先日、『介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン』が
発表されました。
読み進めるうちに、これまでのガイドラインから一歩踏み出した「ある一言」が目に飛び込
みました。
注目すべきトピックとして採り上げてみます。
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■■介護事故に関するガイドライン
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◆『介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン』
https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf
つい先日発表されたこのガイドライン、平成24年に作成された『特別養護老人ホームに
おける介護事故予防ガイドライン』のアップデート版とされており、実に13年ぶりの改定
となります。
この間、数多くの事故事例が積み上がり、また介護テクノロジーの進化など環境も大きく
変わりました。
特に介護施設運営に関わる方々には目を通していただきたい内容なのですが、全事業者に
共通する大きなポイントがあり、その点をピックアップしたいと思います。
(あくまで私見です)
◆前回のガイドラインと見比べて大きな変更点と感じたのが「予防できる事故」と「予防
できない事故」が明確に区分されたことです。
事故には
①対策を取り得る事故(=努力で減らせる)
②防ぐことが難しい事故(=利用者の加齢や行動に伴う)
があると記され、そして
“すべての事故が過失とは言えない”
“特に転倒は 予防策を尽くしても一定頻度で起こる”
と明言されているのです。
◆「そんなこと当たり前やん」
と感じられるかも知れませんが、過去(平成24年版)では事故の類型化はありましたが
「防ぐことが難しい事故」を明確に文言として示してはいませんでした。
いざ事故が起こったとき、介護現場では原因や責任の所在など暗黙の了解で処理されて
いても、その内容について家族との共有は簡単ではありません。
これまで何度、理不尽な思いや悔しい経験をしてきたことでしょうか。
◆もちろん実際の事故発生においては当事者のことを含めて身体状況など“実情”や“事実”
から判断されますが、事業者が「ちゃんと運営できているのか」を厳しく見られることが
多々かと思います。
「どうしても自分ですると強く言われて…」
「マニュアル通りにサポートしていますが…」
など訴えても介護事業所(者)に専門家としての責任や義務の矢を向けられると、言い返
しにくいものです。
加入している保険があると言っても、保険会社や紐づく弁護士の対応にストレスを感じる
ことも多いかと思います。
◆今回の文言追加について、これだけで何かが直ぐに変わるというものでありません。
でも、厚生労働省のガイドラインに明記されたことの意味合いは小さくないと感じます。
事故を起こさないための備えや予防の重要性が変わらないのは言うまでもないこと。
それでも、
○過剰な事故ゼロ運動からの脱却
○事故が起こった際の「過失」判断の整理
○利用者・家族との信頼関係構築
○スタッフの心理的安全性向上
○施設の説明体制(契約時説明)の標準化
このような実務的な改善に繋がるのであれば、大きな一歩と言えそうです。
◆そして、ヒヤリハット・事故報告など記録の重要性が増してきます。
いかに正確な記録を都度残せるか。
従業員に意識と実践を徹底できるか。
現場のアナログ対応ではイメージがつかないとなれば、こういった分野こそデジタルの
出番です。
会社を、そして従業員を守るために。
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先日、久しぶりに業界の展示商談会に出かけました。
特にAIやDX関連のサービスが増えましたね。
そういったサービスの選定や検討に関するご相談もよく受けるようになりました。
先週のメルマガにも書きましたが、生産性向上や業務効率化は時代の要請です。
テクノロジーの活用、もう避けては通れません。