おはようございます。?金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
次期報酬改定が近づき、各方面で議論が活発になってきました。?中でも、ここ最近また存在感
を増しているのが「居宅介護支援(ケアプラン)の給付10割をどうするのか」という話です。
?以前から何度も話題に上がりながら、結局は見送られてきたテーマでもあります。?
さて、今回はどうなるのでしょうか。
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■■ケアプランの有料化問題
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◆「居宅介護支援(ケアプラン)の給付10割をどうするのか」問題について。
最近の議論を追っていると、賛成派と反対派、それぞれ言っていることは理解できるのに
不思議と噛み合っていない印象があります。?お互い、違う論点から主張しているというか…。
?少し整理して考えてみたいと思います。
◆まず賛成派の意見について。
賛成派の論点は、おおまかにこんなところでしょうか。
* 制度の財政負担が限界に近い
* 利用者負担を導入すればサービス利用の適正化につながる
* 医療や他制度との公平性
* ケアマネの処遇改善にも寄与できれば
突き詰めれば、?
『社会保障制度を持続させるためには、どこかで線を引かなければならない』
?という強い危機感が根底にあるように思います。
◆一方で反対派は、また別の視点から主張します。
* 入口となる相談が有料になることで「必要な人がつながれない」
* 創設時の理念(中立性・公平性)が揺らぐ
* 徴収業務や相談控えによって現場の負担が増し、質も落ちる
* そもそも財政効果は小さく、本質解決にならない
つまり、
?『ルールを変えることによる現場と利用者に発生するデメリット』
?を強く懸念しているわけです。
◆感じるのは、賛成派と反対派はどちらかが間違っているわけではなく、見ている“時間
軸”と“リスク”の種類が違うのではないか、ということです。
賛成派は『未来の制度存続』を、反対派は『目の前の人の不利益』を、それぞれ守ろうと
しており、だからこそ議論は平行線のまま交わらない…?そういう構図が見えてきます。
◆国のスタンスを見ても、この温度差はよく表れています。
例えば一番の推進派と感じる財務省について。
財政制度等審議会の資料を見ると、財務省はかなりはっきりしたトーンです。
* 高齢化で給付費が増え、このままでは制度がもたない
* ケアプランだけ無料なのは制度上の例外
* 医療の自己負担との整合性が取れない
* 特に軽度者への給付抑制ともリンクする
はっきり言えば、?「ケアマネジメントだけ例外扱いはもう続けられない」?という立場です。
◆一方で厚労省は制度を創った当事者であり、10割給付の理念も大切にしてきましたし、
現場の声も強く受け止めており、これまでは慎重姿勢を貫いてきました。
ただ、最近は少し論調が違うようであり、『慎重に検討する必要はあるが議論は避けられ
ない』というニュアンスが増えてきています。
財務省からの強い圧力や社会保障全体の財政問題など背景が影響しているものと思います。
◆次期報酬改定に向けて、もちろん断定はできませんが、雰囲気としては『段階的な自己
負担導入』など落としどころとして現実味があります。
高齢者の急増という社会環境にあって、自立支援や予防重視の流れなど見れば、軽度者
から段階的に…など話が出てくるかも知れません。
ただし、これが財政問題を劇的に改善するかと言えば、インパクトは正直かなり小さい、
と言わざるを得ません。
むしろ『給付10割の見直しに手をつける=制度全体の大改革のスタートサイン』になり
得るのだと思います。
◆「制度維持のために改革は必要だ」という主張と、「利用者と現場の負担が増える改革
はしてほしくない」という主張。
これはどちらも本音であり、どちらも間違いとは言えません。
ただ、これまでのように“誰も傷つかずに制度を維持できる選択肢”は、残念ながらもう
ありません。
だからこそ業界の一人として、そしていずれ当事者になる者として、これから起こる変化
をしっかり追いかけ、備えていく必要があると思います。
例外なく、今を生きる私たち全員の問題です。
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本文では書きませんでしたが、政治の構図が大きく変わってきたことも気にしています。
自民党一強の時代ではなくなり、官僚(省庁)との力関係も変わってきたようです。
また新政権からは、これまで以上に各業界で本質に踏み込む覚悟を感じます。
改定が発表されてから慌てる…なんてことにならないよう意識しなければいけませんね。