みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
先週月曜日、3月31日の年度末最終日に、令和7年度予算が国会で成立しました。
ニュースでも(あまり時間は割かれなかった印象ですが)採り上げられていましたのでご存じ
の方も多いかと思います。
当初予算案が参議院で修正され、それが衆議院で同意を得て成立するという、現行の憲法下で
は初めてとなる成立の経緯も注目されました。
この予算について採り上げてみたいと思います。
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■■令和7年度予算成立
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◆全体で言えば、一般会計の増額が115兆円を超える令和7年度予算額は過去最大。
110兆円を超えるのは3年連続です。
社会保障費や防衛費のほか、日銀の利上げを背景に国債の利払いが膨らんだことなどが主な
要因です。
予算総額のうち最大の割合(約3分の1)を占めるのが「社会保障費」で、その額は前年度額
から5585億円増えて38兆2778億円。
内訳を見ると、例えば薬の公定価格の引き下げにより600億円程度、また高額療養費制度の
見直しにより200億円程度など、それぞれ減額となる項目も多数ありながらの予算です。
言うまでもありませんが、高齢化に伴う医療や年金にかかる支出が大きく増えています。
◆他に気になる事項として、国債の償還や利払いにあてる「国債費」が1兆2089億円増えて
28兆2179億円と、こちらも過去最大となっています。
国債残高の増加に加えて長期金利の上昇を反映して想定金利を引き上げたことが要因のようで
すが、この国債費は社会保障費に次いで歳出全体のほぼ4分の1を占めており、財政の硬直化
とも言える状況にあります。
◆一方の歳入について見てみると、堅調な企業業績を反映して法人税の税収が増加しており、
その他で消費税も前年度を上回る額となり、また住民税も昨年度の定額減税の影響が無くなる
ことから税収が増額となっています。
予算と言えばの話として、国債の発行額が17年ぶりに30兆円を下回る(28兆6490億円)と
いうことも申し添えておきます。
ただ歳入(いわゆる売上や収入)は水ものです。
依然として歳入全体の約4分の1は国債発行によるという事実も踏まえれば、先に触れた国債費
の負担とあわせて決して楽観視はできません。
◆こうしたニュースに無頓着だった自分自身を恥じ、改めて情報を集め、そして考えました。
いよいよ抜本的に社会保障改革を断行しなければ・・・今さら感はありますが、率直な感想です。
超高齢化&人口減少の社会において、日本の予算・予算計画はある意味で世界から注目される
ことかと思います。
日本が世界に誇る(とも言われた)国民皆保険制度・社会保障制度の“限界”。
国会や議会ではっきりと口にする人は僅かですが、もう本格的な議論を避けては通れないので
はないでしょうか。
時間がかかることで簡単ではないとはいえ、国全体で考えるべきことです。
◆もちろん私たち個々人で貢献可能、実現可能な事項もあります。
直近の厚生労働省の発表を見ると、健康寿命(日常生活に制限のない期間)は男性72.6歳、
女性75.3歳。
平均寿命は男性81.4歳、女性87.4歳で、ともに約10年間の「不健康期間」が存在している
という事実は過去のメルマガでも触れました。
これに関連する情報として某大学が発表した推計データによると、健康寿命が1年延伸すると
医療・介護費が千億円単位で削減可能とされ、逆にこのまま現状維持が続くとなると2040年
に国民負担率(保険料+税)が所得の3割超に達する可能性があるとされています。
(具体的数値も出ていましたが、その根拠がどうにも不明確だと感じたので、ここでは大まか
な表現としています。)
こうした事実やデータを踏まえれば、「介護予防」や「健康寿命延伸」というのは単なる時代
のキーワードではなく、日本の未来にも直結する大きなテーマです。
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情報を検索する中で、本文では触れませんでしたが以下のような気になる記事も見つけました。
・40代男性の36%が「メタボリックシンドローム該当または予備群」
-2023年国民健康・栄養調査
・20-30代の運動習慣なし率が50%超
-スポーツ庁2022年調査
この現実をどう考えるべきか。
社会保障費の増加、また簡単に減らないという実情は決して行政だけの責任ではないですし、
ましてシニアに求めることばかりではありません。
未来の鍵は、私たち世代の意識と行動にかかっています!
(だからマラソンを、とは今回は言いません)