おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。(お久しぶりです)
最近、メディアや自治体からの通達で「適切なケアマネジメント手法」なる言葉を耳にする
機会が増えました。
「また新しいマニュアル?」「忙しいのに勘弁して…」 そう感じた方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。
言葉自体は昔からある(業界では)一般的な共通言語、でも、この動きを単なる「お勉強の
推奨」と捉えると、これからの業界の激動を見誤るかもしれません。
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■■適切なケアマネジメント手法
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◆まず「適切なケアマネジメント手法」とは何かについて。
ベテランケアマネジャーの頭の中にあった「暗黙知」を誰でも使える「形式知」にしたもの
だと言えるでしょうか。
具体的には、例えば脳血管疾患や認知症など5つの領域において「基本ケア(生活の土台)」
と「疾患別ケア(リスク管理)」の2階建て構造で整理されています。
ちなみに、この手法について「全員に同じケアをしろ」という命令ではありません。
「どんなベテランでも新人でも間違ってはいけない『アセスメントの視点』を統一しよう」
という試みです。
また多職種と連携する際に「なんとなく必要だと思う」ではなく、介護のプロとして「この
疾患の予後予測に基づき、このリスク回避のために必要」など言語化するための武器(共通
言語)になります。
◆ここからが本題なのですが、なぜ今、国は懸命にこの手法を推すのでしょうか?
その背景について、同じくよく耳にする「LIFE」「ケアプランデータ連携システム」、また
今年のキーワードとなりそうな「介護情報基盤(プラットフォーム)」などとセットで考え
る必要がありそうです。
国はLIFE(科学的介護情報システム)やケアプランデータ連携システムを通じて介護データ
を収集・分析したいと考えていますが、ケアマネジャーによってプランの書き方がバラバラ
だと、データとして使い物になりません。
そこで、「適切なケアマネジメント手法」の出番となるのです。
これの普及により、アセスメントやプランの記載内容がある程度「規格化」されます。
規格化されたデータは、AIやシステムで容易に分析可能になります。
◆そして、データが集約・可視化された先に待っているのは「透明化」と「適正化」です。
「透明化」とは根拠なきサービスの洗い出し。
つまりは、 「適切な手法」に照らし合わせて明らかに過剰なサービスや囲い込み(不正)
が疑われるプランは、データ上で即座にアラートが出るようになるかもしれません。
また「適正化」とは給付の抑制エビデンス。
財務省の審議会等では「エビデンスに基づかないケアに保険料は使えない」という議論が
常になされており、「手法」から外れたケアには厳しい説明責任、あるいは報酬減算など
未来が…も決して妄想とは言えません。
つまりこの手法は「ケアの質を上げるツール」であると同時に、「不透明な給付をあぶり
出すリトマス試験紙」としての役割も担わされていると考えられるのです。
◆「なんだか管理・監視されるようで嫌だ」 と感じられるかもしれません。
しかし少子高齢化と財政難という現実(2040年問題)を前に、もはや感情論だけでは社会
保障は守れません。?
不正請求や非効率なケアが排除されれば本当に支援が必要な人に資源を回せますし、現役
世代の負担増を少しでも抑えるためには、こうした合理化は不可避だと言えます。
また、拒否反応ばかりではなく逆に考えれば、この手法を使いこなして「データや標準」
を理解した上で、それに加えて「その人らしさ(個別性)」をプランに落とし込めるよう
なケアマネジャーこそが、AI時代に生き残る「真の専門職」となるのかも知れません。
◆国が主導する「巨大なデータ戦略」と、その目的の一つである「社会保障費の適正化」
という大きなシナリオ。
もちろん現場で従事する人にとって苦労や負担も出てくるでしょうが、全ては「持続可能
な社会」実現ため(のはず)。
メディアには一方的な意見ばかり目立ちますが、冷静に、そして先を見据えて取り組んで
いきましょう。
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便利になるのは良いことですが、何から何まで全てをデータで判断されると「情」の部分が
削ぎ落とされないか心配になりますね。
でも、だからこそ最後の砦はやはり「人の温かみ」を知る現場の皆さんなのだと思います!
最後になりましたが、本年もよろしくお願いします!