先週末に行われた東京都議会議員選挙、個人的にも関心をもって注目していました。
意外というべきか予想通りというべきか…大きな流れの変化を感じる結果でしたね。
ところで、この選挙後にタイトルに関連した2つの興味深いニュースを目にしました。
採り上げてみたいと思います。
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■■高齢者とSNS
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◆一つ目は、先日の東京都議会議員選挙におけるメディアの出口調査結果に関するもの。
テレビ朝日(ANN)の出口調査によると、投票先を選ぶ際に「SNSを重視した」と答えた
人が全体の41%に達したとのこと。
そして注目すべきは、この傾向が若者だけでなく高齢者にも広がっていることです。
20代以下で半数を超えているのは予想通りですが、なんと80歳以上でも41%がSNSを
重視したと回答。
政治情報についての取得行動が大きく変化していることを示す象徴的な数字です。
2024年を「日本におけるSNSと選挙の転換点」と分析している学者がいますが、思い起
こせば東京都知事選での「石丸現象」、また兵庫県知事選での影響拡大など、SNSが単なる
エンターテインメントツールから選挙という重要な場面での情報源として機能するように
なったと言えます。
それが、これまで「政治に関心がない」とされてきた層の政治参加の裾野を広げる効果と
ともに、高齢者の情報源や選択根拠としても活用されはじめています。
◆もう一つはつい数日前のことですが、大谷翔平選手を装った外国人がSNSを通じて高齢
者から金銭をだましとったというニュース。
「僕の保険料を支払ってくれませんか」という何とも大胆な手口のようですが、大谷選手の
大ファンである高齢女性とSNS上で繋がり、嘘のメッセージでやりとりを重ね、遂には
100万円を支払ってしまったというもの。
「ちょっと考えれば」なんて言うなかれ、類似被害は年齢や性別を問わず多発しています。
有名人を名乗る、また無断で活用するケースは多くのSNSで散見され、実際に不正利用さ
れた有名人による抗議の投稿もよく目にします。
◆いずれのニュースにも共通するのは、高齢者のデジタル利用が拡大しているという背景。
スマホの普及が大きな要因だと考えられますが、実際に総務省の調査報告を見ても65歳
以上のインターネット利用率は約60.9%に達し、スマートフォンの個人保有率も78.9%
と高水準です。
加えてメディア需要の変化も見逃せません。
従来の新聞やテレビなどのメディアに加え、より多様な視点から情報を得たいという需要
が高まっています。
特に動画コンテンツの充実により、文字情報よりも理解しやすい形で様々な情報に触れる
ことが可能になったのは、特に高齢者にとってはハードルを下げたのではないでしょうか。
コロナ禍でのデジタル化加速もあるでしょう。
◆大谷選手を装った云々のような事件が増えており、フェイクとの戦いが新たな社会問題
となっています。
誤った情報を正しく「誤りである」と判断できた人は僅か14.5%。「自分は大丈夫」と自信
を持つ人ほどフェイク情報に騙されやすいという皮肉な結果も出ているようです。
顔が見えないばかりか声も聞こえない相手とのやりとり、これは年齢に関係なく注意すべ
き事項です。
◆…といった課題点はあるものの、高齢者事業に関わるものとして、こうした時代の流れ
は無視できないどころか、しっかり認識・対応しなければ機会損失にも繋がりかねません。
「うちの業界はデジタルが遅れているから」
「いきなりデジタルを取り入れたって使ってもらえないよ」
そんなことを思っているのは事業者側だけ…そんな現実が目に前にあります。
フェイクへの対応を含め、この新しい時代に求められるのは、私たち事業者自身の「デジ
タルリテラシー」であり、「情報リテラシー」なのかも知れません。
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昨日のメルマガで原田からも紹介がありましたが、7月25日(金)13時30分~16時30分
(変更可能性あり)に「AI活用による業務効率化実践事例セミナー(初級編)」を開催する
予定にしております。
正式な案内は改めてとなりますが、興味をもって、また必要性を感じてもらえる内容かと
思います。
楽しみにお待ちください!