おはようございます、金曜日担当の尾添です。
いよいよシリーズ最終回の第3回目です。
テーマは、『自社は「何屋」なのか』
話の流れから予想された方も多かったかもしれません。
過去に原田もメルマガで取り上げたことがありますが、業種や規模に関わらず重要なテーマ。
それでは、お付き合いください。
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■■自社は「何屋」なのか(3回シリーズ③)
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◆いきなりですが、ストレートな質問をします。
『あなた(の事業)は何屋でしょうか。』
おそらく多くの方はこう答えると思います。
「デイサービスです」?「訪問介護です」?「介護事業です」
もちろん、それは制度上の分類としては正しい答えです。
しかし経営戦略の観点から見ると、実はこれだけでは不十分だと言えます。
◆例えば、こんな質問を考えます。
『スターバックスは何屋でしょうか?』
コーヒー屋でしょうか。
もちろんコーヒーは売っています。
しかし、スターバックスの創業者ハワード・シュルツはこう語っています。
『スターバックスはコーヒーを売る会社ではない。人が集まる「第三の場所」を提供する
会社だ。』
有名な、サードプレイスというコンセプト。
自宅でも職場でもない、居心地のよいもう一つの場所。
それがスターバックスの価値なのです。
◆別の例を挙げます。
ナイキです。
『ナイキは靴屋でしょうか?』
確かに靴を売っています。
しかし、ナイキが売っているのはスポーツを通じて自分を高めるという体験です。
だからこそ同社の広告には「靴の性能」ではなく、挑戦する人のストーリーが登場します。
◆もう一つ例を挙げます。
かつてコンサル会社時代に関わった、焼肉の牛角。
創業社長をはじめ幹部の方々が、常に従業員に訴えていた言葉を思い出します。
『うちが提供するのは肉ではない、感動だ。我々は感動提供業なのだ!』
その真価は、BSE問題という業界全体を揺るがす混乱期に発揮されました。
同業他社が壊滅的状況に陥るなか、感動を提供し続けた牛角は乗り越えたのです。
◆では、ここで改めて質問です。
『あなた(の事業)は何屋でしょうか?』
デイサービスでしょうか?
訪問介護でしょうか?
それは制度の名前です。
きっと事業の本質ではありません。
◆例えば、あるデイサービスは「外出の機会をつくる場所」かもしれません。
別の事業所は「地域の中の居場所・寄り場」かもしれません。
またある事業所は「自立した生活を支える機能訓練の場所」かもしれません。
同じ「デイサービス」という制度でも、実際の価値はまったく違います。
◆強い事業(企業)には、必ずこの答えがあります。
『自分たちは何をしている会社なのか。』
『社会にどんな価値を提供しているのか。』
それが言葉になっている事業は強い。
逆に言葉になっていない事業は、どうしても似通ったサービスになってしまいます。
◆これからの介護業界はさらに厳しさを増します。
人口構造の変化、人材不足、報酬改定など、環境はどんどん変わっていきます。
その中で最後に残るのは「自分たちは何屋なのか」を理解し、はっきり言える事業なのか
も知れません。
◆もう一度、しつこいですが最後に質問です。
『あなた(の事業)は何屋でしょうか?』
もしこの問いに一言で答えられるなら、その事業にはすでに強い軸があります。
答えに迷うなら、それを考えること自体が次の経営の一歩になるのかもしれません。
もちろん、私自身にも問いかけます。
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3回シリーズ、お付き合いありがとうございました。
もともと個人的な悩みや問いから始まった内容。
でも、考えて書き進めるうちに整理することができました。
次は第4回目!とも思いましたが、長くなりそうなので…。
ご要望があればまた別の機会にと思います!