぐ、飛んで行きますから。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

如何でしょう?

今後、全国の地域では、

“介護予防・日常生活支援総合事業”

の名のもとに、

“予防支援サービス”

と、

“生活支援サービス”

が展開されることになると思われます。

勿論、

でんかのヤマグチのような考え方でなければ
ならない、

という訳では決してありませんが、

同社の発想・コンセプトは、

ひょっとすると、今後の介護事業者にとって、

一筋の光となるかもしれません。

その意味では、

地域密着のビジネススタイルを取って
いる他業種のアイデアは、

私たちにいろいろな示唆を与えてくれる、

とも言えるでしょう。

でんかのヤマグチに限らず、是非、参考に
してみてもいいかもしれませんね。

私も情報収集を行う中、

何か皆様の参考になるような情報が
あれば、

どんどん共有したいと思います。

以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日の私は、長崎市内でセミナーです。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるの
でしょうか?

では、今日も1日、互いに頑張って
まいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとう
ございました。
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原田匡の2冊目の著書、

「介護事業所経営の極意と労務管理・労基署対策・助成金活用」

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行う。その結果、「地域で最も愛され、必要とされ、関わる全ての人々を
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活性化の中心的存在となる。
それが私たち「シービータッグ」のビジョンです。
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