[ケアビジネスSHINKA論 Vol.3107]

協働化・大規模化

おはようございます、金曜日のメルマガ担当:尾添です。

最近、業界ニュースとして以下のような項目をよく目にしませんか?
「2025年の介護事業者倒産、2年連続で過去最多を更新」
「訪問介護の倒産が突出、小規模事業者の淘汰進む」
「厚労省、経営の協働化・大規模化ガイドラインを公表」

この中で、原田のメルマガでも触れていましたが協働化・大規模化について。
ここにきて目にする機会が増えた背景には何があるのか。
何をどうするべきと言われているのか。
その辺りを考えたいと思います。

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■■協働化・大規模化
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◆背景について思い浮かぶのは「国は非効率な小規模事業者を救う財布を持っていない」と
いう厳しい現実です。
これまでのメルマガでも取り上げてきた、社会保障制度そのものの現在地。
「良いケアをしていれば、なんとかなる」
「業界全体で声を上げ続ければ、きっと助けてもらえる」
残念ながら、それらが通用する時代が終わろうとしています。

◆これも過去に紹介しましたが、財務省HPにある分科会議事録に残されている文言。
要約すると「事業継続や職員の賃上げの原資はコストダウンなど自助努力で捻出する資金
で賄うべき」といった内容。
そういった厳しい声と時を同じくして、この協働化・大規模化というキーワードが聞こえ
てくるようになりました。

◆現実を直視すれば、特に小規模事業者においてコスト構造の見直しは急務であり必須で
あると言えます。
高止まりする採用コスト、また介護施設においては入居者紹介手数料も同様です。
備品購入にしても、大手と比べて価格競争力を発揮できなければ仕入れコスト減には限界
があります。
そして加えて、様々な制度改正への対応。
LIFE(科学的介護)、BCP策定、そして今回の協働化ガイドラインもそうです。
報酬改定のたびに複雑化するルールに対し、責任者だけ対応するのは物理的にも金銭的に
も無理が生じます。
現場に出ながら書類を作り、事務作業をこなし、その合間に採用面接…。
残業代を含めた人件費の問題もありますが、その責任者が倒れた瞬間に事業所・施設運営
は崩壊します。

◆そこで厚労省など国が推奨しているのが「協働化」(=アライアンス)です。
その事例として社会福祉連携推進法人についても紹介されていますが、これは簡単なこと
ではありません。
そうではなく、例えば施設現場の運営は残したままバックヤード機能だけを共有するなど
地域同業者との「同盟」など方法が現実的な協働化として紹介されています。
決して、大手に吸収合併(M&A)され、自分の看板を下ろすようなものではありません。

◆もう少し具体的に、厚労省のホームページを見てみると、以下のような記載があります。
① 採用・研修の共同戦線
② バイイングパワー(購買力)の獲得
③ 有事(感染症や災害時)の相互扶助
効果性や即効性は別として、これから動きは加速していくと思います。

◆「連携なんて言っても、やりとりが増えて面倒くさそうだ」
そう思う人も少なくないと思います。
こういった場面でこそDX(デジタルトランスフォーメーション)の出番かもしれません。
高価なシステムは不要で、ビジネスチャット(LINE WORKS等)の連携だけでも効果的
なDXと言えます。
ITと聞くと管理や手間といった印象が先立つかもしれませんが、「事業所・管理者間を
繋ぎ、助け合う」ためのツールとして考えれば、活用可能性は広がります。

◆「やっていることは正しいから生き残れるはず」が通用しなくなるかもしれない未来。
それを回避する選択肢の一つとして「他者と手を組んで生き残る」方法。
これからもニュースや情報をキャッチアップしていきます。

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