[ケアビジネスSHINKA論 Vol.707]

顧客を「時間軸」で見つめる。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

昨日は、静岡市内にて、社会福祉法人の経営幹部の
皆様を対象に、

“これからの社会福祉法人に求められる経営戦略とは”

というテーマでセミナーを開催させていただきました。

社会福祉法人たる使命のもと、

今後、地域でどのような役割を担い、法人としての存続・
発展を志向していくのか?

について、他業界の経営戦略事例をもとに、お話させて
いただいたのですが、

参加後の懇親会にて、

「従来のセミナーとは全く異なる視点・切り口からの
インプットを得ることが出来、いい意味で脳内が混乱
している」

「経営戦略の重要性があらためて理解出来た」

「今まで「経営戦略」と思っていたものが、実はもっと
奥深いものであることをあらためて認識できた」

等々のご感想をいただくことが出来きました。
(ご参加いただいた皆様の熱心さのお蔭です、ありがとう
ございます^^)

今後、環境が大きく変わる中、

“非連続な成長・進化”

を志向する必要性が高まることは間違いなく、

そのためにも、地に足を付けて、

“経営戦略”

をあらためて見つめ直すことは、

全ての法人にとって等しく重要なテーマなのだと
認識しています。

今後、この手の内容についても、どんどん情報発信して
まいりますので、

皆様、是非、お付き合い下さいませ^^

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■顧客を「時間軸」で見つめる。
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●皆様は「LTV(ライフタイムバリュー)」という考え方をご存知でしょうか?日本語では「顧客生涯価値」とも訳されており、「一人の顧客と付き合うことにより得ることが出来る年間粗利」×「顧客としてお付き合いいただける平均年数」という計算式で算出することが出来ます。例えば、ある事業において、顧客一人あたり年間で50万円の粗利があがり、顧客としてお付き合いする期間が平均5年間とすると、LTVは50万円×5年間=250万円、となる訳ですね。

●この考え方を持てば、「顧客を獲得するための投資をどこまでかけても大丈夫なのか」について、論理的に導き出すことが出来ます。例えば、上記の例で行くと、仮に顧客獲得のための初期投資が100万円かかったとしても、顧客の平均LTVが250万円だとすれば、250万-100万=150万の利益が残り、「割に合う投資」だと考える事が出来るのかもしれません。

●最近、総合事業等が始まりつつある中で、「要支援者の報酬単価が下がり、事業として合わなくなってきた」「認定外の方向けのサービス(A型etc)を検討しているが、要介護者に比べると圧倒的に利益が低く、事業として取り組むべきか悩んでいる」等の言葉をよく聞きます。確かに短期的視点から見れば、「合わない」と考えられる場合もあるかもしれません。しかし、LTV視点で見た場合、認定外のご利用者は、一定の時間が経過すれば、要支援→要介護、と段階が進む可能性は高い(それを期待する訳では決してありませんが、あくまで自然の流れとしての話です)。トータルの視点で考えた場合、本当に「割に合わない」かどうかは、慎重に吟味する必要があるのではないでしょうか?

●経営者の皆様の立場に立てば、「目の前で発生する初期投資」「短期的な割の合わなさ」にどうしても心が奪われがちになることは、よく理解出来ます。しかし、「短期成果」を追い求めるあまり、将来的な事業の成長が遠のいてしまう、ということも、よくある話です。その意味でも、一度、過去の顧客との付き合いを振り返り、皆様の事業における「平均LTV」を算出・把握されてみては如何でしょう?或いは、今後、認定外の方向けの事業を検討されている方は、「想定LTV」を算出してみては如何でしょう?ひょっとすると、新たな気付きと共に、新たな意思決定が出来るかもしれませんね^^

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、都心にて終日打合せ&デスクワークが
続きます。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。