先週のお盆前後に休暇をとり、家族とともに実家(島根県大社町)に帰省しました。
家族(特に子供)には行きたい場所もあるのかも知れませんが、両親・祖父母と過ごす時間、
またご先祖様に手を合わせる時間を大切にしたい、そんな思いからお盆とお正月には基本的
に帰省しています。
地元にいる兄弟や親戚にも会えますしね。
そんな時間の中で考えたことをまとめてみます。
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■■一日一生
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◆お盆は日本の伝統的な行事であり、ご先祖様を迎え入れ感謝の気持ちを表す大切な時期です。
そんな古臭いことを…と世間では言われてしまいそうですが、若くして亡くなった身内がいる
こともあり子供たちも理解してくれています。
またこの時期は、普段の忙しい日常から離れて家族・兄弟との絆を深める貴重な時間でもあり
ますね。
今年も両親を含めた皆んなの無事や元気を喜びあい、近況を報告し合い、楽しく過ごすことが
できました。
そんな帰省中に、仏壇に備えてある過去帳を何気にめくりながら考える時間がありました。
自分は日々きちんと生きているだろうか、と。
◆あまり聞かれることがありませんが、好きな言葉(座右の銘?)を問われれば「一日一生」
と答えます。
その意味は言葉の通り「一日を一生のように大切に生きる」こと。
もとは禅の教えに由来する言葉とされていますが、明治時代に活躍した思想家である内村鑑三
の著書としても知られたようです。
私たちの人生は日々の積み重ねで成り立っているのですが、その一日は一生と同じくらい大切
だとの教えです。
◆実は、この言葉を知るキッカケは別にあります。
たまたま読み人知らずのこんな言葉を目にし、それから脳裏に焼き付いています。
私は
毎晩死んで
毎朝生まれ変わる
◆後から調べて知ったのですが、「一日一生」の由来の一つに天台宗の僧侶の「一日を一生の
ように生きよ。明日はまた新しい人生である。」という言葉があるようです。
その僧侶は、一日一日が常に新しい人生なのだからその一日を大切にすべきであると説いてい
るのですが、同時に「過去は過去」とも言ってくれているようにも受け止められますね。
◆公私に関わらず、人生、決して良いことばかりではありません。
時に頭から離れず、胸を苦しめるような出来事も起こります。
無責任な言い方にはなりますが、生まれ変わった日(人生)に何を引き継ぎ、どう振る舞うか
は自分次第。
新しい一日(一生)をどのように迎え、どう過ごすかも自分次第なのです。
◆仏壇にある過去帳をめくり進めることで、改めて今の自分につながるご先祖様の存在を感じ
ることができます。
中には病気や戦争で若くして亡くなられた方も多数。
そういった方々を含め、すべてのご先祖様の一日一生がつながって今の私の一日一生があるの
だと再認識しました。
そして今を生きる私たちは、日々他者とのつながりの中にいます。
それが家族であれ職場であれ、友達であれ、またオンライン上であれ。
自分の一日一生が他者の一日一生に影響を与えているんだ、良い影響も、そうでない影響も。
そんなことを感じる、今年のお盆でした。
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介護事業に限りませんが、一日一生の考えは仕事においても大切にしたいですね。
人の一生に価値の差はありませんが、残された時間には差が生じます。
悔いのない一日を、一生を。
喜びある一日を、一生を。
私も、そしてあなたも。