みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
早いもので12月も半分が過ぎ、年末まであと僅か。
そして、このメルマガも(ちょっと早いですが)今年最後となりました。
今年もとりとめのない拙文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
色々と書いてきましたが、締めくくりは個人的に来年のテーマであるDXについて。
特に、介護業界におけるDX化について考えてみます。
来年のキーワードになりそうですよ!
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■■今こそDX化を(新年へ向けて)
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◆介護業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入は大きく遅れています。
ずっと言われ続けている課題ですね。
様々な通信手段があるなか今でも伝統的手段である電話やFAXが主流であり、情報の保存も
紙媒体が中心、情報共有や伝達においてミスや遅れが生じやすいまま。
個々の企業や事業所がDX化やIT化に取り組んでも、取引先などの関係者が対応してくれな
ければ業務効率の大幅な改善は難しいという悩ましい状況にもあります。
◆なぜDX化が進まないのでしょうか。
その背景の一つとして、介護現場では長年勤続するベテラン従業員多数がいてDXに頼らず
とも業務を円滑に回してきたことがあるような気がしています。
介護技術もそうですが、業務フローやノウハウが個人の経験と暗黙知に依存しており、標準
化が進まなかったことで新しいシステム導入の必要性も検討されにくかった。
特に中核を担うベテラン従業員の中には「自分でやった方が正確で早い」と考えてDXへの
抵抗感が強い人も少なくないのではないでしょうか。
◆介護業界の人手不足は深刻な状況になりつつあります。
各社とも求人に注力はするものの、他業界との競争だけでなく業界内でも好条件を提示する
大手と競い合う日々。
でも難しいからと諦めるわけにはいかず、現場を回すためどうにかしなければいけません。
そうなると必然と、外国人や高齢者、未経験者など多種多様な人材の受け入れを考えざるを
得ません。
従業員の入れ替わりが頻繁になり、ベテラン社員だってずっと居てくれるとは限りません。
そうした状況の中では、従来の“個”の経験に基づく業務運営は困難になります。
◆個のスキルや経験に依存するというリスクを減らし、人材が流動する中でも業務レベルを
保つためにどうするか。
根幹である介護サービスの質を維持・向上させながら、その一方で生産性を高めていくため
にどうするか。
その解決策の一つが、DXによる業務の標準化と効率化ではないでしょうか。
人材確保の課題と業務の標準化ニーズの高まりこそ業界におけるDX推進のキーファクター
だと思うのです。
◆すでに世の中には多数のサービスが存在しています。
保管場所に困る紙ではなくクラウドシステムの導入による介護記録や利用者情報などの円滑
な情報共有。
ミスや遅延が生じやすい従来の手渡しやFAXでの伝達ではなくSNSを活用した情報連携。
その他、情報の一元管理やリアルタイムの情報共有を可能にするサービスは多数あります。
またAIやIoTの活用も進化しており、業務の自動化や省力化が進んでいます。
例えば、AIを活用した入力支援や自動化、センサーやウェアラブル機器による見守りなどに
より人手不足を補うことが期待されています。
◆ただし、業務効率化のためにシステムやロボットを導入することだけが重要というのでは
ありません。
業務プロセスの可視化や標準化もあわせて重要であり、業務をフローチャート化するだけで
も作業工程を明確にしたり、ムダな工程を削減できます。
またマニュアルの整備を進めることにより、経験の浅い新人でも業務を円滑に行えるように
なり、人材育成の効率化にもつながりますね。
◆DX化の推進には、もちろん課題や困難もあります。
導入に伴う初期投資コストやランニングコストの問題、また従業員のデジタルリテラシーの
向上(教育)も不可欠です。
高齢従業員など人材の多様化が進めば、より十分な教育とサポートが必要になります。
また、クラウドシステムやIoTデバイスの利用に伴いセキュリティ対策も必要になります。
利用者の個人情報を大量に扱うことから、サイバー攻撃や情報漏えいリスクに対する強固な
対策が求められます。
そして前半でも触れましたが、多くの関係者が関わる事業活動のなかで一部の事業者だけが
DXに取り組んでも業務全体の効率化には限界があるという悩ましい問題もあります。
◆それでも「だからDX化・システム化はまだ必要ない」とはなりません。
介護サービスの需要がますます高まる中、限られた(そして多様な)人材で持続可能な質の
高いサービス提供を実現し続けるためには、DXによる生産性向上が不可欠です。
ちょうど1ヶ月ほど前のメルマガでも触れましたが、今年の介護報酬改定において介護施設
に対して「生産性向上に資する委員会」の設置が義務化されました。(施行は2027年です)
補助金をはじめ各種支援制度も多数出てきており、国も後押ししています。
もうDX化待ったなし!
個人的な関心事としても、来年はこの分野での情報提供や提案ができるよう取り組みたいと
考えています!
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改めまして、今年1年メルマガにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
私の担当は週1回ではありますが、調べ、考え、アウトプットすることで私自身が学びを得
ることばかり。
また皆さんからのフィードバックにも教わっています。
迎える来年は蛇年。
蛇は脱皮を繰り返して成長することから「再生・復活の象徴」とも言われます。
何度だって脱皮すれば良い、いや脱皮を繰り返しながら前進していきましょう。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。
良い年をお迎えください!
ケアビジネスパートナーズ 一同