[ケアビジネスSHINKA論 Vol.3109]

J-ファイル(衆議院選挙を終えて)

おはようございます、金曜日のメルマガ担当:尾添です。

2月8日に投開票が行われた衆議院議員選挙において、自民党が単独で過半数を大きく上回る
議席を獲得し、圧勝しました。
社会保障に関係する分野でも、これから与党を中心とした「実行力」が発揮されていくものと
思われます。
では、何が「実行」されるのでしょうか。
これまでの国会での審議、また厚生労働省での検討・協議事項が中心となると思いますが、
それらはメディアやネットから情報収集されているものと思います。
もう一つ、個人的に注目しているのが自民党の公約。
1月末に選挙公約として掲げられた「J-ファイル2026」という総合政策集がありますが、この
内容こそ高市首相をはじめとする自民党の宣言であり、これから強力なリーダーシップのもと
で起案、そして実行されていくと考えられます。
全てとはいきませんが、重要だと感じる部分をピックアップしてみます。

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■■J-ファイル(衆議院選挙を終えて)
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◆【公定価格引上げと賃上げ戦略】
やはり目が行くのは、物価高騰と他産業の賃金上昇に対応するための「公定価格(介護報酬)」
の見直し方針が明記されたことです。
賃上げへのコミットメント公約では、次期報酬改定において物価や賃金の上昇に対応するため
公定価格を引き上げる方針が明確に
示されました。
特に介護人材の確保が喫緊の課題であることから、「他職種と遜色のない処遇改善」を目指し、
介護職だけでなく現場で働く幅広い職員の賃上げを図るとされています。

◆【外国人材の受入れ制度刷新】
2027年度から開始予定の「育成就労制度」への円滑な移行支援を含め、EPA、特定技能と合わ
せた外国人材の受入れ・定着支援が強化される方針です。

◆【DX・生産性の必須化】
人手不足解消の切り札として、テクノロジー活用が「推奨」から「必須」のフェーズへと移行し
そうです。
また、介護ロボット等の開発・実証・普及を支援するプラットフォーム「CARISO」の運営等を
通じて、現場課題に即したテクノロジー導入が促進されます。

◆【医療・介護連携】
「全国医療情報プラットフォーム」の創設や電子カルテ情報の標準化が進められ流ことにより、
医療機関と介護事業所間での情報連携がスムーズになります。
あわせて「介護情報基盤」の整備についても要チェックです。
(いよいよ今年中にスタートします。)

◆【施設運営の機能分化と規制強化】
入所施設においては、その役割に応じた機能強化と透明性確保のための規制強化が同時に進行
します。
介護付きホーム(特定施設)は地域包括ケアシステムにおける重要なセクターとして位置づけ
られ、「終の棲家」としての役割や整備計画が明確化されます。
一方で特定施設ではない有料老人ホーム等については、入居者保護や「囲い込み」等の課題に
対応するため、「登録制」導をはじめ規制・ルールが強化されます。

◆【地域戦略】
人口減少地域でのサービス維持と都市部での多様なニーズ対応という二極化への対応が進み、
特に過疎地での「特例」拡大や規制緩和が進みそうです。
また、NPOや民間企業など「多様な主体」による生活サービスの提供、そして混合介護の環境
整備が促進されそうです。

◆【終身サポート事業の促進】
身寄りのない高齢者の増加に対応して「終身サポート」事業者認定制度をはじめ新たなビジネス
領域のルール整備が行われます。
また、日常生活支援に加えて死後事務等を行う事業を「第二種社会福祉事業」に位置づける法的
整備が進められ、社会的信用の高い事業としての確立が目指されます。

◆他にも多数の公約記載があります。
厚生労働省や国会で検討や審議が始まってから知るだけではなく、こうして政権を担う政党の
公約から未来を紐解くことで、未来を予測して対策を考えることができます。
まだ参議院における議席数等の問題はありますが、衆議院での獲得議席、そして政界の動き、
首相の力強いメッセージと行動力、総合的に考えれば無視できない情報だと言えそうです。

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偉そうに書きましたが、私が自民党の選挙公約「J-ファイル2026」を読み込んだのは今回の
選挙終了後。。
「J-ファイル2026」が示す方向性は、これまでメディア等でも言われている通り、「質の高い
ケアと生産性向上を実現した事業者には、相応の対価(報酬・支援)を用意する」というもの。
令和8年度の報酬改定を見据え、まずは状況を把握し、今のうちから「人材戦略」「DX投資」
「自社ポジションの明確化」に着手することが、勝ち残るための条件となりそうです。

選挙結果については他にも色々と取り上げたいところですが、「ビジネスの場で野球と政治の話
は出すな(気をつけろ)」との教えに従い、今回は見送ります。

J-ファイル2026
https://www.jimin.jp/policy/jfile/