おはようございます、金曜日担当の尾添です。
前回から始まりました初のシリーズ投稿。
第一回目の『顧客に求められているもの』では、事例としてマクドナルド社のサラダ戦略の
話を取り上げました。
要約すると以下のような内容です。
“不健康というイメージを脱却するべくサラダメニュー等を投入したマクドナルド。
でも、企業として「健康的で良い商品」を提供したつもりでも、顧客が求めているものとは
違っていた。
その結果、サラダメニューは売れず、アメリカではメニューから消えてしまった。”
この話から学べることは沢山あります。
その中から今回ピックアップしたいのは
『顧客はただ「商品」を買っているわけではない』
ということです。
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■■顧客は商品やサービスを買っているわけではない(3回シリーズ②)
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◆前回、マクドナルドの事例とあわせて紹介しましたが、経営学者セオドア・レビットは、
マーケティングの世界で有名な言葉を残しています。
『人はドリルを買うのではない。壁に開ける「穴」を買うのだ。』
つまり人が求めているのは商品そのものではなく、その結果として得られる価値だという
ものです。
◆この話が示すように、経営の世界ではよく知られた考え方があります。
『顧客が価値を決める』
というものです。
企業がどれだけ良い商品だと思っていても、顧客が価値を感じなければ意味はありません。
逆に企業側がそれほど価値があると思っていなくても、顧客にとっては非常に重要な価値
になることもあります。
◆例えば、デイサービスで考えてみます。
事業者として機能訓練に力を入れているデイサービスを想像してください。
設備を整え、専門職を配置し、トレーニングプログラムも充実させている。
ところが利用者に話を聞くと、こんな声が出てきます。
『ここに来ると友達に会えるのが楽しい』?
『家にいるより気分転換になる』?
『外に出るきっかけになる』
つまり利用者が価値を感じているのはトレーニング機器なのではなく、外出や交流の機会
だったりします。
◆これは決して珍しいことではありません。
実際、多くのデイサービスで利用者が評価しているポイントが
・職員との会話
・他の利用者との関係
・外出の機会
・居場所
といった要素であることは大いにあり得ます。
◆ここで重要となるのは
『自分たちが提供しているサービスと利用者が感じている価値は違うことがある』
という事実です。
このズレが大きくなると、そして正しく認識できないと、事業は上手くいきません。
どれだけ設備を整えても、どれだけプログラムを充実させても、利用者が価値を感じなけ
れば選ばれないからです。
◆ズレを感じた時、私たちはどうすればよいのでしょうか。
答えはシンプルです。
利用者の視点から、自分たちの事業を見直すこと。
私たちは何を提供しているのか、ではなく
『利用者は、私たちから何を得ているのか。』
この問いを持つことです。
◆この視点を持つと、事業の見え方は大きく変わります。
例えば「機能訓練を提供する事業」ではなく「外出と社会参加を支える事業」となるかも
しれません。
あるいは「地域の中での居場所をつくる事業」かもしれません。
◆念のため、決して「機能訓練しなくても良い」ということではありません。
機能訓練は私たちの役割・使命です。
◆事業の本当の価値は、提供しているサービス名ではなく、利用者の生活の中でどんな
意味を持っているかによって決まります。
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次回は最終回、この話をさらに深めます。
「自分たちは何者なのか」
事業のアイデンティティ、?つまり
自社は何屋なのか。
という問いについて考えてみたいと思います。
このテーマ、これからの介護事業にとって非常に重要なテーマだと思うのです。